佐野元春、全国ツアー「今、何処TOUR2023」東京公演レポート
6月からスタートし全国15カ所を巡る「今、何処TOUR2023」。全国10ヶ所での演奏を経て、いよいよ東京国際フォーラム ホールAでのライブを迎えた。国際フォーラムの公演は35周年アニバーサリー・ツアー以来の7年半ぶりとなる。
リリースから一年を経て、佐野元春の最高傑作という評価が定着しつつあるアルバム「今、何処」。その象徴的なフロントカバーが大きく掲げられたステージが暗転し、コヨーテのメンバー、そして佐野が登場すると会場に集まった5,000人の観客は割れんばかりの拍手と歓声で沸いた。
佐野は「みんなとてもいい感じに見えます!」と、最上段まで埋まった客席を感慨深げに見渡し、「これからも、いい曲、いい音楽をブチあげて行きます!」とファンの前で宣言。「今、何処TOUR2023」では、アルバム「今、何処」(22年7月)のほぼ全曲がライブで再現される。演奏、音響、照明、そして映像表現を駆使し、国際フォーラムが、巨大なアート表現と最高のロックショーの場に変わった。途中、「今、何処」と同タイミングでリリースされたアルバム「ENTERTAINMENT!」(22年4月)からの曲やコヨーテバンド時代の曲が演奏され、それらが「今、何処」の世界観をさらに広げていく。佐野のパフォーマンスも熱量をグングンと上げていき、本編ラストでは会場の盛り上がりがピークを迎えた。
その後、2回目のアンコールを受けてステージに戻ってきた佐野は「大滝詠一もPANTAも清志郎も坂本龍一もいない時代。彼らの新しい音楽は聴けないことは寂しいけど、ボクはまだこうして続いてます」。そして演奏された「サムデイ」「アンジェリーナ」で会場は一体となり、2時間弱に渡って20曲超を演奏したショーがラストを迎えた。
佐野元春の全国ツアーは、この後、横浜、沖縄、岡山と続き10月10日の札幌公演で終了する。
PHOTO:アライテツヤ / (C) Daisy Music