KREVA
毎年の恒例行事『908 FESTIVAL』を9月14日に、さらに9月15日には『NO REASON』ツアーの追加公演として『KREVA CONCERT TOUR 2023『NO REASON』』を、それぞれ東京・日本武道館で開催するKREVAが、新曲「Expert」をドロップ。本作は、ハードにラップしまくるKREVAではなく、メロディアスKREVA。間違いなくこれは、KREVAがこれから自身のアンセムとしてずっと歌い続けるだろう新たな代表作。「Expert」を2023年の「クレバの日」である9月8日にリリースするのも、きっとそういうことだろう。圧倒的なラップスキルを持ちながら、韻よりも気持ちを優先した言葉選びもできて、ビートメイクしながら美メロも作れてしまう。そんな、ヒップホップ出身の唯一無二のオールラウンダーなソロラッパー、KREVAだからこそ作れた今作について。さらには、リリース後に武道館で開催する2本のコンサートについて本人に訊いた。
――まずは、有観客・有歓声で新しいループのキックオフとなったツアー『NO REASON』についてお伺いしたいと思います。“顔がまぁ幸せ”とオーディエンスに向かっておっしゃっていましたが、ご自身もすごく幸せそうな笑顔を浮かべてらっしゃったのが印象的でした。
約3年の時を経てみんなの歌声が戻ってきた。それを全身で浴びたら、多分泣いちゃうだろうなと思っていたので、泣かないようにと思って準備していたんです。だけど、実際にステージからみんなが笑顔で歌っているのを見たら、感動しすぎて笑えちゃったんです。“こんなに凄かったのか”って。
――オーディエンスの歌声、歓声が復活したライブをやって“これが俺の完成形のライブ”とステージでおっしゃっていましたが。
みんなの声があってのライブという気がしましたね。それまで歓声がないライブ、人がいないライブ、いるけど声を出しちゃいけないライブをやってきてて。気がついたらそれに慣れてきちゃってる自分がいて。危なかったなという気がします。いまとなっては。
――『NO REASON』というタイトルにはどんな意味が込められていたのですか?
前々からライブ会場を押さえるのが難しくなってきているという話を聞いていたので、会場が押さえられるのなら、何かリリースがあるとか理由などなくても例えスケジュールが離れていたとしてもとにかくライブはやろうよ、ということをいっていたので。“集まるのに理由はいらないね”と。そういう意味での『NO REASON』です。
――リリースというところでいうと、新曲「Expert」が9月8日、「クレバの日」に発売されます。
だいぶ前に曲自体はできていて。“いい曲だからすぐに出したいです”って周りはいうんだけど“いや。待て”と。“いいものはいつ出してもいいからこれは待ってていいと思いますよ”という話をして。それでいまになった感じですかね。
――いいものができたという感触は制作段階から感じてらっしゃったのですか?
トラックの時点で気に入ってたので、大事にしていました。この曲だけを作るのではなくて、制作期間を設けて“めざせアルバム”ぐらいの感じでたくさん曲を作っていて。何曲か作っていくなかで、やっぱりこのトラックだなと。ここにのせる言葉が大事になってくるだろうというのは、数曲作りながら感じてて。他の曲は衝動とか勢いとかを全部ぶつけて、やってみたいことをやるという感じだったんですけど、これに関しては丁寧に進めていった感触なんですよね。
――なぜ丁寧に進めていこうと思ったんですか?
シンプルにいうと“これが一番いい曲になりえるだろう”という気がしたからです。
――例えばこの曲と同じラインにある「音色」や「スタート」を作ったときも、トラックの段階からそういう感触があった訳ですか?
そうですね。KICK(THE CAN CREW)の「千%」もそうです。
■ラップする人のグッドミュージックという言い方もできるし、ヒップホップ育ちの人間が作るグッドミュージックという言い方もできると思います。
――では、今作をいい曲にするために必要だったものは?
俺が何を歌うかによって、いい曲になるかどうかが決まると思ったんですよ。例えばこのトラックの上で“他のヤツ全員ダサい”みたいなことを歌っても、思っていたようないい曲にはならないので、ちゃんと向き合ってアプローチして。メロディーと言葉と気持ちが重なればいい歌になるなという感じでしたね。
――ラブソングは思い浮かばなかったのですか?
はい。「瞬間Speechless」みたいなのもありうるけど、数曲作っていくなかで、他のトラックでラブソングも作ってはみたんですけど、いまはあんまり面白くないなと思いましたね。
――では実際、メロディーと言葉と気持ちが重なるものは、どうやって探していった感じですか?
だいたい言葉をのっけてみて、そこからアレンジを進めていくんですけど。これは、全部同時進行で。まずトラックの気になるところをちょっとずつ詰めていって。これで歌ってもよかろうというところまでやってから、歌詞を書き出したんです。それで、書いて歌ってみたら。結論からいうと、この曲は歌い出しと最後の音の高さが違っていて、途中でキーが展開しながら上がるんですけど、最初はどっちもあるなと思ったんです。最初に出てきたちょっと抑えた歌い方と、マックスで歌わないと出ない高さの歌い方の良さと。いままでだったらどっちかにしていたんだけど、どっちもいいんだったらなんとか両方を1曲に納められないかというのをトライしてみて。結果的にブリッジみたいな部分を追加で作って。というように、丁寧に作っていった感じ。
――ブリッジで転調していくパートを作って、両方を一つにつないだ訳ですね。
昔の自分だとそういうアレンジ能力はなかったんですけど、バンド活動を経て、そういうこともできるようになってきたので、こういう形に着地できたんだと思います。
――KREVAさんの楽曲を、ライブではバンドアレンジを施してKREBandで演奏してきた。そこで蓄積してきた能力のおかげですね。
バンドのメンバーに“こうしたい”と思ったときに伝えなきゃいけない。そういう部分で音楽的な素養は増えていったと思うし。それに対するバンドメンバーの返答とかで、“そんなこともできるんだ”という気づきもたくさんありますし。あとは機材ですね。自分が使っている機材の進歩のなかでできることが増えてきたことも大事で。そのいろいろが合わさって、この曲をここまで持ってこれたんだと思います。
――KREVAさんはゴリゴリのラップの人という印象も強いですけど、今作のようなメロディアスな曲も実は普通にあって。
両方あっての自分なんです。
――そうなんですよね。ゴリゴリのラップもできて、さらにラブソングも歌える。グッドミュージックを作っているのが俺だという話をステージでもされていたと思うんですが。
シンプルにグッドミュージックを作るという話になったら、世の中の人の多くはそういうものを目指してて、それができる方もいっぱいいると思います。だけど、かつハードなラップをTop of the headでできるのが自分だと思います。だから、ラップする人のグッドミュージックという言い方もできるし。あと、ヒップホップ育ちの人間が作るグッドミュージックという言い方もできると思います。
――なるほど。
ずっとトラックも作って完パケまで全部自分でやっているというのは、自分の音楽の感触を決めるなかでは大きい部分だと思います。
――KREBandのキーボードである柿崎洋一郎さんは、KREVAさんが作るグッドミュージックを、ソウルミュージックと評してらっしゃいました。
自分がソウルミュージックだといってもらえるのは、ヒップホップにソウルミュージックをサンプリングしている名曲がたくさんあるからだと思います。だからこそ自分もソウルミュージックとつながれている。かといって俺はソウルミュージックを聴いてきただけの人間じゃない。ヒップホップ発のソウルミュージックであるというのがすごく大きい。最終的なジャッジはヒップホップ的解釈になっているんだと思います。そこが、他のグッドミュージックを作る人とは一番違うところです。その上で、何回もいうようですけど、Top of the headのラップができる人は、他にいないと思います。
――そうして、今作を“メロディアスKREVA”に導いているのは冒頭から流れるピアノのあのフレーズの存在が大きいと思うんです。あれはトラックを作った時点から思いついていたんですか?
はい。トラックの段階で入ってます。最初はギターみたいな音で入れていたものを、ピアノで同じラインを弾いて強調した感じです。
――「かも」もそうですけど、今作もイントロから“いい曲きた”という顔になっていて。
たしかにそうですね。最近の音楽はイントロが。
――ないんですよ。
俺はイントロがあるのが好きなんで。それが俺っぽいという気もします。
――ピアノのフレーズが途中、違うフレーズに変わる箇所があって。あそこが。
せつないですよね。泣けるのが好きなんで。
――そこが、センチメンタリズムをくすぐるんですよね。ヒップホップのビートメイカーでありながら、このような美メロを思いつくところがKREVAさんの独自のセンスといいますか。
KICK(THE CAN CREW)のときからメロディは頭の中で鳴ってるんだけど、ここでは使えないなというのがあったんです。
――ビートメイクも好きだけど、せつない美メロメイクも好きだと。
ただ、それがヒップホップ的にいうと、ループのなかに出てくるのが好きなんです。そのメロディから派生して長いメロディアスな曲を作るのではなく、それをループとして割り切る力というのかな。それは、ヒップホップを通過してないと感覚として難しいのかなって思いますね。
――ああ。この単品で勝負みたいな。
展開をつけちゃうと思うんですよ。みんな。
――メロディーメイカーの人はそうですね。
逆に、展開がつけられないヒップホップのプロデューサー、ビートメイカーもいるんだと思うんですが。自分はヒップホップ寄りではあるんだけど、その両方をやりたいし、その両方が好きなんです。
■たとえどれだけいい韻の組み合わせを思いついても、そこに気持ちが伴ってないんだったら使わない。気持ちがのってるものを書いていった感じです。
――歌詞は、自分にも歌いながら他の人にも歌っているという視点で書いてらっしゃるのですか?
そうなったという感じです。最初は自分よりも一回り下の30代ぐらいの人たちを想定して、そこにダイレクトに“もっとやってもいいでしょう”、“やってみなよ”という歌を書いてみようと思って書いたんですよ。それで書き上げてみたら、自分にもいってる感じになってましたね。自分で自分を勇気づけてる。そんな歌になりました。
――歌詞はまず《なんか最後は根性ってのが本当らしいぜ》という一節の“根性”というワードに「健康」並みに衝撃を受けました。
自分もです(微笑)。サッカーが好きでずっといまも観てますけど、海外で活躍する日本人プレイヤーのなかでも、一番頂点の近くまでいった選手という意味ではウッチー(内田篤人)があげられると思うんですけど。彼がDAZNでやってる番組で、そこに元日本代表のキャプテン・吉田麻也が来て。世界で頑張って熱い戦いをしてきたその2人が「最終的には根性だよね」という話をしていて。プレイのなにかを磨くとかコミュニケーションがどうとかではなく、最後は根性という言葉を聞いたとき、これが真実かとすごく思いました。“続けること”という言い方もあると思うんです。だけど“根性”って聞いたときに、負けねぇぞという強さというか。その“負けねぇ”の前に“日本人として”とか、いろんな言葉があると思うんですけど。すごく深みのある言葉だなと思って。それが響いて、歌詞に出てきました。いまさらこういうのをいっていくのが大事だなと思ったんです。
――なんでですか?
毎回、曲を作っていても“おぉー。なるほどね”というものができてくる。もっといけると思うんだけど、いけないなっていうこともあるなかで、例えば“もういっか、作品出さなくても”という選択も成立すると思うんです。リリースしようと思うような作品ができないのでやめときます、というのも一理あると思う。だけど、自分は“いける”、“やりたい”という思いを持っていて。そこに、ここの“最後は根性”がすごく響いたんです。好んで使う言葉ではないですけど“そうだよな”と思ったんです。
――なるほど。
できないから出さないとか、それもいまの時代には合っていると思うんです。合わないと思ったら仕事をどんどん変えていく。それが時代の空気だと思うんですけど。
――ええ、まさにそうですね。
そこで、でも最後に自分が望むところにたどり着けるのは、根性的なもの。ただ、ふわふわふわっといくんじゃなくて“こうしたい”という強い思いだったり“こうありたいんだ”という信念。そういうものがないといけないんだと思うんですね。
――その強い思い、信念に根性という言葉が。
当てはまるのかなと思いました。
――1人ではさみしいけど、物悲しい日もあるけど、それでも自分で選び抜いて、調子悪い日も粘り抜こうというところは、KREVAさんの心情を重ねてしまいました。
作っているとき、周りに仲間たちがいっぱいいる環境なら“どう?”、“お! いいね”というのがあるかもしれないけど、自分は1人でやっているので、意思決定は全部自分でやっていかなきゃいけないんですよ。そのツラさはあるはありますよね。だけど、そこでネバり抜いたからこそ、この曲があるんだと思います。
――なるほど。
あと、今回の歌詞に関しては、韻を踏んでないということはないですが、そこにはまったくこだわってなかったんです。面白い言葉を入れようとか全然なかったんですよね。
――そこもKREVAさんの場合は綺麗に韻を踏まなきゃヒップホップではない、というような観念には縛られていない訳ですね。
何をいうかが大事な気がしてました。「音色」のときも“音色”という言葉で秒で思いつく言葉だけでいこうと決めていたんですよ。シンプルにしたかったから。いままでの歌だと、この言葉とこの言葉の韻のセットを入れたいから、というのが曲作りのきっかけになっていたりするんですね。それを入れるためにたくさん韻を踏んだりして。それも楽しいんだけど、この曲に関してはそれじゃないなというのは感じてました。さっきもいったように、粘って時間かけていったのは、いい韻を踏みたいとか面白いことをいいたいとかではなくて。さっきメロディと言葉と気持ちが一体化していい曲っていいましたけど。面白い韻だから使おうというようなテクニックには走らず。たとえどれだけいい韻の組み合わせを思いついても、そこに気持ちが伴ってないんだったら使わない。気持ちがのってるものを書いていった感じです。
――ラッパーの立場でいうと、韻を踏んでいたほうが歌いやすい訳ですよね?
歌いやすいし。韻を踏んだこの言葉とこの言葉を入れたいというのが曲を作るインスピレーション、モチベーションにもなるんです。
――今回はそれを省いたところで、メロディと言葉と気持ちが一体化するものを探して行った。
いや、省いてはないです。この曲もしっかり韻は踏んでるんですよ。でもその前に作ってる曲ではきっとただひたすら韻を踏んでみたり、早いラップをしてみたり、それこそラブソングをやってみたり。トラックもいろんなものを作ったりしたんですけど。やっぱりこの曲はこれだろうと思ったので、そこにフルコミットメントしてみようと思いました。
――サビの《さみしいけど》の“しいぃ~”の部分の歌い方。すごくフックとなってひっかかるんですけど。ここは狙ってそうしたんですか?
どうしても変えたくて、ここだけ最後に録り直したんです。違う譜割りで歌ったものを提出して「じゃあ〇〇にリリースしましょう」ってなってから「ここを録り直させて欲しい」という話をしました。
――そこも粘りに粘って。
そう。(OZROSAURUSの)「Player’s Player feat.KREVA」でもいってるんです。《とことん粘って変える運命の方向》って。いまそんな心境なんだと思います。
――KREVAさん自身が?
はい。それしかないというか。粘ってなんぼというか。そうしなかったら終わっていくだけですから。キャリアとかが。“ま、いっか~”になってしまったら終わりだなってずっと思ってますね。ギリギリ頑張ってるからやっていられるんだと思います。
■どんな姿をフォロワーたちに見せられるかっていったら“カッコ悪くなく、しっかり粘る”。“ああいう頑張り方すんのか”って。
――自分のためでもあり、ヒップホップの最前線に立ち続ける立場として、音楽シーンにもっと何かを残したいという気持ちもそこにはあるんですよね?
ヒップホップシーンというのは正直考えてないですね。自分のことをフォローしてくれている人たち。自分のことを慕ってくれている人というのが、ありがたいことにいて。ファンを含め、自分に影響を受けたという人たちからしたら、俺はスーパースターに見えてるかもしれないけど、全然そんなことはないと自分では思っているし。何かに胡座をかいて不労所得で生きていけるような人間じゃない。それは自分でも分かるんですね。じゃあどんな姿をフォロワーたちに見せられるかっていったら“カッコ悪くなく、しっかり粘る”。
――うわっ……カッコいい。フォロワーたちのキャプテンとして。
利子で生きていくんじゃなくて、最後までしっかり粘る。“あの人粘るなぁ”という姿を見せていくのが大事なのかなと最近感じてます。“あの人もう諦めててダセェな”とかじゃなくて、“ああいう頑張り方すんのか”って。それが見せられればいいかなと最近は思ってます。だから、この曲のブリッジの部分もそうだけど《人のせいにするようなダッサい事はすんな》って。いかに自分がどうするかなんですよ。《次のステージに前進し》というのも、ここではよりデカいステージとかより高みを目指してというのではなくて。例えばですけど、足がだいぶ動かなくなってきたぞってなったときに、じゃあどういう前進の仕方ができるの?って。
――そこで諦めるのではなく、粘って、次のステージへの前進の仕方を見つけようと。
そういうイメージなんですよね。
――なるほど。この曲は武道館でも披露されるんですか?
両日やろうと思ってます。
――1日目の『908 FESTIVAL 2023』はどんなものになりそうですか?
去年、やっとみんなの前でできて、楽しかったんですけど。声出ししちゃいけない状況だったことを忘れてて。有歓声の『908FES』を4年ぶりにやっとできるんだなと思ったとき、“あ、これが『908FES』だよな”って思い出せるようなものにしたいなという気持ちになって。人選もそうだと思うんですけど。
――ああー。だから過去に『908FES』に出たことがある出演者ばかりにしたんですね。
そうです。しっかり一緒にエンタテインメントできる人たちがいいなと思ってこのメンバーになりました。
――KICK THE CAN CREWはまさかアレをやったりはしないですよね?
えっ! ……ああ。ガチで一生に1度になる可能性が高いかな。なにが? とはいってないんですよ。それだけはいっておこう。
――2日目の『KREVA CONCERT TOUR 2023「NO REASON」』の見所はどんなところになりそうですか?
できることは全部やってやろうという気持ちでセットリストを組んで挑んだツアーで、それをみんなも楽しんでくれて。すべての業界に情報解禁日とか、いろいろあって、ツアーで披露したくてもできない曲があったんです。例えば「Expert」もそうですし、(King & Princeの)「ichiban」もそうだったんです。これらを武道館ではやります。かなりいいですよ。
――では最後に、これを読んでくれているみなさんにメッセージをお願いします。
新曲「Expert」、聴いてみてほしいです。自分らしい曲になっていると思います。最近興味を持った方は“こんなKREVAもいるんだ”と思うかもしれませんが、これがないと俺が俺でなくなってしまうような曲だと思うんで、ぜひ聴いてみてください。そして、ライブでみんなの前に立つ自分。それもKREVAらしさの大事なパートで。しっかり準備してるんで、初めての人も久しぶりの人も、いつも来てくれる人はもちろん、ステージに立つ俺を観といてください。観られるうちに。
取材・文=東條祥恵