石川さゆり、デビュー50周年記念曲「残雪」が「藤田まさと賞」を受賞「これからも世界で何が起こっているのかを見つめて歌い続けたい」
歌手・石川さゆりが昨年デビュー50周年記念曲として3月25日にリリースした「残雪」が、令和4年度「藤田まさと賞」を受賞した。
藤田まさと賞は、昭和の四半世紀、日本人の「心」をうたい続け、歌謡史上に金字塔をうちたてた作詩家・藤田まさとの偉大な業績をたたえ、その名称を永く後世につたえると共に、毎年、作時、作曲、編曲、歌唱、ともに日本人の心を捉え、かつ、大衆歌謡として評価された作品を選考の上表彰し、音楽文化の発展と日本の歌謡界の繁栄に寄与することを目的とされた賞。
石川は、1月17日に東京・海運クラブにて開催された日本音楽著作家連合 新年懇親会に出席し、令和4年度「藤田まさと賞」の授賞式に参列。授賞式では石川さゆり、作詞・作曲を務めた歌手の加藤登紀子、編曲家の斎藤ネコ、プロデューサーの佐藤 尚(テイチクエンタテインメント)、栗田秀樹が表彰された。
石川は「作品は、歌い手だけでなく、作詞・作曲・編曲、ディレクター皆で作り上げて形を成します。それが、今日形となって賞をいただけたことを嬉しく思います。以前阿久悠先生に『さゆり、ニュースを見なさい。新聞を読みなさい。世の中で今何が起こっているのかを知りなさい』と言われました。以来、私たちの歌は、娯楽で楽しむだけでなく、生活の中で心の支えになったり、背中を押せるような歌を歌いたいと思ってきました。登紀子さんと『残雪』を作ったときは、コロナ禍で“帰りたい故郷が帰れない故郷”になった世界の状況を歌った曲です。これからも世界で何が起きているのかを見つめ、聞いてくださる方の生活に寄り添う歌が歌えるようになりたいです」と語った。
作詞・作曲を務めた加藤登紀子は受賞した「残雪」での制作期間を振り返り「歌はどこかに希望がないといけない。でも、現実世界は穏やかではなく厳しい面もあります。歌を聴いてくださる人にとって厳しくもあり、でも行き着く先に希望のある歌を届けたいと思って作った曲です。さゆりさんの心の中にある決意が感じられる歌が出来上がりました。これからも、日本語が持っている旋律を追求し、皆で良い歌を残していきたいと思います」と語った。