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FANTASTICS、8万人を動員した初のアリーナライブを完走

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「FANTASTICS ARENA LIVE 2023 HOP STEP JUMP」東京・有明アリーナ公演

昨年5月に「ファンのみなさんと一緒に大きな夢に向かって旅するプロジェクト」として発足した「FAN FAN PROJEC T」。そのプロジェクトのもと、「FAN FAN HOP」(2022年6月~8月)「FAN FAN STEP」(2022年11~12月)「FAN FAN JUMP」(2023年2月~5月)というホールツアーをFANTASTICSは行ってきた。そして1年以上にわたって続けてきた「FAN FAN PROJECT」の集大成として、グループ初となる単独アリーナライブ「FANTASTICS ARENA LIVE 2023 HOP STEP JUMP」を東京・大阪で開催。その最終日となった8月27日の東京・有明アリーナのFINAL公演は、まさに「FAN FAN PROJECT」の集大成にふさわしい、メンバーとファンがひとつになって作り出した圧巻のライブになっていた。

ライブは「PANORAMA JET」でスタート。事前に行われた取材会でアリーナライブで印象的だった点を聞かれた中島颯太が「初日の歓声が忘れられない」と言っていたのだが、この日もメンバーの登場と共に、その言葉通りの大歓声が客席から沸き上がった。そして、メンバーが「クラップ! クラップ!」と叫ぶと、観客も手にしたフラッグを大きく振って、それに応える。このコミュニケーションこそ、ライブの醍醐味だ。

その後もパワフルなパフォーマンスを見せた「Drive Me Crazy」や“H igh”“Bump”の大コールが沸き上がった「OVER DRIVE」などで客席を盛り上げたあと、さらにZOOからEXIL Eへと受け継がれてきた名曲「Choo C hoo TRAIN」を投入!「皆さんの歌声を僕たちに届けてください!」と中島が叫ぶと、観客は全力で歌い、まだ序盤とは思えないほど、有明アリーナが熱い空間になった。

もちろん盛り上げるだけではなく、見せて聴かせる演出もタップリ。「BABY RO SE」では中島が手にしたバラの花を花瓶にさしたあと、ギターを演奏すれば、ソファに座っていた八木勇征も手にしていた本を閉じてから歌い出すという、まるで映画のワンシーンのような場面を作り出す。そして、八木の透明感あふれる歌声で始まるせつないバラード「Dear Destiny」ではパフォーマーも椅子を使ったダンスをエモーショナルに見せるなど、楽曲の世界観に合わせた演出で観客を楽しませていた。

しかも、有明アリーナFINAL公演では、パフォーマー・佐藤大樹の主演ドラマ「ar ound1/4」の主題歌「It’s al l good」をボーカル2人だけのバージョンで初披露。取材会では八木が「今後パフォーマーが加わって、どう変化するのかも楽しみ」と言っていた。そんな今作が9月22日に配信されることが決定。ドラマで流れていたものとは異なりフルコーラスになるとのこと。

中盤は世界がDJとなって80年代、90年代の名曲を届ける“RADIO FANT ASTICS”コーナーを展開。ラジオリスナーのケイコちゃんになりきった木村慧人を筆頭に他のメンバーも海辺ではしゃぐ若者や学生に変身。寸劇を繰り広げながら「楽園ベイベー」「恋したっていいじゃない」「学園天国」の3曲をユーモラスにパフォーマンスし、観客を笑顔にしていた。

後半は「Play Back(KO3 R emix)」や「High Fever」、「CANNONBALL」など軽快なナンバーをメドレーで! ファンもフラッグを振ったり、タオルを回したり、メンバーの合図でウェーブを作ったりと、まるでFANTASTICSの一員のように楽曲に参加する。どんどん熱さを増していく有明アリーナにボーカル2人も「みなさん、熱いです!」(中島)「みなさんのおかげで本当に最高です!」(八木)と嬉しそう。本編ラストの「ギリギリRide it out」まで、エネルギッシュに攻め続けてみせた。

アンコールは世界がMPCを使って「お手を拝借!」と再び観客のテンションを上げると、それに合わせて瀬口黎弥がラップでパフォーマーを紹介。全員でダンストラックを披露したあと、パフォーマーそれぞれがソロダンスでアピールし、高いスキルを見せつけた。ダンスだけで観客を圧倒できる。それもFANTASTICSの大きな武器だ。

最後はボーカル2人も加わり8月16日にリリースされたばかりの最新シングル「Te ll Me」とFANTASTICSにとって大切な楽曲「Turn Back Ti me」をパフォーマンスしてエンディング。東京・大阪で全6公演行われ、8万人を動員したアリーナライブは幕を閉じた。

2020年に予定されていたアリーナツアーがコロナ禍によって全公演中止になってしまったFANTASTICSにとって、今回が念願のアリーナライブだったことは確か。だが、これはまだ通過点。取材会でも世界は「FANTASTICSは、まだバックバンドとともにツアーをしたことがない。生音でライブをすることで自分たちのエンタテインメント性が広がると思う」と語り、八木は「アリーナツアー、ドームツアー、スタジアムツアーが目標。そのためにも老若男女、全ての人が知っているヒット曲をつくりたい」と言っていた。目の前に広がる次なる目標。それを達成するためにFANTASTICSは、これからも走り続けていってくれることだろう。