ホロライブ5期生“ねぽらぼ”初の単独ライブ「hololive 5th Generation Live “Twinkle 4 You”」のオフィシャルレポート公開
7月7日、ホロライブ5期生の雪花ラミィ、桃鈴ねね、獅白ぼたん、尾丸ポルカがTOKYO DOME CITY HALLにて自身ら初の単独ライブイベント「hololive 5th Generation Live “Twinkle 4 You”」を開催した。2020年8月にデビューした彼女らは“ねぽらぼ”の愛称で親しまれ、普段の配信スタイルも、得意なことも、歌い方も性格もバラバラ。それでも集まると最高に可愛くて楽しい。そんな個性強めの4人による、念願の初ライブとなった。
定刻を迎えると、オープニングムービーが始まる。七夕の夜空には天の川と満天の星々。過去のライブ出演映像も含めたメンバー紹介パートでは、各メンバーカラーのペンライトとともに歓声が上がる。
パステルカラーのきらめきに乗ってブライト衣装のラミィ、ねね、ぼたん、ポルカが登場すると、1曲目はホロライブの全体公式曲から「キラメキライダー☆」。背景映像にはネオン調のメンバーアイコン、ステージにはカラフルな流れ星が降り注ぎ、同期ユニゾンを響かせる4人はまぶしいくらいに輝いている。“あの日から続く未来はみんなと掴んだ今日だよ”という歌詞にメッセージを託し、約3年越しに実現した5期生初ライブの幕開けを彩った。
4人が中央に集まったかと思えば、新曲「Cosmic Wonderful Tour!」が走り出す。ラミィの「みんな!ペンライトもっともっと見せて!」の声にボルテージが上がれば、ねねとポルカ、ラミィとぼたんが体を寄せて歌う様子に心がキュンと打ち抜かれる。共通の振付は息ぴったりに、振付のない部分はそれぞれの個性が見えるステップで曲に乗る。
ここで一息ついたメンバーは今日初のMCに入り、順番に挨拶と掛け合いを楽しむ。時折他のメンバーからガヤやツッコミが入るなどリラックスした雰囲気で和ませつつ、しっかり者のラミィが進行を進めると、ライブイベントならではのコミュニケーションとして順番にウェーブを楽しんだ。クールなぼたんによる貴重な「ししろんしか愛せない」も、この日ならではの特別な思い出に。ふとステージセットに目をやれば、雪民、ねっ子、SSRB民、座員くんも連れてきてくれていた。
ポルカのハイトーンボイスが雰囲気を一変させ、披露されたのは「劣等上等」。メイン歌唱はポルカ・ねねの2人だが、ラミィ・ぼたんもダンサーとして盛り上げる。パワフルで硬質なポルカの歌とキュートでソフトなねねの歌声がダンスミュージックに乗って響き渡り、フロアを最高潮に沸かせる。
続けて、3月の「hololive 4th fes. Our Bright Parade」でもカバーされた「Bad Apple!!」のイントロが始まる。今度はぼたん・ラミィが歌唱を務め、ねね・ポルカがダンサーで参加。ぼたんのまっすぐ響く可憐な歌、ラミィの優しく包みこむような歌がモノクロの映像演出の中で化学反応を起こし、中毒性の高いステージングを繰り広げた。
明転すると、ねねのオリジナル曲「Lunch with me」。ここからソロパート……と思いきや、なんと4人全員でパフォーマンス。ソロ曲を同期のみんなで歌う特別感にチャーミングな振り付けが合わさり、ステージ上は「可愛い!」が大渋滞。ねねが「みんなお昼食べてくれてありがとう!」と締めくくると、次の曲へ。
ステージ背景が切り替わり、ラミィ、ポルカが歌唱を担当する形でYOASOBIの「群青」をカバー。メンバーの動きはしなやかなものに切り替わり、真剣な表情から放たれる歌声には感情がこもる。休むことなく、今後は歌唱をぼたん、ねねに交代してSEKAI NO OWARIの「Habit」をカバー。2人による新鮮な低音域はもちろん、陣形も振付も複雑な難度の高いダンスで、4人はアイドルとしての成長を見せた。
「ようこそおいでくださいました!」とのあいさつで、ポルカのオリジナル曲「ペルソナ」を全員で披露。真っ赤な照明とレーザーが、情熱的なアップチューンをさらに加速させ、ポルカの生の高笑いや力強いがなりには座長たるプライドがにじんでいた。
ここで、「BLUE CLAPPER」「Twinkle 4 You」などを手掛けたPandaBoY氏が登場し、DJタイムがスタート。クラップの要求で最高潮に盛り上げたまま、DJver.の「BLUE CLAPPER」になだれこむ。もともとライブ映えする楽曲だが、この日だけ施されるエフェクトやスクラッチによって縦ノリのグルーヴが強まり、思わず体を揺らしてしまう。
シルエットとともに映し出されるカウントダウン。何が始まるのか注視していると、DJプレイとともに4人のダンスパフォーマンスがスタート。興奮度をぶち上げられ熱いくらいの会場だったが、続くぼたんのオリジナル曲「I I I Love You」によって、一気に幻想的な空気へ。セットリストの緩急に魅了されるなか、メンバーのハーモニーや4人の姿に映像を映し出すプロジェクションマッピングの演出にも心をつかまれる。
余韻さめやらぬまま、「Candy-Go-Round」へ。原曲はホロライブの別のメンバーが歌っていたが、DJ×ねぽらぼの歌唱によってまた異なる魅力を放つ。衣装が部分的に光る演出もきらびやかで、エモーショナルな気分を煽られる。
続いて、この日初披露となったねぽらぼの新曲「Hyper Jumpin’」。繰り返すジャンプの要求はもちろん、“子どもくらいはしゃぐ方がお徳でしょ”“低気圧から這い上がっていくテンション”“酔いながら打ち返しまくる@(メンション)”“カートを乗りこなして進むミッション”など4人らしさをちりばめたフレーズ、交代のラップパートなどライブ映えする仕掛けも満載。これからのねぽらぼの看板となるであろう1曲が誕生した。
かなりの曲数を連続で披露してきた4人。続くMCでは息切れ気味ながらも改めて新曲「Hyper Jumpin’」を紹介したり、「Lunch with me」で失敗したハ-トポーズをリベンジしたりと、リラックスした表情も見せる。
ソロパート1曲目は、ラミィによる「Fleur」。夏の夜空に雪の結晶が降り注ぐ中、水色のロングヘアを揺らしながら大切なオリジナル曲を歌い上げる。「みんなにラミィの思い、めいっぱい届けるよ!」という口上の通り、のびやかに響く歌、何度も腕を伸ばす振付からはラミィから雪民への愛が伝わり、最後はウインクと投げキッスのサービスも。
オレンジ色の光から現れたねねは、「Ring-A-Linger」を歌う。どこまでもまっすぐ届く歌声、軽やかなステップ、メリハリのあるダンスにポテンシャルの高さを再認識させられる一方、表情は少し照れたようないじらしいもので、そんなギャップにも心が揺さぶられた。
ポルカはダウナーな曲調と歌詞のポエトリーリーディングが特徴的な「エヴァーブルー」をチョイス。表現力が試される1曲だが、さすがは独自の世界観を構築することに長けているポルカ。セリフは徐々に熱を帯びていき、歌というより叫びに似たパフォーマンスで観客の度肝を抜いた。
ソロパート最後は、ぼたんの「Lioness’ Pride」。白を基調にした映像演出はぼたんの透き通る声によく似合っている。少女のようなあどけないかわいらしさがある歌に反して、眼光と腕の振り上げは力強く、持ち前のエイムで観客の心を撃ちぬいた。
ここで新衣装である浴衣に着替え、七夕にちなんだセットを背後に、4人全員でラミィのオリジナル曲「明日への境界線」をパフォーマンス。メンバーカラーを基調としつつ、それぞれに花柄の生地と髪飾りをあしらった浴衣姿はとても華やかだ。
MCを挟んだ後は、浴衣衣装にぴったりな「百花繚乱花吹雪」を披露。間奏では突然、サイン入りTシャツが当たる抽選がスタート。バチを持ったメンバーが順番に太鼓を叩いて当選座席番号を発表、思わぬ企画と斬新な仕掛けは夏祭り感満載で、メンバーにあおられた歓声も今日一番大きいものに。最後はパワフルなユニゾンでラスサビを響かせた。
そのまま休むことなく「至上主義アドトラック」で、盛り上がりに拍車をかけていく。ぼたんが「みんな、ペンライト掲げて!」と煽り、DJのプレイも相まってさらに没入感が高まる。終盤にも関わらず疲れ知らずの4人は浴衣姿で跳ね、間奏中も「はい!はい!」と盛り上げ続けた。
本編最後は、公演タイトルを冠した「Twinkle 4 You」。事前に動画でレクチャーされた振付を観客は完璧にこなし、メンバーと会場はひとつになっていく。そしてきっと、配信で見ている画面の向こうの視聴者も。アウトロではシンガロングが響き、ライブロゴがきらめく中、4人はステージを後にした。
会場を揺らしそうなほどのアンコールに応え、ほどなくして4人はライブTシャツ姿で再登場。アンコール1曲目に歌われた「あすいろClearSky」の“駆け抜けていく僕たちの青春の光は誰にも止められないよ!”というフレーズはねぽらぼらしくもあり、楽しいのに泣いてしまいそうな感情を覚える。銀テープが打ちあがる中、口々に「ありがとう」を伝える4人。公演の終わりが近づく寂しさに気付かない振りをして、観客は熱狂に酔いしれる。
そして最後のMCでは、順番に今日の感謝とこれからの決意を言葉にした。このステージでライブができた嬉しさを噛み締めたポルカ、すでに次のライブを見据える未来志向なぼたん、身振り手振りやキュートなポーズをまじえながら全身で感謝を示したねね、会場だけでなく配信の視聴者にも呼びかけ、寄せられる応援に感謝を伝えたラミィ。とはいえしんみりしすぎることはなく、「最後の曲だぞー!」と盛り上げ直して、クライマックスへ。
最後は、エンディングらしい1曲「Sparklers」。祭りの終わりを思わせる歌詞、それに対してまぶしすぎるくらいに咲く4人の笑顔に涙腺が限界になるが、それでも観客はステージに立つ彼女らを目に焼き付けながらペンライトをゆっくりと振り続ける。それに応えるように、4人はステージを上手から下手まで歩いて、感謝を伝えながら手を振った。
アウトロが続く中、また会えるように願いをこめて、メンバーはカメラにサインを残していく。わちゃわちゃした空気の中、ぽつりと聞こえた「終わっちゃうの嫌だね」という言葉。離れがたいのは、メンバーも同じなのだろう。それでも4人の織姫はすぐにとびきりの笑顔に切り替えて、堂々と本公演の幕を閉じた。
本公演は、8月7日21:00までSPWN&Z-aNにてアーカイブ視聴チケットを販売中。アーカイブ視聴期間は8月7日23:59まで。
取材・文/ヒガキユウカ https://twitter.com/hi_ko1208
写真/MASANORI FUJIKAWA