KUZIRA 撮影=河上良
『RUSH BALL 2023』KUZIRA
25年の歴史の中、さまざまなパンクロックの猛者を『RUSH BALL』に送り出してきたPIZZA OF DEATH RECORDS。そんな名門レーベルが放つ新鋭スリーピース・KUZIRAが、『RUSH BALL』へ2度目の来襲! 「そっちはお前らにかかってるからな!」(以下、末武竜之介、Vo.Gt)と開幕の合図を投げかけるや、ド頭「In The Deep」からATMCは砂煙が上がるほど興奮のるつぼに。少年性をたたえた末武のボーカルが甘酸っぱいメロディを加速させ、まるでライブハウスかごとくの沸騰ぶりだ。
KUZIRA
「2022年に引き続いて2回目の出場です! 昨年観た人は分かるかもしれないけど、僕、煽ってないですよ(笑)! 血気盛んなみんなが最高の空をつくっちゃってくれて出禁覚悟でしたけど(笑)、今年も呼んでいただけました。ということはそういうことですよね、『RUSH BALL』! お前ら『RUSH BALL』の期待、一緒に超えていこうぜ!」
そんな熱いMCに呼応するように、「Clown」では全身で踊り暴れるオーディエンスたち。晴れやかな旋律が9月の空によく映える「A Sign of Autumn」ではたくさんの手が上がり、その絶景に3人の表情も誇らしげに見える。
KUZIRA
「『RUSH BALL』は昨年、どのフェスよりも早く声出しを解禁していました。先の見えない道の中、先陣を切って前に進む『RUSH BALL』を本当にリスペクトします。いいフェスにはいいお客さんがつくよね。やっぱり何もやんないのは負け犬だからさ、前に進もう。進んだら何か分かると思う。それが『RUSH BALL』で学んだことです。次はあっちのステージに出てみたいな」
医療従事者の顔も持つ末武の言葉は、エモーショナルなバンドの世界観により説得力を持たせ、「Backward」でさらなる猛ラッシュをかける! 「Muggy」まで全8曲、その存在感はもはや3人という編成を超えたスケール感すらあった。『RUSH BALL』黎明期から脈々と続いてきたパンクロック勢の系譜。その流れを引き継ぐ姿を示した堂々たるKUZIRAのステージとなった。
取材・文=後藤愛 撮影=河上良
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