ウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団
「スラブ最高のオーケストラ」と呼び声高いウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団が4年ぶりに来日。2023年12月7日~2024年1月1日全国18都市19公演のツアーを開催する。
ウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団は、1995年キーウに本拠を置く国立フィルハーモニー協会の専属オーケストラとして創設した。古くはミルシテイン、オイストラフ、ホロヴィッツ、リヒテル等、大巨匠を生み出してきたウクライナの伝統を受継ぎ、主に拠点キーウで年間50回以上の定期公演を行うほか、ヨーロッパ全土から客演に招かれ活動している。
ミコラ・ジャジューラ(C)三浦興一
2022年2月、ウクライナへの侵攻が始まり、楽団の活動も中止。団員の中には軍に志願した人もいる状況で、戦火に苦しむ市民から「心の癒しがほしい」という声を受け同年9月、定期演奏会が再開された。現在もリハーサルや公演が空襲警報で中断する日々が続く中、ウクライナの人々は連日会場を満席にするほど束の間の時間を待ち望んでいるという。
日本には2005年に初来日。以降12年間にわたり2年おきに来日し、都度名演を繰り広げてきた。今回9度目の来日をむかえ、日本の聴衆との再会を果たす彼らが演奏するのは、“家路”のメロディーで日本でも馴染み深いドヴォルザーク『新世界より』と、ベートーヴェンが残した偉大なる人間賛歌『第九』を含む多彩なプログラム。「戦争はすべてを破壊する。しかし希望を失わせることはできない。」(ジャジューラ)との言葉通り、巨匠たちの流れをくむ音楽家が不撓不屈の魂を乗せて届ける「新世界」「第九」はどこまでも熱い演奏となることだろう。
なお東京公演ではチケット代金のうち 1,000 円を人道支援の義援金として在日本ウクライナ大使館を通して寄付するほか、音楽を通して支援の輪を広げる取り組みが予定されている。
テチアナ・ガニーナ(ソプラノ)
アンジェリーナ・シュヴァツカ(アルト)
ドミトロ・クズミン(テノール)
セルギィ・マゲラ(バス)