(左から)GIMA☆KENTA(Gt/Vo)、カネシロマサヒデ(Gt/Vo)
ジャンルにとらわれない変幻自在なサウンドを武器に、インディロックシーンを席巻しているバンド・愛はズボーンが、11月12日(土)にホームである大阪の“アメリカ村”で、音楽、アート、お笑いなど、様々なカルチャーをミックスさせたイベント『アメ村天国』(通称“アメ天”)を開催する。主な会場はライブハウスなど5箇所だが、いわゆる“サーキット型フェス”には捉われない、街ごと盛り上げる“お祭り”となっている。今やメジャーシーンを賑わせるキュウソネコカミやフレデリック、夜の本気ダンスらとは同世代にあたり、共に神戸のライブハウスで切磋琢磨していた時代の話までさかのぼりながら、どういった経緯でアメ村に活動拠点を移し、アメ村に魅せられたのか。そして1970年代から"若者のメッカ"として、発展を遂げてきたアメ村にとって新たな歴史の1ページを残す気概で挑む今回のイベントに、いかなる想いを込めたのか、GIMA☆KENTA(Gt/Vo)とカネシロマサヒデ(Gt/Vo)にたっぷりと語ってもらった。
――まずは、『アメ村天国』というイベントを開催しようと思った、きっかけのところからお聞かせください。
GIMA☆KENTA(以下、GIMA):4年前ぐらいから僕がアメリカ村(以下、アメ村)でよく遊ぶようになって、その時に知り合ったイラストレーターだったりデザイナー、雑誌のライターといったバンドマンである僕とは畑の違う同世代の友達たちと、"なにか面白いことをしたい"というエネルギーをどこかにぶつけたいという話をしていたのが始まりです。だけど、その時はまだまだ力もノウハウもなくて実現にはいたりませんでした。
カネシロマサヒデ(以下、カネシロ):『アメ村天国』が実現するまでにも一回、真剣にそういう話をバンドでもしてたよね。
GIMA:ハロウィンがめちゃくちゃ盛り上がり始めた時期で、アメ村が仮装した人たちですごい賑わっていたんです。そういうのを見ていると、"なにか面白いこと"をするなら、ハロウィンの日にアメ村でやってみたいなという話をしましたね。
カネシロ:ちょうど全国流通盤の『IWZBN』をリリース(2015年2月4日)する前だったので、一昨年ですね。
GIMA:その時はまだバンドとしても大事なリリースの前で、力もそこまでついていない状況だったので諦めたんです。それが去年の暮れぐらいに、レーベルのオーナーから「サーキットイベントをやってみたらどう?」と提案してもらった時に、アメ村でみんなと話していたことと繋げられるんじゃないかなと思って。それで畑の違う同世代と一緒に盛り上げられるような、音楽だけでなく、アートもファッションも取り入れたカルチャーにフューチャーしたお祭りにしようと、構想が固まっていった感じです。今、インタビューしてくれているライターの大西くん(筆者)もその畑違いな同世代の内の一人なんですけどね(笑)。
――そうなんですよね(笑)。結成まもなくから愛はズボーンをみてきた中で、今回のイベントの構想を聞いた時は、バンドにとっての集大成であり、新たなステージに向かう出発点になる予感がしました。カネシロさんへ質問ですが、GIMAさんから単なるサーキットイベントではなく、カルチャーにフィーチャーしたイベントにしたいという話があった時はいかがでしたか?
カネシロ:前からやりたいと話してたことができるなという気持ちだったので、大賛成でしたね。だけど、オーナーから提案してもらったタイミングが、夏に『SUMMERズボップくん』というフェスの開催を控えていたり、初めてのワンマンライブが決まっていたりして自主企画が詰まっていたので、正直なかなか手をつけられずでした。そこでオーナーが、アメ村で開催するなら一番アメ村に愛のあるGIMAくんが中心になって進めるのがいいんじゃないかと言ってくれて、僕がワンマンの話をまとめて、『アメ村天国』はGIMAくんに任せることになりました。今思えば、バンド内で役割分担をしていく良い機会にもなりましたね。
――GIMAさんがアメ村を好きになったのは、どんなところに惹かれたからですか?
GIMA:アメ村で働いている人たちを好きになったのが、一番の理由ですね。僕もアメ村で活動していくうちに、音楽をやっているアーティストはもちろん、スケーターの人だったり刺青の彫り師、お笑い芸人からニューハーフまで、いろいろな人たちと出会うようになって、そういう人たちと話していると、自分とマインドが近いことが分かったんです。怖いなとか、偏見を持っていたら話しにくい人でも、腹を割って話すと面白い人ばかりで、相手もバンドマンやからといって僕に偏見を持って話すことなんてない。すごくフラットな状態で人付き合いができるところが、すごくアメ村らしい部分かなと感じるようになりました。そういう人が周りにはたくさんいたので、人柄から街を好きになって惹かれましたね。
カネシロマサヒデ(Gt/Vo)
――まさに"アメリカ"のように、カルチャーにフラットで寛容な街だったと。偏見の話で言うと、10年ほど前でしょうか。僕たち平成生まれの世代が10代の頃、アメ村は“怖い街”という印象がどうしてもありましたよね?
カネシロ:中学校ぐらいの時は、そういうイメージがありましたね。若い子たちだけでは行きにくい感じ。だけど今はそんなことなくて、女子高生とかもすごく多い若者の街になってるよね!
GIMA:僕はその頃のアメ村に遊びに行ったりしていなかったので、リアルタイムでは知らないんですよね。だからイベントの開催に当たって街のことを知ろうと、アメ村の町内会長とか昔からお店をしている人たちの話を聞いて回ってみると、たしかに良くないイメージはついていたし、実際に危ないこともあったみたいです。だけど、そのイメージを払拭するために、立ち上がったのも街の人で。落書きを消したり、ゴミ拾いをしたりしてクリーンなイメージにどんどんなって、次第に海外の雑貨屋さんとか流行りのパンケーキ屋さんが並ぶようになって、今では家族連れも女子高生も、観光客もたくさんで賑わっています。その中で、スケーターの人だったり、何をしてるか分からないおっさんがいたり(笑)。いろんな人が混在していて、カラフルなところが面白い街なんですよね。
――今では誰もが入りやすくて、楽しめる街になっていますよね。古着屋さんがあって、流行りのお店も、ライブハウスもアートを楽しめる場所もある。カルチャーがカラフルに混在しているところは、たしかに魅力的ですね。
カネシロ:東京なら駅ごとにファッションの街、音楽の街という風に住み分けができてるイメージですけど、アメ村には全部が集まってるんですよね。“ぜんぶ混ぜてしまえ!”という、いかにも大阪らしい発想(笑)。
GIMA:来るもの拒まずという考え方があるからこそ、偏見なく関わりあえる街になっていますよね。本当に、大阪らしさが出てると思います。
――これだけアメ村の話を聞いておきながらなんですけど、結成当初はアメ村というよりも神戸を拠点に活動されている印象でした。
GIMA:そうなんですよね。バンドを初めて1~2年ぐらいは、ずっと神戸を拠点に活動していて、わざわざ週末になったら大阪から神戸でライブをして、また大阪に帰ってくるということをしていました。同世代のバンドが、その頃は神戸に多かったというのもあるんですけど。
カネシロ:『アメ村天国』にも出演してくれてるプププランドとかTHE BOSSSが、さっきも少し話した『SUMMERズボップくん』というフェスを僕たちと共催しているバンドなんですけど、彼らは神戸の頃からずっと一緒にやってきてる仲間なんですよね。そういう意味では、出演者をみれば僕たちの歴史も詰まっていたり。
――神戸時代は、今やシーンを席巻しているキュウソネコカミやフレデリック、夜の本気ダンスともよく対バンしていましたよね。
カネシロ:プププランドとTHE BOSSSには悪いけど、僕たちは余った組なんですよね。神戸のライブハウスの楽屋でお酒を飲んでた奴らが残っちゃったんです。その頃は誰よりもライブハウス自体を楽しんでたつもりですけど、フレデリックたちは僕たちが遊んでる間に、ちゃんと関係者に挨拶をしたりとか走り回ってたんです。一方で僕らはその頃、人のライブのステージに上がって怒られたりしてて……。そこでようやく、なんか違うなって気づき始めたんです。
GIMA:その頃から、それぞれが自分らの土台を持つようになりましたね。俺たちは神戸にはあんまり出なくなって、大阪に拠点を移していきました。今の僕らが、その時の場におったら怒るもんな……(笑)。絶対に間違ってるって言えるもん。
カネシロ:あとは大阪のバンドやのに、神戸のバンドやと言われるのが嫌やったということもあって、大阪でライブをしていこうと。そこで、アメ村のPangeaでライブをするようになってから、そういうことしてたらアカンなってちゃんと分かるようになったんですよね。今のレーベルオーナーの吉條さんがPangeaの店長でもあるんですけど、言葉にして怒るわけでもなく、"そういうのは良くないんちゃうか?"と独特の雰囲気で教えてくれたんです。吉條さんの前では、そういうことをするのはアカンと思いながらPangeaに出ていると、自然とそういう大切なことも身についてきましたね。やっとかって話ですけど(笑)。
GIMA:思い返すと、外とのコミュニケーションなんてどうでもいいとすら思っていたぐらいやから、神戸時代は閉鎖的な活動をしていたんですよね。だけど、アメ村に本拠地を移してからはいろいろな人と出会うようになって、CDを全国リリースさせてもらったり、どんどん外の世界を知るようになっていきました。そうすると自分たちのやりたいことがもっとできるようになってきて、やっぱり知識や経験がないとできないこともあるんやなと痛感したんです。
(左から)GIMA☆KENTA(Gt/Vo)、カネシロマサヒデ(Gt/Vo)
カネシロ:Pangeaでライブを始めてからは、“どうせ出るならPangeaで一番のバンドになろう!”という話をメンバーとしてました。それでしばらく出続けてると、店長の吉條さんが、今からレーベルを立ち上げるからリリースする第一弾のバンドになってくれという話をしてくれたんです。その頃からですね、アメ村で本格的に活動を始めたのは。
――Pangeaで一番になって、これからはアメ村で一番に。そして大阪、日本の天下を獲る……といった感じでどんどん大きくなっていこうと。
GIMA:そうですね。大阪の番長になりたいんです!
カネシロ:それはバンドを始めた当初から話していたことでもあるんです。この前、キュウソネコカミのメンバーに、“大阪の番長になりたいんですよ!”と話していたら、“大阪の番長って不在やし、難しいよね!”という話になったりもして。やっぱりなりたいなと、改めて思いましたね。
――閉鎖的だった神戸時代から、アメ村での活動を通して開けていった繋がりが、集約されて『アメ村天国』を開催に至ったと。これがまた出演バンドが全国の若手シーンの強者ぞろいですから、この中でも番長にならないといけないですね。このメンツはどのようにして決まっていったんでしょうか。
GIMA:僕たちがツアーで出会ったり、企画したイベントで対バンをして、しっかりと話をしていくうちに魂の部分でガチンと共鳴したバンドに声をかけていったんです。そしたらみんな快く引き受けてくれて、中でも岡崎体育が一番返事が早かったですね。他のどのバンドも音楽的にもカッコいいと思うメンツしか呼んでいないので、“どこを食べても美味しい”っていうようなイベントになったと思います。
――リー5世、中山女子短期大学、ヘンダーソン、ジュリエッタといった、よしもとのお笑い芸人さんも出演するところがまた面白いですね。
GIMA:愛はズボーンのメンバーが全員お笑い好きで、いつか芸人さんと一緒にやりたいという話をしていたんです。それが最近、よしもとがライブハウスで『NANIWA delic』という企画を始めたので、『アメ村天国』とコラボする形で出てもらえることになりました。
――会場のひとつであるカフェ・digmeout ART & DINERでは、イベントの開催に先だって11月8日(火)~13日(日)まで、出演バンドやそのジャケットデザインなどを手掛けてきたデザイナーらが参加するアートワーク展が開催されたり、アートを入り口に楽しめるところが欲張りでいいですね。
GIMA:僕自身、展示を観に行ったり絵を描くのが好きで、いつか展示をしたいなという話をよくしていたので、ようやく実現できました。digmeout は毎週誰かの展示が開催されていて、よくランチにきたりマスターと話をしたりする大好きなお店だったので嬉しいです。今回僕は参加していないんですけど、愛はズボーンからはこれまでバンドのアートワークを手掛けてきてくれたカネシロくんが参加してます。観に来てくれた人にも、絵を描くことだったり作品を見る楽しさを知ってほしいなと思って開催します。
カネシロ:僕が自分でバンドのジャケットやグッズを描いているみたいに、バンドのアートワークってバンドが自分たちで手掛けていたり、毎回誰かに委託して完成するんです。だけど、そういう関係性ってメディアとかではあんまり出てこないじゃないですか。それこそ、ASIAN KUNG-FU GENERATIONとイラストレーターの中村佑介さんみたいに、一緒にシーンをのし上がっていった関係性事態がひとつのカルチャーやと思うんです。アンディ・ウォーホルとヴェルヴェット・アンダーグラウンドだってそう! そういう音楽のリリース情報だけじゃなくて、発信すべきものがまだまだあると思っているんです。なので、このアートワーク展を通して、バンドがこだわって作っているCDジャケットだったり、バンドとデザイナーの関係性も、お客さんにも知ってもらって楽しんでもらえたらと。
GIMA☆KENTA(Gt/Vo)
――お笑いからアートまで幅広いですね。まさにジャンルやシーンにとらわれず、自分たちの好きなことを突き詰めて、なんでもごちゃ混ぜに詰め込んでしまうところが、愛はズボーンの音楽性ともリンクしているし、アメ村の街柄にもマッチしているイベントになっているなと思います。
カネシロ:ずーっとそれを考えていますね。性格的にやっぱりごちゃ混ぜにするのが好きなんですよね。だけど今までは、イベントでそういうことをしようとは考えたことなかったです。
GIMA:僕たちの性格が出ていますよね。“あれもこれも、もっと見て! これも面白いから! これも食べ! ほら、どう!?”みたいな大阪っぽい感じがモロに出てる。だけど、アメ村のカルチャーはまだまだ沢山あるので、毎年『アメ村天国』を開催して、どんどん大きくしていきたいですね。
カネシロ:それこそサーキットの限界を突破して、イベントの概念を変えたいんです。最近はサーキットフェスがあちこちで開催されていますけど、他のイベントに“アメ天に先やられた!”と思われるようなことをどんどん考えながらやっていきたいですね。
GIMA:もう来年のことも考えていたりして、次は挙手制で、街の人にやりたいことを募って、どんどん巻き込んでいきたいなと思っていたりもします。
カネシロ:その挙手制っていう発想がもうGIMAくんらしいんですよね。今回もイベントタイトルを決めていく過程だって、全体的にイベントについて任されたGIMAくんが一人で家にこもって決めるとかではなく、周りの人に相談して決めていったと。それこそ大西くんが、タイトルを考えてくれてね。
――そうなんですよね。だけど『アメ村天国』というタイトルを僕が思いついたのも、きっとこれまで愛はズボーンの活動を見てきて、やりたいことだったり好きなことが共通意識として理解できていたからパッと出てきたんだと思います。きっとこういうイベントにしたいんだろうなと。
GIMA:たしかにアメ村は天国やなと思っていた節もあったので、すごく考え方的にもマッチしたんですよね。僕も大西くんもアメ村にいることが多くて、いかに天国かというのを体感してきたしね。服屋さんも飲み屋もいっぱいあって、街の人は偏見なくフラットに接してくれるし、やりたいことを挑戦すれば応援してくれる天国みたいな街だから、もっとみんなにも遊びに来てほしいと思います。いろんなお店があるから、ハシゴしたりして隅々まで楽しんでほしいですね。
カネシロ:ユニバ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に行ったら、朝はここ行って昼はここ行ってって考えるように、いろいろなところ回って遊んでほしい!
GIMA:アメ村やったら入場料かからないですからね!(笑) 雑居ビルにお店がいっぱいあって、“いちげんさんお断り!”みたいに閉鎖的な考えでお店をやってる人なんていないから、どんどん探検してほしいです。だからこそ、このイベントがアメ村に興味を持って遊んでもらえるきっかけになったらいいなと思います。
――ちなみに、イベント中に「アメ村ゴミゼロ運動」と題して、ゴミ拾いタイムが設けられるのも面白いですね。
GIMA:これは強制ではないので、有志で参加してもらえたらと思います! ゴミ拾いタイムですけど、近所のたこ焼き屋さんで休憩する時間にしたりするのもいいですからね。
カネシロ:ゴミ拾いの時間は、企画の当初から案があったんですよ。サーキットイベントって、トリのバンドまでいかに効率よく回るかって楽しみ方が魅力だとは思うんですけど、お客さんもバンドもヘトヘトになるじゃないですか。お客さんの反応を見ていても、自分たちが出演したり遊びに行ったりしても感じることなんですけど、めちゃくちゃ見たいバンドよりも疲れが勝ってしまって断念してしまうことってあるじゃないですか。それやったら一回休憩して、一番見たいバンドに備える時間をイベント側が設けてあげた方が、余裕をもって楽しんでもらえるかなと思ったんです。なので、この時間は息抜きに使ってほしいです。
GIMA:バンドが作るイベントだからこそ、お客さんとバンドの立場からみて必要なんじゃないかなと思うことをできるだけ反映しています。それこそ、僕たちが「裏天国」と呼んでいるエリアがあるんです。それはアメ村の某店を貸し切って、出演者しか入れないスペースのことなんですけど(笑)。そこではビールとかご飯のケータリングがあって、出演者やスタッフに休憩してもらって、仲良くなってもらう場として作っています。今回は好きな人にしか出てもらってないから、好きな人同士が仲良くなるのってうれしいじゃないですか! そういう思いもあって。
カネシロ:東京から遠征で来てくれるバンドもいるんで、逃げ場所がないってツラいと思うんです。どっかのお店に入って気を休めるにも知らないお店だらけやと思うし、楽屋も次の出演者でいっぱいだったり、そういう休める場所を作りたいなというのも、自分たちの経験が反映されていますね。
――夏の野外フェスでいうところのバックヤードみたいな感じですね。
カネシロ:そうですね! それこそ、大阪の泉大津フェニックスで開催されている『RUSH BALL』にお邪魔させてもらった時に経験したことが反映させているんですよね。アーティストの人がリラックスしていたりするのもいいですし、これから本番っていう人がピリピリしているのを見て出番が終わってから声かけよう、とか気遣う感じが好きで。ああいう、アーティスト同士が作る気のきいた空間があった方が、イベント自体への意識も上がるかなと思うんですよね。
――そういう部分もバンドマンが作るイベントだからこその強みになっていますね。バンドマンである愛はズボーンが、手探りの中で初開催する『アメ村天国』。これからの野望とかもあるんですか?
GIMA:いつかはアメ村全体を歩行者天国にして、夏祭りのような街ぐるみの大きなイベントにしたいですね。提灯をつるしたり、音楽が鳴っていたり絵を描いたり、街の飲食店にも露店を出してもらって、路上で芸をやってる人がいるような、街全体が盛り上がってる日を作りたい。僕たちが偶然バンドマンだったから、今回はライブハウスを回る音楽が中心のサーキットイベントになっているけど、ゆくゆくは音楽もイベントの一部でしかないぐらい、いろいろな入り口からアメ村を楽しんでもらえる日にしたいです。
――アメ村の歴史の中で、ひとつの転換期になるイベントになってほしいなと思います。
GIMA:それぐらいの気持ちですね。アメ村はもちろん、大阪、日本のカルチャーを担っていくのは現場の最前線でやってる人たちです。僕たちは常に最前線でやっていると思ってるからこそ、その一翼は担っていきたいですね。今回はどこをとっても面白いイベントを作ったので、思うままに楽しんでもらえたらいいなと思います。絵を見て、音楽きいて、ご飯食べて、ゴミ拾いをしてっていろいな入り口を作っているので、どんな形でもいいからアメ村を満喫してほしい。
カネシロ:これだけ準備して、最後に出てくるのは愛はズボーンっていうのがまたオモロいな(笑)。
GIMA:大がかりな自作自演やからね(笑)。結局は、一番目立ちたいっていうところも当然ある。自分たちが一番いいと思う環境で、自分たちの音楽を聴いてほしいという気持ちが、イベントを企画する以前からある、バンドマンとしての衝動ですからね。そういう意味では、当日は同世代のバンドやクリエイターの人たちにも、めちゃくちゃ来て欲しいんです。ジェラシーを感じてほしいんですよ。こんなに面白いことを、同世代のバンドマンが手探りで作ってるんやって刺激を受けてほしい。そうやって触発された人たちが、いろいろな場所で何か手作りで面白いことをやり始めたら、大阪だけじゃなくて日本全体でカルチャーが盛り上がっていくと思うんです。そういうきっかけになる、ジェラシーを感じてもらえるようなイベントになればと思いますね。
(左から)GIMA☆KENTA(Gt/Vo)、カネシロマサヒデ(Gt/Vo)
――ありがとうございます。さて、いよいよ開催が迫ってきました。当日遊びに来る人はもちろん、ギリギリまで迷っているという人に向けてメッセージをお願いします!
GIMA:当日配布予定のパンフに"ぎまっぷ"という、僕がよく行くアメ村のお店をちょこっと紹介した地図を載せてるので、来てくれる人は休憩中だったり打ち上げで覗きに行ってもらえたらアメ村をより楽しめると思います。迷ってる人はとにかく……絶対に来てほしい! 11月12日(土)はとりあえず、アメ村に集合!! それだけですね。
カネシロ:チケットをまずは買ってください!というのが、一番なんですけど。お金がなかったりで迷っている人は、とりあえずアメ村に来てもらったら街の雰囲気だけでも楽しんでもらえる日になっていると思います。だけどきっと後悔すると思うので、チケットを買って思う存分に楽しんでほしいです。この記事を読んだ人は、アメ村集合!
取材・文=大西健斗 撮影=kazuyatanaka
会場:FANJ twice 、Pangea、BRONZE、CLAPPER、digmeout ART & DINER
開場/開演:11:00/12:00
出演:愛はズボーン / Age Factory / THE BOSSS / THE BOY MEETS GIRLS / CHAI / コンテンポラリーな生活 / Creepy Nuts(R-指定&DJ松永) / DENIMS / deronderonderon / ドミコ / DOTAMA / フィッシュライフ / ギャーギャーズ / ハラフロムヘル / Helsinki Lambda Club / 神頼みレコード / LADY FLASH / THEラブ人間 / ナードマグネット / 岡崎体育 / ONIGAWARA / パノラマパナマタウン / プププランド / THEロック大臣ズ / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / Tempalay / TENDOUJI / Walkings / 忘れらんねえよ / 花柄ランタン / マッシュ(Kidori Kidori) / ミヤモトアツシ(PJJ) / たかはしほのか(リーガルリリー)
<芸人ACT(アメ村天国×NANIWAdelic)>
ヘンダーソン / ジュリエッタ / リー5世 / 中山女子短期大学