ASIAN KUNG-FU GENERATION 撮影=田浦ボン
『RUSH BALL 2023』ASIAN KUNG-FU GENERATION
神戸ポートアイランド内のメガKobeで開催された2004年以来の出演となるASIAN KUNG-FU GENERATION。2005年に『RUSH BALL』が泉大津フェニックスに場所を移してからは初となる。『RUSH BALL』初期を知るファンは特に期待を募らせていたのではないだろうか。
ASIAN KUNG-FU GENERATION
後藤正文(Vo.Gt)、喜多建介(Gt.Vo)、山田貴洋(Ba.Vo)、伊地知潔(Dr)、サポートのGeorge(Key、MOP of HEAD)、Achico(Per./Ropes)が静かに位置につくと、山田のベースから1音目が鳴らされたた瞬間に「おお!」っとどよめく会場。「遥か彼方」から力強い音が空にどんどん溶け合い、後方まで手が上がる風景は美しくて、思わず見惚れてしまった。
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続いて、伊地知のバスドラがズンズン迫るだけでオーディエンスを笑顔にさせたのは19年前も演奏された「君という花」! アジカンの曲が持つ求心力はえげつない。一度聴いたら一生忘れないあのギターリフが泉大津にこだまする。今では定番化した四つ打ちダンスビートで日本のロックシーンを変え、『RUSH BALL』に出演する数々のバンドに影響を与えたこの曲。25周年の泉大津にアンセミックに響き渡る時間はとてもドラマチックで、みんなの記憶に残り続けるだろう。夕刻に近づく17時すぎ、照明のように輝くオレンジの太陽が多幸感を演出する中、爽やかな風を運んでくれるような「今を生きて」が夏の思い出の1ページを作ってくれた。
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「25年目の『RUSH BALL』おめでとうございます!」というお祝いの言葉とともに、直前に公開されたストレイテナー・ホリエアツシと主催GREENS・力竹の対談に触れつつ、19年前の登場時にベロベロに酔った思い出を語ったゴッチ。「それが原因で19年間呼ばれなかったのかも。19年後は生きているかわからないので、また出られるように頑張ります!」と笑いを誘う場面も。(参照:対談記事 https://spice.eplus.jp/articles/321438)
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「ラウドな流れがきて、一瞬だけのび太が出てくるみたいな時間なんだけど(笑)。それもまた音楽なんで、自分らしく自由に楽しんでください」とらしさ全開のMCを経て、伸びやかなボーカルからはじまる「江ノ島エスカー」へ。初期を思い起こさせるみずみずしいバンドサウンドが爽快で、夏の海が目に浮かぶ。そして、イントロから沸いた「ソラニン」では曲間に拍手が巻き起こった感動的なシーンも。大きな余韻を残し、最後は全員で肩を組んで一礼。そんなエンディングを観て、19年後ではなく、またすぐ泉大津に帰ってきてほしい! と誰もが願ったはずだ。
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取材・文=岡田あさみ 撮影=田浦ボン
(『RUSH BALL 2023』オフィシャルレポートの一覧はこちら)
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