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そらる「みんなの声が聴けて、顔を見られるライブはやっぱり最高」 りぶ、うらたぬきらゲストも出演、まふまふ書き下ろし曲も初披露した有明アリーナ公演2daysをレポート

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SORARU ARENA LIVE 2023 -クリスタリアルスカイ- スカイライト / ナイトグロウ

SORARU ARENA LIVE 2023 -クリスタリアルスカイ- スカイライト / ナイトグロウ

SORARU ARENA LIVE 2023 -クリスタリアルスカイ- スカイライト / ナイトグロウ
2023.1.7-8 東京・有明アリーナ

いつまでもくもりない輝きを放ち、ファンに仲間に愛されすぎている人。

今年活動15周年を迎えるそらるが、2023年1月7日&8日に東京・有明アリーナで2daysワンマンライブ『SORARU ARENA LIVE 2023 -クリスタリアルスカイ- スカイライト / ナイトグロウ』を開催。1月7日の“青空”をテーマにした「スカイライト」公演には天月-あまつき-、__(アンダーバー)、超学生、りぶが、1月8日の“夜空”をテーマにした「ナイトグロウ」公演にはあらき、うらたぬき、Sou、luzがゲスト出演し、盟友・まふまふによる書き下ろし曲も初披露された、豪華な祝宴の模様をお伝えする。

キービジュアルと同じ、光るペンダントを胸にステージに現れたそらる。透明感ある伸びやかな歌声を響かせた1曲目は、ドラマティックな展開の「銀の祈誓」だ。ステージ後方だけでなく天井部にも天窓を思わせる大型ビジョンが設えられていて、ファルセットが切ない「シャルル」、フェイクが映える「burnable」然り、映像演出も実に鮮やかで美しい。

コロナ禍で長らく声出しライブが実現していなかったが、そらるのライブではこの日から声出しが解禁。大歓声を浴びて、「声が聴こえるよ!」と笑顔を見せるそらる、感慨深げだ。

ステージ中央に置かれたソファに腰かけ、途端にやさぐれモードに入った「コールボーイ」。赤いレーザー光線が飛び交う中、<うええい><かっけえ>で圧倒した「神っぽいな」。低音から高音まで見事に魅せた「マダママゴト」。大晦日に筋トレで首と腰を痛め寝正月を余儀なくされ、なんとかステージに立てるようになったことをMCで告白したそらるだが、歌声はそんなことをまるで感じさせない。

「15年歌ってこられたのはみんなのおかげ。みんなの声が聴けて、顔を見られるライブはやっぱり最高ですね」

幸せを噛みしめ、アルバム『ゆめをきかせて』に収録のナンバーへ。痛みを知る人だからこその優しい歌声で涙腺を直撃した「ぼくを叱って」。ようやく、ようやくオーディエンスと一緒に歌うことができた「五線譜のタイムマシン」と「ゆめをきかせて」。“ライブ”が在るべき姿で戻ってきたのだ。

SORARU ARENA LIVE 2023 -クリスタリアルスカイ- スカイライト / ナイトグロウ

SORARU ARENA LIVE 2023 -クリスタリアルスカイ- スカイライト / ナイトグロウ

立体感ある映像演出で暖炉のある部屋、時間の移り変わりが表現され、丁寧に歌声を紡いだ「366日」に続き、花道を通ってセンターステージへ向かったのは、1月6日に動画投稿したばかりの「愛言葉IV」。客席を360度見渡して手を振りながら胸キュンナンバーを歌うなんて、反則じゃなかろうか。

今回のライブタイトルが、結婚15周年の“水晶婚”にちなんだものであることを明かしたそらる。「今回のライブにはゲストがいます。実は、友達いたんです(笑)。コロナ期間中、みんなで集まるライブが減ったのが寂しくて、今回のライブがひとつのきっかけになればいいな、今年はいろんな人と縁を結んでいきたいなと思ってます」という言葉から、ゲストコーナーへ。

1日目最初のゲストは、「はいどうも、みなさんこんばんは!」とよく通る声ですこぶる元気に登場した天月-あまつき-だ。単独公演では声出し未解禁の天月がオーディエンスの歓声に感動すると、そらるが「いいでしょ」と自慢気だったり。そらるがさっさとタイトルコールして、天月に「「せーの」とかないんかい!」とツッコまれたり。10年以上のつき合いになるという2人、まるで漫才コンビのよう。「ダーリンダンス」を歌ってみてもやっぱり息ぴったり、重なる歌声が本当に好相性だ。

3年ぶりにステージに登場したのは、天月と同じくそらると旧知の仲のりぶ。「お正月にすべてのチョコレート菓子を過去にするサク山チョコ次郎をバクバク食べてました」と報告するりぶに、「天月はフレッシュだったのにおまえフレッシュじゃないな」と塩対応なそらるだったけれど、今度は2人で「せーの」と声をそろえて、2人のコラボオリジナル曲「うざったいな」へ。そらるの低めな声とりぶの高音、とんでもない相乗効果だ。すれ違いざまのハイタッチにも信頼感が滲む。

「りぶとまた一緒にステージに立てたの嬉しいけど……フレッシュさが足りないなぁ」とそらるが言い出して、ステージに登場したのは新進気鋭、仮面をつけた超学生。ほぼ初対面ながら、「僕にはお正月のこと聞かないんですか?」と物怖じしない超学生が「1日で24個モチを食べました」と報告すると、「身体モチやん……」と驚愕するそらる。「僕とそらるさんは友達ですか?」という超学生の問いに、そらるが「マブよ。モチ友よ」と即答し、2人で歌ったのは「ロウワー」。そらるの高音と超学生の低音の混ざり合い、向き合っての<君と歌う>もエモーショナルだ。

1日目最後のゲストは、アンダーバー星の国王、__(アンダーバー)。いきなりゼロ距離でソファに腰かけてそらるを少々戸惑わせた彼は、自身のワンマンライブの予定を変更してそらるのライブに駆けつけてくれたのだとか。ライブイベント『ETA』で共演していた当時からそらるがリスペクトしていたというだけあって、ひとたびスイッチが入れば途端に無敵のエンターテイナーに変貌し、「パンダヒーロー」へ。「北海道はでっかいどう!」など、共にフリーダムに楽しむそらるの姿も印象的だった。

SORARU ARENA LIVE 2023 -クリスタリアルスカイ- スカイライト / ナイトグロウ

SORARU ARENA LIVE 2023 -クリスタリアルスカイ- スカイライト / ナイトグロウ

2日目最初のゲストは、うらたぬき。自身のソロライブやユニット・浦島坂田船でのライブでは声出し未解禁なため、オーディエンスの歓声を久々に浴びて「いいっすね!」とテンションが高まると、花道を通ってセンターステージへと駆け、たっぷりファンサ。そらるはといえば、「自由だなアイツ……」とうらたぬきの背中を見つめて、うらたぬきが華麗なターンを決める一方、なんだかおぼつかない様子だったものの、「せーの」で一緒に曲振りをした「金星ダンス」では阿吽の呼吸で沸かせた。

「この人のことはあまり呼びたくないんですけど……」と渋々!?ステージに迎えたのはluz。「iPhoneの壊れ方が普通じゃない、基盤剥き出しとかヤバすぎ怖い」「こいつ疲れる……」「ブキミ」とどうにもつれないそらるに、「そらるさん尊い」「もし自分が女の子だったらそらるさんと結婚したいです。尽くします」と一途なluz。扱いに困ったそらるが「じゃあ歌おう」と言って「カーシィマーシィ」を2人で歌ってみれば闇っぽくて艶っぽくて、噛み合わないトークからの絶妙コンビネーション、その豹変ぶりもなかなか怖い。

「次は常識人のこの人としゃべって心を落ち着けたいと思います」と呼び込んだのはあらき。「裏で出番を待っている間になにをしてたと思います? 盛り上げるために特技を習得してました」とはさすがだ。「可愛くてごめん」のかわいい振付にあらきアレンジを加えて、そらるにもその場で伝授。そらるのちょっと照れながらの「可愛くてごめん」に、ファンはキュン死するしかない。そんな2人のかわいさについ油断していたが、「ボッカデラベリタ」のハイトーン頂上決戦、圧巻だった。

そらるが「最後は柔らかい空気に戻したい」と言って招いたのは、Sou。一緒に歌うのは7年ぶりとのことで、とっても嬉しそうな2人。どちらもほんわかふんわりとした雰囲気をまとっていて、仲睦まじい兄弟のようにも見えてくる。“歌ってみた”を愛する者同士、この先に向けての想いも語り合うエモめなMCは、穏やかで温かくて、癒しの世界。そらるとSouで歌う「ベノム」は、なんだか爽やかでもあったように思う。

そらるという透明度の高い結晶は、合わさる色によってさまざまな表情を見せる多面体でもある。2日合わせて8つのコラボレーションは、だいぶ刺激的だった。

SORARU ARENA LIVE 2023 -クリスタリアルスカイ- スカイライト / ナイトグロウ

SORARU ARENA LIVE 2023 -クリスタリアルスカイ- スカイライト / ナイトグロウ

そして、無二の友・まふまふを想いながら歌う「ひともどき」へ。まふまふにとって特別な1曲を大切に歌う姿に、どうしたって心が動く。2日目の「ユーリカ」ではたかぶるまま予定外にセンターステージへ向かったそらるは、本編最後、このライブのためにまふまふが書き下ろした「テレストリアル」を初披露。「そらるが歌ったら最高になる1曲を」というリクエストに完璧に応え、希望の光が射すようなナンバーを仕上げたまふまふ。リスペクトし合い、お互いが最大の理解者である2人の絆は、なにがあろうと揺るがない。

「彗星列車のベルが鳴る」でスタートしたアンコール。1日目は天月-あまつき-、__(アンダーバー)、超学生、りぶと、2日目はあらき、うらたぬき、Sou、luzと歌声を重ねた「ワンダー」では、「自分で書いた曲をみんなに歌ってもらいたい」というそらるの願いが叶った。隣り合ったり、肩を組んだり、この面々での「ワンダー」はそうそう観られない。あらきがうらたぬきを、luzがSouをお姫様抱っこして、そらるが真ん中で深々お辞儀した2日目の最後。そのカオスな光景も含め、今回のライブで目にしたもの耳にしたものすべて、きっといつまでも忘れない。

2日目のライブ終了直後には、まふまふとのユニット・After the Rainの7周年を記念した新曲「アイスクリームコンプレックス」の動画投稿に加え、After the Rain活動再開という吉報も。そらるの15周年、幸先よすぎる滑り出しである。

文=杉江優花 撮影=小松陽祐(ODD JOB)、笠原千聖(cielkocka)

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