w.o.d. 撮影=田浦ボン
『RUSH BALL 2023』w.o.d.
パンキッシュなイントロでひきつける「1994」を1曲目に選び、衝動を全開にしてロケットスタート。本能に訴えかけるナンバーは観客を触発して早くもたくさんの手が上下する。さらに続くのはグランジ色濃く「Mayday」と「踊る阿呆に見る阿呆」。赤いライトと相まって温度も粘度も上昇するボーカル、たっぷり歌うギター、頭の中をめぐるリフ、挑発するベース、軽快なビートetc.。オーディエンスは拳を突き出したり、歓声を上げたり、バウンドしたり、踊ったりと、それぞれに彼らの真髄を満喫する。
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そしてはさむサイトウタクヤ(Vo.Gt)のMCはライブ同様に堂々と、かつ独特のゆったりした間で。とは言え、関西出身だけあり、「何、わろてんねん!」とファンにつっこみを入れつつだが、自身初のシングルCDで9月6日(水)リリースの「STARS」で曲に戻れば、サイトウが言うとおりに「超かっけー」ことに間違いはない。エネルギッシュなアクトが生み出す、迫り来る3人の音は青い言葉をのせながら緩急をつけて展開。
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会場の集中がグッと高まると、次の「楽園」では骨太なサウンドを、時にしなやかに、時にノイジーに鳴らして、音に溺れさせるかのごとくどんどん深みへ。無になるような瞬間をもたらし、最後はまたも今年発表の曲「My Generation」で、その抑えた序盤からいっきに爆発して魅了。<OK, alright>のリフレインも気持ちがいい、刺激も十分なロックに拳も続々突き上がるが、なかには首を垂れるようにして曲に入り込む人も。w.o.d.のパフォーマンスが見る者を圧倒したのを証明するシーンを見せつけ、全6曲は締めくくられた。
取材・文=服田昌子 撮影=田浦ボン
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