イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
2023年11月、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団が9年ぶりの日本ツアー開催する。
レナード・バーンスタインが愛し、ズービン・メータが50年間にわたり音楽人生を捧げたイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団は、1936年にヴァイオリニストのブロニスラフ・フーベルマンが欧州各国に散らばっていた優秀なユダヤ人たちを集め、パレスチナ管弦楽団として発足し、1948 年のイスラエル建国に伴い、現在の「イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団」と改称された。同楽団は、人間的に音をとらえた有機的な演奏をし、独特の渦を巻くような弦のサウンドを特徴として多くの音楽ファンの心を掴んできた。2020年、メータからバトンを受け継いだ現在34歳のラハフ・シャニは、イスラエル生まれのイスラエル育ちとして初の音楽監督であり、いま最も注目される若手指揮者の一人として注目されている。
ラハフ・シャニ(指揮・音楽監督) (C)Marco Borggreve
11月18日(土)~25日(土)全国6か所をめぐる日本ツアーには、ピアニストの小林愛実と、ヴァイオリニストの庄司紗矢香を迎える。小林愛実は、第18回ショパン国際ピアノコンクールで第4位に入賞し、輝かしく躍進中。ショパン:ピアノ協奏曲第1番を演奏する。実力派ヴァイオリニストの庄司紗矢香は、メータ指揮イスラエル・フィルとの録音を有し、シャニとは幾度も共演し厚い信頼関係で結ばれている。演奏は、ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲。
小林愛実 (C)Makoto Nakagawa
庄司紗矢香 (C)Laura Stevens
そして、今回、メインとなるオーケストラ作品は、音楽監督シャニが推すベートーヴェンの交響曲から2作品を届ける。ベートーヴェン自身が、作品様式に大きな変化を遂げた頃の第3番「英雄」。そして、イスラエル・フィルが多くの名指揮者と共演し、十八番とも言える第7番。オーケストラの伝統を守りながら新時代を築くラハフ・シャニとの、新鮮な生命力に満ちたベートーヴェンに期待したい。