LITE 撮影=渡邉一生
『RUSH BALL 2023』LITE
少し日が落ち始め、過ごしやすさを増した泉大津フェニックス。荘厳なオープニングから、火花散る轟音をブチかましたのは今年で活動20周年を迎えた4人組、LITEだ。普段はアンコールに据えるという強力アンセム「Contemporary Disease」を、この日はド頭に投下! さらにイントロから歓声が湧いた「Breakout」では、じわじわスローテンポへといざなうも、快走するアンサンブルへと転調し翻弄。武田信幸(Gt)がライトハンド奏法で魅せる色鮮やかな響きが、野外の場に何ともよく映える。
LITE
「外っていいよね。5年ぶりに来ました、『RUSH BALL』。1曲目は1stアルバムに収録していて。17年前だよ、もう。いつもはアンコールでやってたんですけど、1発目に持ってきたから満足しちゃった(笑)。でも新しい曲もやっていますので、それも聴いてください」(武田)
今年4月に発表した新曲「Endless Blue」は、20年のキャリアを経たLITEを再定義したというものだ。武田が深みある歌声を響かせ、楠本構造(Gt.Syn)はシンセで透明感のある旋律を鳴らす。気が付けばデジタリックな音の洪水にのまれ、身体中が侵食されていく感覚に。山本晃紀(Dr)が立ち上がってリズムを刻む「Bond」では、一転してブライトなサウンドを展開。絶え間なく訪れるインパクトに身を委ねる快感は、曲を重ねるごとに増すばかりだ。
LITE
そして、井澤惇(Ba)が生き物のようにうごめくリズムで場を鼓舞した「Infinite Mirror」でフィナーレへ! 4人の奏でる強靭な音像はプラスではなく掛け合わされ、一曲ごと、いや瞬間ごとにクライマックスを迎えていた。そんなタフなセットリストからも、『RUSH BALL』の祝宴への想いをのぞかせていたLITE。その気概を存分に受け取ることのできた圧巻の一幕となった。
取材・文=後藤愛 撮影=渡邉一生
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