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TRUE、ゆかりの地・京都で迫力満点の初単独オーケストラコンサート開催、絶大な高揚感と満足感に包まれた夜公演「Ensemble」編をレポート

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『Ani Love KYOTO presents TRUE Orchestra Concert 2023 Supported by Buckskin』2023.10.7(SAT)ロームシアター京都

数々のアニメ主題歌を歌い、国内外で人気を集めるシンガー・TRUEが、10月7日(土)、ロームシアター京都にて、 Style KYOTO管弦楽団と大嵜慶子(音楽監督・指揮・編曲・Pf・Cho)を迎え、さらにはサポートに渡辺庸介(Dr)とSAK(Cho)を招いて、自身初の単独オーケストラコンサート『Ani Love KYOTO presents TRUE Orchestra Concert 2023 Supported by Buckskin』を開催した。同日は二部制で、昼公演を「~Sincerely~」、夜公演を「~Ensemble~」と題し、それぞれ同タイトルの曲がテーマとなったアニメをフィーチャーするプログラムで展開。今回は会場のある京都が舞台のTVアニメ『響け!ユーフォニアム』を軸とした夜公演の模様をレポートする。

広いホールに静寂が訪れ緊張感も漂うなか、いよいよ幕が開き、楽団員らが待ち受ける舞台にTRUEが登場。スポットライトを浴び、最初に轟かせたのはいきなりのオペラ「The Songstress Aria」だ。ドラマチックなオーケストラの演奏とたっぷりの声量は観客を圧倒。息をのむスタートとなる。だが次はムードを変えて「Sincerely」。流麗なハープやピアノ、手を差し出すようにして広がるやさしい歌声が、<わたしは あなたに 会いたくなるよ>のメッセージを届ける。2曲でTVアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のストーリーを感じさせたあとは、バラード「浄歌」で荘厳かつ幻想的に。アルトボイスは楽団の音ともよくなじみ、曲のせつなさも増すようだ。

そしてTRUEによるメンバー紹介などをはさみ、「今日だけの特別な時間を最後までお楽しみください」とひと言添えて鳴らし始めたのは、引きつけるピアノからの「Divine Spell」。体を震わせ、スカートをひるがえし、腕を天に伸ばして放つボーカルは、金管楽器とともに燃え上がり、スピード感も十分でまさに彼女の真骨頂といったところ。曲後には大きな拍手と歓声が起こるが、一転してアイリッシュサウンドをまとう「Happy encount」では、飛び切りポップ&ガーリーに。オーケストラも軽やかに奏でれば、今宵初のワイプも発生。明るい空気に満たされる。TRUEもMCで楽し気にファンと心を通わせ、「ここからは、私の音楽史、この作品がなければ語れない……そんな『響け!ユーフォニアム』の曲を。今日は時系列にして、音楽の旅をたどっていこうかな」と口にし、公演の核となる後半戦へ。

まず「DREAM SOLISTER」の調べに多くのペンライトが揺れれば、TRUEも「きれい。ありがとう!」と声を上げ、ステップを踏んで歌唱も伸びやか。楽団の音色もさわやかで、TRUEが「歌って!」と呼びかければ、誰もが手を振り、<La La La La La>の大合唱。<音楽は続いてゆく>の言葉が脳裏に刻まれる。そこに拍車をかけるのは、単独ライブでは初めてのカバー曲、北宇治カルテットの「トゥッティ!」。軽快なナンバーはクラップや上下するペンライトを伴って駆け抜け、シロフォンも耳心地がいい。総立ちのオーディエンスもTRUE本人も拳を掲げ、「せーの!」が合図のジャンプも全員でばっちりだ。これには思わず「楽しかったね!」と満足した様子でMCへ。

「私ね、歌う人を志してずいぶん経つんです。音楽ばっかり聴いていて、アニソンにいっぱい救われて。辞めない勇気こそ強さだって思い続けて今日までやってきました。そしたらさ、こんなにすごい景色、見れました。今では食らいついてやってきてよかったなって心の底から思っています」と想いを伝え、「私自身の応援歌でもある楽曲を、今日だけの特別なアレンジでお楽しみください」と続けたのは、ゆったりとしたいつもと異なる「サウンドスケープ」。ピアノ、歌、フルートから層を積み重ね、自身の歩みをなぞるように<もう一回 もう一回>と発すれば、大観衆も動きを止めて聴き入り、ストリングスが胸を締めつける。そして「次の曲が始まる 奇跡を おこせ……!」が予告となって、再度、北宇治カルテットのカバー「ヴィヴァーチェ!」へ。リズミカルに畳みかけるキュートなボーカルと、弾むピアノ&オーケストラ&ドラムのプレイに触発され、またもや会場にはワイプが。SAKによるコーラスとの掛け合いも絶妙で、ホールには笑顔があふれる。すると今度はスウィングしたくなるようなイントロを起点に、青春を描き出す「Blast!」。<続いてくファンファーレ>の歌詞を余すことなく体現する、高らかなトランペットと歌声には気分も上々になる。

とは言え、時間は瞬く間に過ぎ、再びTRUEが『響け!ユーフォニアム』について、「私をここまで誘ってくれた作品」と語り、「みなさんへの感謝を込めて最後にこちらの楽曲、お届けします」と、最終は「アンサンブル」。全奏者が迫真のパフォーマンスで作るダイナミックな音像は迫り来るよう。TRUEの声も熱を帯び、歌う姿も堂々たるもので、そこにファンのシンガロングが溶け合い、これぞクライマックス!といった光景に。TRUEが音楽でつづる『響け!ユーフォニアム』は、大いに沸いて感動のラストシーンにたどり着いた。

しかし、特別なコンサートにはうれしいアディショナルタイムが。真っ白な衣装に着替えて再登場したTRUEを迎えるナンバーは疾走感ある「Storyteller」で、手拍子とオイ!オイ!のコールにホールは再沸騰する。

大きなアクションから生み出す歌にも、演奏にも力がみなぎるが、ここで、「来年、10周年を迎えます。実は私と『響け!ユーフォニアム』との出会いも来年で10年目になります」と切り出し、「すごく感じるの。私、たぶん『響け!ユーフォニアム』を制作している一人なんだなって。そんな風に思わせてくれる作品に本当に感謝していますし、これからも『響け!ユーフォニアム』と歩んでいけたらなって思っています。そして10周年、1年間を通してたくさん新曲を生み出して、たくさんライブを行おうと思っております」と続けたうえ、『TRUE 10th Anniversary Live Sound! vol.8 〜ANISON COLLECTION〜』開催決定を大発表。また、「おそらくですけど、後にも先にもアニソンコレクションをやるのは最初で最後なのではないかと思うので、遊びにきてください!」と人々を浮足立たせ、「いくぜ! 音楽しようぜ」と煽って「DelighT」へ。

突き上がる拳、“Wo Oh Wo Oh”の声、跳ねるペンライトが、華やかなサウンドと一つになって、さらなる高みへ向かい、そこから「私そのものの曲だと思ってる。受け取ってください」と、オーラスは「MUSIC」。エモーショナルでスケールの大きなオーケストラの音世界に、体全体で轟かせるボーカルを融合させ、大空間に広げれば、すべての人が没入。会場は絶大な高揚感と満足感に包まれ、割れんばかりの拍手と歓声が響くなか、記念すべき『Ani Love KYOTO presents TRUE Orchestra Concert 2023 Supported by Buckskin』は、圧巻のフィナーレでついに幕を下ろした。

取材・文=服田昌子 撮影=松本いづみ

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