2000年11月、作・構成・演出/ジャニー喜多川、主演・堂本光一で上演された『Millennium SHOCK』。それ以来、『SHOCK』はブラッシュアップを繰り返しながら上演され、堂本光一は国内ミュージカル単独主演記録を更新し続けてきた。
2023年4月・5月の帝国劇場公演は、『Endless SHOCK』本編と『Endless SHOCK-Eternal-』の同時上演という、かつてない形態に決定。同劇場・同キャストで舞台セットが異なる二つの物語を同時に演じる珍しい試みに期待が高まる。
会見には作・構成・演出・主演の堂本光一、ライバルを務める北山宏光・佐藤勝利(Wキャスト)、ふぉ〜ゆ〜の越岡裕貴と松崎祐介、ヒロイン・リカ役の中村麗乃、オーナー役の島田歌穂・前田美波里(Wキャスト)が登壇。また、高田翔と原嘉孝、ジャニーズJr.の深田竜生、阿達慶の出演も発表された。
■本編とスピンオフ、2作が揃って完成するストーリー
――まずはお一人ずつ意気込みをお願いします。
堂本:今年もSHOCKを上演できることが嬉しいです。本当に信頼できるメンバーが揃っていますから心強いですし、新たな幕開けにワクワクしています。ストーリーとしてはこの2作で完成しますから、ぜひ両方楽しんでいただけたら。今回は帝国劇場でも客席上空のフライングをしたいですし、『Eternal』では完全にカットしていたラダーフライングも復活させようと考えています。
佐藤:去年は本編を配信し、劇場で『Eternal』を上演しました。去年は不安もありましたが、公演を通して鍛え上げられたおかげで今年はすんなり同時上演を受け入れられました。
堂本:思い出した。去年、すごく弱気な電話をしてきた(笑)。今回はなかったね。
佐藤:今日は予想していたせいもあります(笑)。成長を見せたいですし、本編を演じる光一くんを見て色々と学びたいです。そして何より、泥臭く殻を破って、自分でも見たことのない佐藤勝利を皆さんにお見せしたいと考えています。
中村:私は新キャストなのでとても緊張しています。たくさんの方に長年にわたって愛されている作品に出演できることが本当に光栄です。真摯に向き合い、大切に努めたいと思っています。
越岡:僕らふぉ〜ゆ〜、2022年の記者会見は外されたので今回呼んでもらえて光栄です(笑)。僕らは『Endless SHOCK』も『Endless SHOCK-Eternal-』も経験している。先輩としてみんなを全力でサポートしていけたらと思います。
松崎:僕はこの作品において、光一くんの次に出演回数が多いと耳にしました。それだけ光一くんの背中を見ているということ。だから、学んだことをキャストの皆さん、宏光や勝利に伝えてアドバイスできる存在になりたいです!
前田:両方やるのは本当に辛いですが、この2作品を大好きな帝国劇場で演じられるのは舞台人としてこの上ない幸せです。今から必死に稽古し、今年も新たな気持ちで挑戦したいと思っています。
島田:美波里さんがずっと守ってきた役なのでプレッシャーもありましたが、去年は光一さんを信じ、最高のチームワークのカンパニーの皆さんから力をいただいて精一杯努めました。今回、新たな歴史の一ページに参加させていただけるのが嬉しいです。
北山:同時にやると聞いた時は本当にびっくりしましたし、大変と聞いて震え上がっています。両方演じることで気持ちの変化などもしっかり考え、自分らしいヒロミツを真摯に演じていけたらと思っています。
■大変さが楽しさになっていく作品
――同時上演について、もう少し詳しくお聞きしたいです。
堂本:スケジュールはまだ決まっていませんが、昼と夜に公演がある日は昼に本編、夜にスピンオフ。1公演の日は本編と考えています。皆さんも混乱するかもしれませんが、確認した上でどちらを観るか決めてほしいです。こういった形態はミュージカルでは珍しいことかもしれません。そして今気付きましたが、オーナーが美波里さんの時と歌穂さんの時で歌のキーやハモリが違ったりする。僕がやばいですね、頑張ります(笑)。
――このチャレンジを決めた理由はあるんでしょうか。
堂本:スピンオフである『Eternal』を通して、『SHOCK』という世界が消化されると僕自身は思っているんです。ライバルを始め、みんながそれぞれ抱える思いが完結できる。「コロナ禍だからやった作品」じゃなく、一つの作品としてしっかり皆さんに届けたいと感じたので、今年はこういった形をとることにしました。
――ライバルを演じる佐藤さん・北山さんは、去年を振り返ってみて、印象に残っているエピソードはありますか?
佐藤:本編だとないですけど、『Eternal』だと急に「踊って」って言われることがあるので……。
北山:急に「踊って」!?
堂本:(笑)。「higher」という曲、本編だとライバルが悔しさを感じるシーンだから踊らないけど、スピンオフでは勝利に踊らせました。公演が進んでいく中で思い付いてしまって。
北山:えー!
佐藤:言われた当日に振り入れをして次の日に踊りました。でもそこにジャニーズイズムを感じるというか。
堂本:血が騒ぐでしょ(笑)? 今は突然「you出ちゃいなよ」みたいなのがなくなっちゃったから。
佐藤:大変だけど嬉しかったです。
堂本:しんどいけど乗り越える楽しさが立つのを一緒に経験したいなって。
佐藤:どんどん色々なことに気付く光一くんについていくことで、自分もSHOCKファミリーの一員になれたという喜びを感じましたね。
北山:『Endless SHOCK』はキャストがギリギリまで追い込んだところでお客さんにお届けするんだということは、光一さんの背中を見ながら思いました。1公演終わるとまたスタートに戻って、気持ちがエンディングに向かってどんどん上がって、次の日またゼロに戻って立ち上げていく。肉体と精神の強さがないとできないし、やり遂げた時の快感があるんです。中毒性を感じましたし、自分の身体で体験できて良かったです。僕は博多公演に参加したので、合宿のようで楽しくもありました。
■それぞれの個性が大きな魅力
――今回はライバルとオーナーがWキャスト。光一さんから見たそれぞれの個性や魅力を教えてください。
堂本:勝利は見ての通り正統派。「自分にこの役は合わないんじゃないか」と思う部分もきっとあったと思うけど、そこにあえて立ち向かって、自分の泥臭い部分を探しながら毎日ステージに立つ姿が魅力的でしたね。今年もその探索は続けてほしいと思っています。ビバさん(前田)に関してはもう言わずもがな。みんなの母で、そこにいるだけで包まれるような愛を感じますし、ステージに立つ時の背筋が伸びる感覚も学ばせていただいています。
宏光は、今までのライバルの誰とも違うアプローチをしてくるのがずるい。「研究してきたな」と感じます。スピンオフもやることで、宏光が演じるライバルがさらに変わっていくと思うので楽しみです。歌穂さんとは『ナイツ・テイル』でも共演しましたが、その時は台詞のやり取りがほぼなくて。この作品で一緒に歌うこともでき、光栄です。プレッシャーもあったと思いますが、稽古1回目から完璧な素晴らしいオーナーでした。
麗乃ちゃんは初参加ですが、リカは少女から一番大人に成長していく役。すごく合っていると感じるので稽古が楽しみですね。以上です!
越岡・松崎:僕らには? 一行ぐらいでもいいんで!
堂本:(ふぉ〜ゆ〜の)福ちゃん(福田悠太)と辰巳(雄大)は出ないの?
松崎:そっち(笑)!?
越岡:あいつらも忙しいんでしょうねえ(笑)。
■カンパニー全員が一丸となって繋いできた作品
――長年参加されている美波里さん、越岡さん、松崎さんに、コロナ禍での公演における光一さんの印象的なエピソードをお伺いしたいです。
前田:『Eternal』では、コウイチが天国に行った後、仲間たちはどう生きていったかを描いています。コロナ禍になって一時期は「もう公演ができない」というところまで行きましたが、そこで私と越岡くん・松崎くんたちが「だからこそやりたい。どんな形でも上演したい」と光一さんにお願いして出来上がった作品。本当に素晴らしいものが完成しました。
松崎:一番印象的だったのは、光一くんが「公演をどうするか」とカンパニー全員にアンケートを取ってくれたこと。僕が「何がなんでもやりたいです」と伝えたら光一くんが色々考えてくれました。だからこそコロナ禍をマイナスに捉えず、この時期があったからこそスピンオフが生まれたとプラスに考えています。
越岡:光一くんがJr.も含めたみんなにアンケートを取ってくれたんですが、誰一人として「ストップしよう」とは言いませんでした。光一くんが『Eternal』という形を作ってくれたことにすごく感謝していますし、僕個人としては本編ほど華やかじゃない当時のセットがすごく好きで。
堂本:シンプルで、あれはあれでいいよね。
越岡:そうなんです、質素というか。
佐藤・北山:光一くんが「シンプル」って言ってくれてるのに(笑)。
堂本:色々な制約があったけどあれはあれで素敵だったよね。
越岡:素敵でした。そうやって生まれたスピンオフを今年演じられるというのは感慨深いものがあります。
――勝利さんが光一さんから学んだことはなんでしょうか。
佐藤:SHOCKで鍛え上げられたことで、他の仕事への臨み方も変わりました。人生を変えてもらった感じです。
堂本:もっと言って(笑)。
佐藤:新たな一歩を踏み出すのは怖いことでもありますよね。でも、踏み出してみないと新しいものは作れないと学びました。今までの努力は裏切らないし、本当の真ん中にあるものは壊れないので、とにかく挑戦してみるという勇気を教えてもらいました。
前田:去年の公演、最初の頃の勝利くんはちょっと弱い感じが可愛かった。でも、公演期間でどんどん変わり、最後には人が変わったように強いショウリを演じていました。若い人の成長はすごい。私ももっと頑張ろうと思います。
■より深みのある芝居を作り上げたい
――島田さんは昨年の博多座公演に参加して、SHOCKのどんな点に魅力を感じましたか?
島田:ありとあらゆるエンタメが盛り込まれている作品だと感じます。様々なナンバーの転換が秒単位でパズルのように見事に行われていく。素晴らしい演出とスタッフさんたちのチームワークに感動しました。また、こんなに大変なステージでも光一さんは常に変わらず、疲れを見せずに力強く立っていてくれました。光一さんがこの作品にかける思いや気迫、深いものをたくさんいただきました。
――北山さんと島田さんは今回『Eternal』初挑戦です。
島田:頑張ります……!
堂本:歌穂さんは説得力がすごいので何も心配していません。宏光は勉強熱心だしね。
北山:先輩たちが演じた過去のライバルを観たのはもちろん、これまでもタイミングが合えばSHOCKを観に行っていました。自分だったらどう演じるか考えながら台本を読みましたね。今年は両方やることで、役としての心境をより深く探れると思うんです。スピンオフで得たものを本編に戻し、自分なりに掘り下げられたら。
――中村さんが本作に参加したいと感じた理由、光一さんに聞きたいことを教えてください。
中村:初めてSHOCKを観たときに、お芝居だけでなく煌びやかなショーや殺陣、仲間との絆や愛などの要素がぎゅっと詰まっていると感じました。作品からパワーをもらい、明るく前向きな気持ちになったのを覚えています。自分もこの中で生きてみたいと思いました。光一さんに聞きたいのは、今の私と同い年の21歳からここまで続けてこられた理由です。
前田:光一さんの初演の時と今を比べてみて、どうです?
堂本:当時はすごく背伸びしてましたね。頑張らなきゃって気持ちが先行してカリカリしていたかもしれません。でも、原動力はやっぱり来てくださるお客様。そしてスタッフやキャストを含めたみんなのことがいつも大好き。「またやれるのが喜びだし、またやりたいと思っていたらここまで来ていました。全ては支えてくれる人があってのこと。周りのおかげです。
――最後に、ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
堂本:2023年のSHOCKは本編とスピンオフの同時上演です。スタッフさん・キャストの皆さんにも迷惑をおかけする部分もたくさんあると思いますが、みんなで苦労した積み重ねがステージ上で輝くものになると思います。その輝きをお客様に届けたいと思っていますので、ぜひ期待してください。
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