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鮎川誠のドキュメンタリー映画『シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ~ロックと家族の絆~』寺井到監督の公式インタビュー公開「すごく優しい人なんだなぁというのが第一印象でした」

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映画『シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ~ロックと家族の絆~』

1月29日に74歳でこの世を去った鮎川誠。1978年に“シーナ&ロケッツ”を結成して以来、最後まで現役のロックミュージシャンとしてステージに立ち続けた彼の素顔に迫ったドキュメンタリー映画『シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ~ロックと家族の絆~』が、現在、福岡先行公開中、8月25日に全国公開するが、本作を撮った寺井到監督のオフィシャルインタビューが公開された。

寺井到監督「すごく優しい人なんだなぁというのが第一印象でした」

福岡のテレビ局RKB毎日放送のディレクターである寺井監督と鮎川誠さんが初対面したのは、寺井監督が立ち上げた音楽情報番組「チャートバスターズR!」に鮎川がゲスト出演した2000年代半ば頃だったといい、「大御所なのでどっしり構えていらっしゃるのかと思ったら、“よろしくね!”みたいな感じでフランクに接してくださった。ああ、すごく優しい人なんだなぁというのが第一印象でした」と当時を振り返る。

その後、ラジオ版「チャートバスターズr!」でジュークレコード(博多のレコード店)の松本康氏をゲストに呼んだ際に、シーナの四十九日法要で北九州・若松に帰る鮎川に会うと聞き、同行することに。シーナの実家近くを一緒に歩きながらインタビューを行い、その様子は寺井監督がディレクターを務めていた情報バラエティ「豆ごはん。」でシーナ追悼特集として放映されることに。「鮎川さんのインタビューを元に構成したシーナさんの追悼特集はけっこう反響があって、鮎川さんのご家族も喜んでくれた。そこから鮎川さんとお会いする頻度も増え、いつか鮎川さんと何かやれたらいいなと思っていたんです。で、19年から自分がドキュメンタリー制作の担当になったので、”今の鮎川さんを取材したい”と申し出た」といい、その時の撮影は、「74歳のロックンローラー 鮎川誠」という30分のドキュメンタリー番組として九州地区で2022年7月に放送されたのち、RKB毎日放送の公式YouTubeチャンネルでも2週間限定でアップされ、すぐに10万回再生を突破する大反響となり、TBSの深夜番組「ドキュメンタリー“解放区”」で1時間の拡大版が放送されることに。

しかしながら、放送日の7日前、2023年1月29日に鮎川が急逝。鮎川の病状について知らないまま取材をしていたという寺井監督は「その時期の取材をしていなかったら、最期に至るまでの鮎川さんの姿というのは残っていなかったわけで、そう考えると何かめぐりあわせのようなものを感じますね。“お前が記録しろ”という天の采配があって、自分が選ばれたのかなと。だからこのお仕事は最後までちゃんとやらなきゃという意識があるんです」と胸の内を明かした。

そして、「これを追悼映画にはしたくないという気持ちがずっとあるんです。葬儀の様子とかも入っているのでどうしてもそういうトーンは出てしまうけど、鮎川さんがいたからこういうものに出会えましたとか、こういうことに立ち会えましたとか、それぞれにとってのそういうものが集まってこの映画になっていると感じてもらえたらいいなと。“いなくて寂しい”は、もういいかなって思うんです。もちろん、もうお話を聞けないんだなと思うとすごく寂しいですよ。でも、それだけ話を聞きたいと思う人と僕は実際に会えたんですから。それを少しでも記録にして人に伝えることが自分にできることだなと思ってやっている。自分は自分で、“いい”と思うことをやり続けること。それが鮎川さんのご恩に報いることになるんじゃないかと思うんです。これを観てくれた人も、鮎川さんがそうだったように、自分の“いい”と思うことを続けよう、貫こうと思ってくれたら嬉しいですね」と観客へメッセージを送った。