坂本九「上を向いて歩こう」ビルボード1位獲得の快挙から60年の時を経てシングル・レコード復刻、アメリカ盤アナログは国内初リリース
永六輔作詞・中村八大作曲・坂本九が歌った「上を向いて歩こう」が、「SUKIYAKI」というタイトルで発売され、アメリカで最も権威のあるヒットチャートビルボード誌のシングル部門の1位に輝いたのが1963年6月15日。この歴史的快挙から60周年にあたる2023年6月15日に、今でも世界中で歌い継がれ愛されている「上を向いて歩こう/ SUKIYAKI」に関連するアイテムをBOXに収納した「THE BOX of 上を向いて歩こう/SUKIYAKI」が6月15日に発売される。
「上を向いて歩こう」は、作曲家の中村八大が1961年7月21日に開催した自身のリサイタルにおいて、自ら出演を要請した坂本九に向けて永六輔と創作した楽曲。リサイタルでの好評を受けて坂本九のシングル曲としてレコーディングされ、NHKのバラエティ番組「夢であいましょう」でも“今月のうた”として取り上げられた。1961年4月8日から1966年4月2日まで毎週土曜日22:00台に日比谷会館、日比谷第1スタジオから生放送されていた同番組では毎月1曲、永六輔作詞・中村八大作曲による“今月のうた”が作られ多くのヒット曲を送り出したが、「上を向いて歩こう」は1961年10月の“今月のうた”として放送されるや大きな反響を呼び起こした。10月15日に発売されたシングル盤は、発売から3か月で30万枚を突破し、当時の日本のレコード売り上げランキング(「ミュージック・ライフ」誌に掲載されていた国内盤ランキング)では1961年11月から1962年1月まで3か月にわたり1位を独走した。
翌1962年にはフランスやドイツ・北欧などヨーロッパ各国にて「上を向いて歩こう」のタイトルのままシングル盤を発売、1963年4月下旬にアメリカのメジャー・レーベルであるキャピトル・レコードからプロモーション盤が全米のラジオ局へ送付された。その反響が良かったことから、5月3日にキャピトル・レコードからシングル盤が「SUKIYAKA」のタイトルにてリリースされるやたちまち大ヒット、遂にはビルボード誌のシングル・チャートで「SUKIYAKI」として6月15日から3週連続で1位に輝いた。なお、日本人の楽曲がビルボード・チャートで1位を獲得したのは後にも先にもこの曲のみである。
今回のBOXでは1961年に日本で発売されたシングル盤と1963年にアメリカで発売されたシングル盤を、どちらもオリジナルに忠実にモノラル音源で収録。1963年発売のアメリカ盤が日本国内で発売されるのは今回のBOX企画が初めてとなるため、当時の日本とアメリカのファンが実際に聴いていたサウンドを坂本九の歌声とともに再現できる。
またDVDにはNHK「夢であいましょう」の1963年6月8日放送分が、NHKエンタープライズが開発したビデオマスター素材のレストア技術“NEPビデオレストアサービス”によりアップグレーディングを施し初収録される。当日の放送回は、1963年に“SUKIYAKI”のタイトルで全米チャート(ビルボード誌)にて三週連続1位を記録する直前の放送であり、世界各国でのヒットを受けて「上を向いて歩こう」のさまざまな国のバージョンを紹介する「上を向いて歩こう 特集」で、坂本九も生放送で歌唱している。
同梱される2枚組CD「689 SONGBOOK」は、2011年にリリースされた2枚組CD「坂本九アニバーサリー・ベスト〜689 コンプリート」をリマスターして高音質SHM-CDにし、タイトルやジャケットビジュアルも一新して復刻したもの。DISC-1は“六・八・九トリオ”が1961年〜1967年にリリースした16曲に加え、当時はレコード化されなかった「背伸び」を加えた17曲を収録。DISC-2は1979年リリースのオリジナル・アルバム「689」の復刻盤。永六輔・中村八大・坂本九による初のコンセプト・アルバムとして制作された当時のLPレコードの帯に“黄金の689トリオ、16年ぶりに再会!”と書かれた通り、「上を向いて歩こう」が全米チャート(ビルボード誌)で三週連続1位を記録した1963年から16年ぶりの作品であり、このCD2枚に収録された28曲で“六・八・九トリオ”が残した全ての録音を辿ることができる。
ブックレットでは「上を向いて歩こう」が全米1位を獲得した経緯や意義などを、2023年の視点で、娯楽映画研究家・オトナの歌謡曲プロデューサーの佐藤利明氏が解説。さらに「上を向いて歩こう」に関する年譜や当時の貴重な写真や各国のジャケットなどの資料も掲載予定。
2023年現在でも全米チャートで首位を獲得した日本人の楽曲は存在しない。「THE BOX of 上を向いて歩こう/SUKIYAKI」は、永六輔・中村八大・坂本九による「上を向いて歩こう」が60年前に成し遂げた快挙を、当時の“音”を体験しながら様々な角度から味わえるパッケージである。
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