様々なガールズバンドの物語がゲームやアニメ、そしてリアルライブで描かれるクロスメディアコンテンツ『BanG Dream!』。その中でも際だつ個性で人気のハロー、ハッピーワールド!が、ついにリアルのステージでメンバー全員が勢ぞろい! トークやバラエティ企画、そしてライブで盛り上がったハロハピ初の単独イベントの様子を第1部を中心にレポートしよう。
■ファン待望の単独イベント・第一部はメンバー5人がハロハピの魅力を語り尽くす
前日の台風も無事に通過した会場の横浜市・KT Zepp Yokohamaには、多くのハロハピファンが集結。オールスタンディングの1階席も椅子付きの2階席も満員の中、開演が近づき場内に弦巻こころの元気なかけ声から始まる「ふぁいぶスマイル◯オールインっ!」が流れると、場内にはリズムに乗せたファンの手拍子が響き渡り開演への期待が高まっていく。
そしてタイトルコールに続いて弦巻こころ役・伊藤美来/瀬田薫役・田所あずさ/北沢はぐみ役・吉田有里/松原花音役・豊田萌絵/奥沢美咲&ミッシェル役・黒沢ともよが登場すると場内は大声援に包まれて、メンバーも「すごくたくさんの人だ!」と喜びながら声援に応えてイベントの幕があがった。
「初の、念願の、やっと叶った初単独イベントですよ」という伊藤の挨拶を皮切りに始まったオープニングでは、以前に行った配信イベントで揃ったことはあったが、リアルイベントで揃うのは今回が初めてという話題に。緊張するのかと思いきや、開演直前まで5人揃ってリラックスしながら盛り上がっていたということで、なごやかな雰囲気と共に最初のコーナーへ。
最初のコーナーは5人が様々なテーマでトークを繰り広げる「ハロハピ!フェスティバル☆トーク!」。「ハロハピメンバーがそろってお話しできる、またとない機会です」という前振りに「もうないんだ」「最初で最後ってこと?」「レアイベントじゃん」と次々にツッコミが入り、さらに黒沢が第一部のみの出演なことをネタに「共演NGだされてるの?」などの際どいネタに田所が「初っ端からギスギスするのやめてください!」とツッコむなど、スタートからステージ・客席共に笑いが絶えない始まりとなった。
最初のトークテーマは「ハロハピのここが好き!」。「いっぱいありすぎて何から話したらいいかわからない」と言いながらも、「世界中を笑顔に」というスケールの大きなバンドのコンセプトが素晴らしいという話に。
だがあまりにスケールが大きすぎて話しづらいということで、それぞれのキャラクターの好きなところを話していくことに。
田所「薫さんはヤバイ人に見えて、意外と周りを見て支えているのが好き」
吉田「はぐみはヤバイ人に見えて、(ストーリーの中で)成長したところかな。ハロハピはやることすべてがバンド活動というのが好き」
伊藤「こころはヤバイ人に見えてちゃんとヤバイ。この子は負の感情が無いし、ビジュアルも笑顔しかなくて演じていてヤバイと思っていたけど、色々なイベントを経てハロハピの大切さや人の心をやっと知ってきたかな」
本編でも三バカと呼ばれる三人は全員が「ヤバイ人に見えて」から始まるトークに場内も笑いに包まれる。そして続いてはそんな三人を支える保護者ポジションな花音と美咲のパートでは、
豊田「花音と美咲は保護者的な立ち位置になることが多いけど、途中から素直に頼れたり甘えられるようになってきた関係性が好きだなと」
黒沢「美咲は一番マトモに見えて一番ヤバイ奴な感じがいいですよね。こんな冷静な子がハロハピに居続けられるのは何故? と思うこともあったんですけど、ハロハピを受け入れるようになってからのアクセルの踏み込み具合がヤバイなと。ツッコむシーンが増えてきたのも演じてて楽しいですね」
続いてのトークテーマは「思い出に残っているハロハピのストーリー」。黒沢は美咲とミッシェルが会話を交わしたり「二人で一つ」になっていくようなエピソードが好きだと語り、今後のエピソードで美咲がミッシェルから出てこなくなってもいいかなと語って、他のメンバーから「ようやく出てきたのに寂しい」とツッコまれる一幕も。
さらにイベントストーリーで薫が扮する怪盗ハロハッピーの話題になり、田所が「みんな騙されやすいよね」と語ると「ハロハッピーはいるの!」「美咲とミッシェルも別でハロハピは6人バンドだから」と総ツッコミが入り、劇中同様に美咲=ミッシェルを絶対に認めないハロハピらしいやりとりに場内も盛り上がった。
そして最後はバンドストーリー3章「にこにこねくと!」の話になり、こころが「楽しいとか嬉しいは誰とでもというよりハロハピのみんなとだからこそ」ということに彼女が気づけたという成長や、いつもと違ってみんながこころを止めようとするドラマが良かったというトークに会場からも拍手が巻き起こった。
■世界を笑顔にするためにハロハピメンバーが大奮闘!
続いてはハロハピメンバーの持ち込み企画「世界を笑顔にする案」がスタート。
最初は「何事もほどほどが一番」という美咲からの「バランス感覚で世界を笑顔に!」。様々なお題に対して一番ほどほどな解答をできた人が勝ちという大喜利ゲームで、最初のお題は「初対面から親友になるのにかかる日数」。田所と吉田は偶然にも同じ1825日(5年)と365×5の計算式月で回答し「親友ならそれくらいかかる」と盛り上がる。続く伊藤は中学生くらいで毎日会っていれば「一ヶ月」と応えると田所&吉田は「ないない」と手を振りながら「軽々しく親友って呼ばないで」とツッコむ一幕も。そんな流れで豊田が出した回答は何と「3日」。豊田曰く、小学生の頃はこれくらいで作ってきたし、中学生になる時はmixiで事前に友達になってたと語り、世代の差を感じさせるトークが繰り広げられる。そして黒沢は約3年の日数で「1080日」と応えて一番程々で10ポイント獲得。その後は世代による仲良くなるスピードの違いで盛り上がった。
続いてのお題は「「ヒーローは遅れてやってくる」といいますが、具体的にどれくらい?」。メンバーそれぞれがヒーロー番組の場合を想定し、田所は死なずにギリギリ耐えられる範囲ということで「30分」、吉田は番組を超えたヒーロー共演特番の場合と考えて「2時間」、伊藤はこれくらいで助けに来てほしいという理想で「10分」、豊田は長く待てない「5分」、黒沢は自身が参加したあるヒーロー物作品のイメージで、お昼くらいに連れ去られると助けに来るのは夕方くらいだったからと「6時間」と回答し、今回は田所が10ポイント獲得。
そして最後のお題は「待ち合わせに一時間遅刻してしまった時の謝り加減」。今回はメンバーそれぞれが即興で実演し、場内のファンが「程々だ」と思った時に拍手をしてもらい、その拍手の音量(デシベル)の大きさで判定するということに。
相手が見えたあたりから息を荒げながら走ってきての「ごめん!」と力強く謝る黒沢、「あー、ごめんなさーい! この後おごりますー」と詫びる田所、田所を壁に見立てて相手の様子を覗きこみながら泣き顔で土下座する吉田、「すいません、本当にすいません! 次どこいく?」と速攻で話題を切り換える伊藤、最後の豊田は舞台袖まで引っ込んで道に迷ったように見せつつ「ふえー! 道に迷っちゃってごめんね」とかわいく決め、結果は伊藤が一番ほどほどな音量で10ポイント獲得。
最終結果は合計10ポイントを獲得した伊藤が程々クイーンに決定。そしてマイナス15ポイントで最下位だった豊田は再試として「(この子もしかして自分に気があるのかな…?)と思わせる一言」というお題にチャレンジ。それに応えて「どこに住んでるの?」と聞いて見せた豊田にメンバーからは「リアルなのやめて」とツッコミが入って、最後の企画へ。
コーナーのラストを飾るのは、花音が考えた「絆の力で世界を笑顔に」。メンバーとファンの絆を深めるために、メンバーが客席に投げ込んだ巨大バルーンを3分以内にチェックポイントを通過させながらステージに戻すというチャレンジアトラクションで、1回目はスピーディーに成功。2回目は難易度が上がって1階全体をM字に回すように動かすことになったが、こちらも見事クリア。「この頭空っぽ感がハロハピっぽくて楽しい!」と盛り上がった。
■ついに実現した5人全員での初ライブ!
「みんなの体力残ってますか? まだまだハロハピ盛り上がっていきましょう!」
そんな伊藤のかけ声を合図にステージが暗転し、スクリーンに映し出されたのは楽屋に戻ってきたSDキャラのハロハピメンバー達。しかし美咲の姿が見えずに代わりにミッシェルが登場。この後はミッシェルの出番が必要だと感じた美咲の変身だったが、運動会をしたいというはぐみ、即興劇を演じようとする薫などのおかげで次に何をするかで迷走。紆余曲折の末にライブをすることに。そして美咲にも一緒にライブを楽しんでほしいというこころ達の願いを聞いて、ミッシェルではなく美咲としてライブに参加することに。
そして幕間アニメが終わると同時に、スポットライトがステージ上の5人を照らし出す。ついにファン待望のフルメンバーでのハロハピのライブがスタート!
振り付けも新たに5人バージョンとなった「ゴーカ!ごーかい!?ファントムシーフ!」、ライブ初披露となる「わちゃもちゃぺったん行進曲」を、それぞれのキャラらしさを盛り込んだ振り付けなどを交えながらのパフォーマンスとハーモニーで唄い上げ、初のハロハピ勢ぞろいのライブは最高の盛り上がりを見せる。
ライブを終えての感想を語りつつ、「笑ってたらあっという間に終わったハピハロらしいイベントになったんじゃないですか?」という伊藤の言葉を合図に初の単独イベントはいよいよフィナーレへ。
最後の自己紹介ではぎごちなく各キャラの楽器のパフォーマンスを織り交ぜて「全員がバンド馴れしていない感じ、メチャいいね」という豊田のツッコミがみんなの笑顔を誘う。そして次が最後の曲と告げた時に名残惜しいファン達がコンサートライトで×を作ると、「ダメ! ×で終わらせない、みんなの〇で終わらせるよ!」という伊藤の言葉に大きな声援が上がった。
「みんな準備はいいかしらー?」というこころのかけ声から「ハッピー! ラッキー! スマイルー! イエーイ!!」のハロハピ定番のコール&レスポンスを決めて、メンバー5人とファンの絆を明るく楽しく唄い上げた「キミがいなくちゃっ!」がスタート。
それぞれのキャラらしさをまじえたパフォーマンスと共にソロとデュエットを重ねながら全員のハーモニーへと繋げていく。ファンも5人の振る手に合わせて場内のファンもコンサートライトの横乗りを重ねて、場内はハッピーな一体感に満ちていく。そしてラストは全員手を繋いで礼をしてからのポーズを決めて、ライブは大団円で締めくくられた。
最後に全員で押し合いながら腕を組み、ステージを練り歩きながら会場と配信のファンにありがとうの言葉を伝えてハロハピ初の単独イベントは明るく楽しいエンディングとなった。
夜開催の第2部では黒沢ともよに代わってミッシェルがライブに登場するなど、昼夜共にハロハピらしさ満載だった初の単独イベント。次のイベント開催もぜひ実現してほしいという気持ちになる一日となった。
取材・文:斉藤直樹