Creepy Nuts 撮影=渡邉一生
『RUSH BALL 2023』Creepy Nuts
R-指定が大きく息を吸いこみ、「2way nice guy」を歌い出した瞬間、あっという間にピークがやってきた! パーティー感満載のトラックに引っぱられ、観客は前へ駆け込み、タオルを掲げ、ハイテンションで踊り揺れる。楽曲がハマった瞬間に、今日のステージは最高に楽しくなる! と確信したけど、このハイな気持ちがずっと続くと体力が持つのか!? と、厄介な心配をしてしまうほど、高揚感が高まっていく。
Creepy Nuts
ヒップホップの魅力に堕ちた観客をさらに引きずりこんだのが「堕天」。「夏フェスやねんからタオル振り回せ!」と、疾走感のあるジャジーなトラックにゴリゴリに韻を踏みまくった楽曲で観客を盛り上げる。続く「かつて天才だった俺たちへ」も、足元から揺さぶるベースラインが印象的な煌びやかな楽曲もシンガロングで大盛り上がり。DJ松永のハイスキルなDJプレイもR-指定の卓越したフロウも刻みまくりのバースも、バンドに負けない迫力を持っていて、ゴンフィンガーを決めながら満面の笑みで観客を煽っていく。
ライブ中盤からの勢いも圧巻で、「『RUSH BALL』のこっから先の繁栄と、商売繫盛を願って!」と「紙様」へと続く。ダブルミーニング満載のリリックで観客を楽しませると、まだ名もない新曲へ。「オレのラップのヤバさに喰らってください」の言葉通り、屈強なビートに高速ラップをブチ込み、1MC+1DJでロックイベントのステージで圧倒的な存在感を見せつけていく2人。「生業」ではサビもなく、淡々と1本のマイクでヒップホップに懸ける想いを綴ったラップに大きな歓声が沸き起こる。
Creepy Nuts
会場のある泉大津市からほど近い、堺市出身のR-指定。地元に近い、歴史あるイベントのこれまでの挑戦と歴史を振り返りつつ、開いた道程の先にこれからも『RUSH BALL』があると語る。「来年再来年、もっとすごいことが待っている。要はのびしろしかないってこと」と、「のびしろ」へ。抜群のセリフでキメられたら、もうそこに乗っかるしかない! DJ松永のプレイもさらに熱を帯び、観客を踊り、歌わせ、とことん盛り上げる2人。「合法的に声出せるの気持ちいいですね! 出し惜しみせずに騒いでいけよ!」と、ラスト「合法的トビ方ノススメ」まで、ヒップホップの何たるかを威風堂々と見せつけてくれた2人に観客は拍手喝采を送った。
Creepy Nuts
『RUSH BALL』終演後に発表されたように、Creepy Nutsは『RUSH BALL in 台湾 on the ROAD』への出演が決定している。今年で7年連続出演、さらにR-指定にいたっては今年もダブルヘッダーで梅田サイファーでのステージもこなすなど、いまや『RUSH BALL』に欠かせない存在となった彼らが選ばれたことは必然の成り行きだろう。異国、台湾の地でどんなライブを見せてくれるのか、期待が高まる。
取材・文=黒田奈保子 撮影=渡邉一生
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『RUSH BALL 2023』Creepy Nuts
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