TETORA
PLAYLIST presents“ヘッドフォンを外して”vol.4 in Osaka
2023.10.6 梅田 CLUB QUATTRO
2023年10月6日。朝晩の空気が冷たくなり秋の空気が漂う金曜の夜、Instagram音楽メディア・PLAYLISTが贈る新世代イベント『PLAYLIST presents“ヘッドフォンを外して vol.4”』が梅田 CLUB QUATTROにて開催された。
このイベントはInstagram音楽メディア「PLAYLIST」が企画し、今こそライブハウスで生の音楽を楽しんでほしいという思いで実現したもの。初の大阪での開催となるvol.4では、関西を拠点に活動しながら話題を集めるきょんぺ、Age Factroy、TETORAの3組。
きょんぺ
広い楽器を扱い、会社員として働きながらも活動をする今大注目のシンガーソングライターきょんぺがSNSでも話題を集めた「now-i-see」と未公開の新曲「2」を歌い、颯爽としたパフォーマンスで大きな拍手を浴びたあと、登場したのは奈良発3人組ロックバンドのAge Factory。Vo/Gt 清水英介が勢いよくギターを奏で始めた瞬間に観客全員の目が輝く。
Age Factroy
「OVER」「HIGH WAY BEACH」「Moony」と、勢いよく圧巻のサウンドが鳴り響く。
MCは少なめ、とにかく音を届けにきた様子が印象的だった。オーディエンスは、拳を上げ、もみくちゃになりながら時に盛り上がり、時に歌に夢中になる。魂の叫びかのように音楽を届けるVo/Gt 清水英介の歌声が印象的だった。その歌声に共鳴していく、Ba/Cho西口直人とDr/Cho増子央人のサウンド。ステージ上の熱気が伝染し、会場内に一体感が生まれる。
歌い出した瞬間にさらに気持ちが高まる「Dance all night my friends」、夏が終わり秋めいている今だからこそより楽曲のメッセージが刺さる「向日葵」。どの曲を挙げても、これでもかというくらいAge Factoryらしさを前面に押し出した演奏を楽しむことができる時間だった。
Age Factroy
「高いところまで行こう」そんな一言をきっかけにラストはGOLD。性別や年齢・境遇などは何も関係なく、全員が思いのままに声を上げ、拳を上げ、今日1番の熱気に会場が包まれた。
百戦錬磨のライブ力、唯一無二の歌声とパワフルなサウンドで表現される喜怒哀楽。AgeFactoryの魅力が十分に伝わる全11曲、40分だった。彼らの音楽のように、熱い拍手でステージが幕を閉じた。
TETORA
続いて登場するのは、大阪ロックバンドTETORA。「ずるい人」を1曲目に、「知らん顔」「わざわざ」と、TETORAらしさを象徴する楽曲たちが続く。淡い黄色と青の光に包まれ、いのり(Ba&Cho)とミユキ(Dr)の二人が熱くパワフルなサウンドを支えに、上野羽有音(Vo&Gt)の力強さも切なさも柔軟に表現するハスキーな歌声で描かれる情景が美しかった。
「なんでわたしらトリ?」と素直な気持ちを話しつつも、「YouTubeじゃなくて、携帯じゃなくて、本物のTETORA、しっかり体感して帰ってください」という決意を示してステージに立った。覚悟を決めたようなそのサウンドは先輩たちに劣ることなく、会場中に鳴り響く。それに応えるようにオーディエンスも腕を上げる。
TETORA
ライブハウスで今ライブを楽しめているこの空間への幸せとワクワクがより感じられる「正直者だな心拍数」、大切な人に上手く思いを伝えられなかった後悔を歌う「言葉のレントゲン」。忘れかけそうになるけど絶対に忘れたくはない、そんな感情が表現されたTETORAの音楽がライブハウスだからこそより刺さる。最後は「き」でお別れ。
力強さと儚さが共存する歌声に乗せた、等身大の歌詞。TETORAの魅力が十分に伝わる全11曲、40分。今後も色褪せない思い出として鮮明に残る、濃密な時間だった。
こうして幕を閉じた〈PLAYLIST presents“ヘッドフォンを外して vol.4”〉。回ごとに出演するアーティストが届ける音楽のジャンルは幅広く、常に新しい景色が見られるイベントで、終わった瞬間から未来が楽しみになる。そして更に今後続いていくイベントでも、また違う楽しみ方ができるに違いない。
撮影=Mizuki Tsuji