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市村正親、ブルーノート東京で魅せた役者生活50年の歴史と挑戦 サプライズゲストで篠原涼子が登場した、オフィシャルライブレポート公開

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『市村正親 50th Anniversary Special Live』

『市村正親 50th Anniversary Special Live』    撮影:佐藤拓央

2023年7月19日(水)ブルーノート東京にて、市村正親が役者生活50周年記念として『市村正親 50th Anniversary Special Live』を開催した。オフィシャルレポートが届いたので紹介する。

俳優生活50周年イヤーとなる節目の年に自身初のブルーノート東京で行ったLIVEは、今まで演じてきたミュージカル楽曲をブルーノート東京でしか聞くことができない“ジャズ風”にアレンジしての歌唱。

市村本人がリハーサル中にバンドと意見を交わし合い作り上げたこの“ジャズ風”のアレンジによって、 “役を生きる、歌は芝居だ”という市村のミュージカルに出演するうえでの信念を体感できるLIVEとなった。

今回は市村本人が「千秋楽!」と語った2ndSTAGEの様子をお届けしよう。

ブルーノート東京という特別な場所が醸し出す落ち着いた空気の中でバンドメンバーが登場。バンドが奏でるジャズのメロディーの中、両手をあげて満面の笑みで登場した市村には客席からの熱い拍手。市村が歌う「ヴィルコメン」はショーの幕開けを陽気に宣言し、「お目にかかれて幸せです」という歌詞の通り、お客さんと一緒に楽しみたいという思いを伝えてくれた。

撮影:佐藤拓央

撮影:佐藤拓央

市村が「では続いての曲は『オペラ座の怪人』」と切り出し、お客さんからの大きな拍手がある中、「…の10年後の『ラブ・ネバー・ダイ』から1曲!」とお茶目に語る市村にどっと笑いが起きる。「君の歌をもう一度」は『オペラ座の怪人』『ラブ・ネバー・ダイ』のファントム役をこの順番で演じた世界で唯一の俳優、市村だからこそ歌うことができるナンバーだ。
そして打って変わって「SHE LOVES ME」。軽快なドラムに身を任せ心躍る恋心を歌いあげる。続いては、詩の才能を持つ騎士・シラノがロクサーヌへの想いを言葉にする「ポエトリー」。囁くような歌声にヴァイオリンのメロディーが重なる。
どれも愛する人への想いを歌った3曲。それぞれの楽曲の素晴らしさを改めて感じられるとともに、それぞれの異なる愛を繊細に届けることができるのは市村に根付いている“役を生きる気持ち”があるからだろう。

撮影:佐藤拓央

撮影:佐藤拓央

MCでは「今回のためのオリジナルカクテル“エンジニア”“ザザ”を飲んでいる人は手を挙げて!」と、お客さんとの会話を楽しむ。今年閉館となった中野サンプラザでの思い出を語るなかでは、「僕の『イエス・キリスト=スーパースター』初演を見た人!」の掛け声に数名のお客さんが手を挙げると「わぁ嬉しい!化石がひとつふたつ……(笑)」と笑いを誘いつつ、長年のファンの存在を喜んでいた。
名優西村晃の付き人を経て、市村は「どんな役でも出演できればお金がいただける!」と知り、『イエス・キリスト=スーパースター』のオーディションを受ける。そして獲得した「ヘロデ王」という役で市村は注目されることになる。
たった1曲でお客さんを虜にする曲「ヘロデ王の歌」。何十年ぶりの歌唱にお客さんからは「待ってました!」とばかりの手拍子が。軽快なピアノのメロディーに気ままに乗っかる市村の遊び心はヘロデ王と重なる。

撮影:佐藤拓央

撮影:佐藤拓央

『モーツァルト!』のカーテンコールで箒とチリトリを持って登場した市村を見て指名がきた『屋根の上のヴァイオリン弾き』のテヴィエという大役。ウッドベースの先導で始まった「もし金持ちならば」は、市村の「街の~」でバンドイン。一家の主人デヴィエがそこにいた。

今年9月から公演予定の日本発ミュージカル『生きる』から「青空に祈った」。優しい市民課長の「公園を作りたい」という最期の願いを市村の歌声とピアノの優しいメロディーが織りなす。
去年、卒業を発表し、市村自身、「この作品がなかったら、今の僕はいない」と語る『ミス・サイゴン』。ウエスタ川越で迎えた最後の公演では「床に落ちたドル札にキスをしたらエンジニアは終わってしまうんだな、と思っていつもより長く眺めたよ」とのこと。そのエンジニアの代表曲「アメリカンドリーム」は、うねるようなバンドサウンドとの掛け合いで構成され、ブルーノート東京でしか聴くことができない特別な楽曲になった。

撮影:佐藤拓央

撮影:佐藤拓央

ここでサプライズゲスト、篠原涼子の登場。1st stageで市村からサプライズで渡された1輪のバラに応え、サプライズで篠原からも1輪のバラがプレゼントされ、市村の念願のブルーノート東京でのライブを祝福した。お互いがバラを持って市村の代表曲「ファントム・オブ・ジ・オペラ」を市村がファントム、篠原がクリスティーヌのパートで歌う豪華な初共演となった。

最後の曲は、こちらも名作『ラ・カージュ・オ・フォール』からザザを強く変身させる曲「マスカラ」。年月を経て、公演の回数を重ねるごとに訪れる自分自身の変化を「マスカラ」で感じているのだそう。バンド全体が軽快に揺れ、市村の力強い歌声が響く。

アンコールを期待するお客さんの拍手とともにステージに戻ってきた市村。
バンドメンバー紹介では「ジャズ畑を耕してるんだよね?」と耕すジェスチャー。市村節は最後まで炸裂。

撮影:佐藤拓央

撮影:佐藤拓央

アンコール曲「Ichi’s Life」は市村が作詞、ヴァイオリン土屋玲子が楽曲をこの日のために書きあげ、生まれた。まさに市村自身の生き様を綴った楽曲。飾りっ気のない素直な言葉は、耳に残る心地よいメロディーにのり、届けられる。ギターからはじまり、市村の半生が語られる歌詞に合わせて加わっていく各楽器パートは、市村の元に今まで集まってきてくれた仲間たちを思わせる。
大声援のなか、ステージを降り、両手を大きくあげお客さんと目を合わせながら何度も手を振り客席を進む市村。お客さんと市村、どちらの笑顔も眩しく輝いていた。

撮影:佐藤拓央

撮影:佐藤拓央

ミュージカルで役を生き続けた長い50年の歴史を歩みながら、なによりも来てくれたお客さんを楽しませたいという気持ちで新たな挑戦を続ける市村正親。ブルーノート東京を鳴り止まない拍手でいっぱいにしてくれたとっておきの一夜だった。

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