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THE ORAL CIGARETTES “ライブハウスという遊び場で、仲間と鳴らした最高のロック”鹿児島公演の公式レポートが到着

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THE ORAL CIGARETTES

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THE ORAL CIGARETTESが、『THE ORAL CIGARETTES presents "WANDER ABOUT 放浪 TOUR 2023 九州・沖縄 編"』を10月26日に鹿児島 CAPARVO HALLにて開催した。本記事では、同公演のオフィシャルレポートをお届けする。


その幅広い音楽性とライブバンドとしての圧倒的な存在感で、多くのロックファンの心をつかむTHE ORAL CIGARETTES。今年9月の「WANDER ABOUT 放浪 TOUR 2023 北海道編」に続き、翌10月には九州全県を回る九州・沖縄編を開催した。北の大地から託されたバトンを手に、南へと向かった放浪ツアー。チケットは全てソールドアウトとなった九州編より、10月26日に行われたセミファイナル鹿児島・CAPARVO HALL公演の様子をリポートする。

AFJB

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今回のツアーでは、オーラル自身が選び出演を依頼したアーティストがフロントアクトを務める。鹿児島公演に登場したのは、オーラルと同じ奈良出身の3人組ロックバンドAge FatoryとラッパーJUBEEによるオルタナティブ・ユニット、AFJB。ロックとヒップホップの融合をベースに、質の高いジャンルレスの音楽を生み出している。

昨年発表したファーストアルバムの曲を中心に演奏した彼ら。重厚なラウドロックサウンドと次々に畳み掛ける野太いラップで、あっという間にオーディエンスの心をつかんだ。初の鹿児島公演とは思えない堂々としたパフォーマンス。新曲「Toxic」はレゲエのリズムに自分たちの音楽遍歴と決意表明を語るリリックが乗り、心地いい。と思いきや爆音のラウドロックへと急展開。その振り幅の大きさにバンドとしての可能性が見て取れる。

AFJB

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MCでは「まだ組んだばっかのバンドをオーラルが呼んでくれて、いい経験させてもらいました。ピュアな心を持ったみんなに出会えてよかった。また九州に来たいんで、みんなも遊びに来てください」と感謝を伝えたJUBEE。バンドとオーディエンスの両方から「また会いたい」という思いをひしひしと感じるライブとなった。

AFJB

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そしていよいよ、THE ORAL CIGARETTESが登場。大歓声と拍手で喜びを最大限に表現するオーディエンスの前で、ニヤリと笑った山中拓也(Vo&Gt)。「鹿児島ー!!」の第一声から「1本、2本、3本」と休むことなく続ける4本打ちに、会場のボルテージは急上昇。ファンが待ち望んだ初めての鹿児島公演がスタートした。

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1曲目、バンドサウンドが弾けるロックナンバー「GET BACK」。1曲目とはいえバンドはすでに完成形ともいうべき一体感で、今ツアーで得られたものの大きさがうかがえる。オーディエンスの手拍子と掛け声に「鹿児島ー!」と再び雄叫びを上げた山中。「ここまで来いよ!」とダイブを呼び込むと、客はオーディエンスの波に乗り次々とステージへ向かう。「さあ!回れ!」。間髪を入れず続けた「STARGET」では、サビの<廻る 廻る>の歌詞に合わせてサークルモッシュが発生。ライブハウスごと揺れるオーディエンスを前に、体をくねらせて歌う山中のパフォーマンスも絶好調だ。

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曲間でメンバーの名前を叫び続けるオーディエンスに「うるさいなー!ちょっと待って、マジで元気過ぎなんやけど。めちゃめちゃいい感じ。そのまま行ってもらっちゃっていいですかー?!」とうれしそうな山中。「カンタンナコト」「Naked」「Maze」と続き、「通り過ぎた季節の空で」ではそれまでのヘヴィーなナンバーから一転、メロディアスなロックで楽曲のクオリティーの高さを証明した。

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「九州ツアー回ってきました! AFJBの時のフロア、めちゃめちゃ楽しそうやった。一緒に来てよかった。AFJBに大きな拍手を」。後輩バンドへの敬意に会場から拍手が湧く。「あたたかく迎えてくれてありがとう。ラストまでもっともっと盛り上げてもらって、ずっと離れないところまで持っていってもらえたらうれしいです! 今日一番の声、最高の歌声聞かせてくれますか!」

そして始まった「5150」の大合唱。ステージぎりぎりまで出て皆の声に耳を傾ける山中の姿から「もっと聞きたい! 通じ合いたい!」という思いが伝わる。「Red Criminal」で不条理なことが避けられない世界で生きる自らへの肯定を、「BLACK ME-MORY」では全てを受け入れながらも立ち向かい続ける意志を示したオーラル。「おい、重伸かましたれ!」と山中が叫ぶと、鈴木重伸(Gt)がステージセンターで泣きのギターソロを聴かせた。ステージ前方ぎりぎりのところでプレーするあきらかにあきら(Ba)、全身全霊でドラムを叩く中西雅哉(Dr)。4人の姿はまぎれもなく、大好きな仲間と全力で音楽を楽しむロックキッズだ。

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今やアリーナクラスのステージに立ち、多くの音楽ファンを魅了する存在となったオーラル 。MCでは山中から今ツアーに込めた思いが語られた。
「自分たちの好きなことをつらぬいて、それが誰かの笑顔に変わって、結果として大きいところでやれればいいと思ってきました。みんなが笑顔にならないことは嫌だった。生きているとしんどいこと、きついこと、多いと思う。俺も8割しんどいです。でも2割は楽しい。その2割をあなたたちと作っていきたい。これからも遊び場をいっぱい用意します。仲間、好きなやつと、どのバンドのでもいいからライブに来てください。また絶対、元気で顔出してください」。メンバーが深々と頭を下げた。

本編ラストは山中の美しい歌声から始まる「Slowly but surely I go on」。明るい曲調に、会場全体が光に照らされたような優しい空気で満たされてゆく。<願う今日を 絶やさぬよう明日を><照らしていくはずさ これがFirst Day>。そのままのあなたでいいという曲のメッセージを受け取り、一つになるオーディエンス。一人一人に視線を向けながら歌う山中の表情はとても朗らかで愛にあふれていた。「最高の1日をありがとう。またこの遊び場で遊びましょう! ありがとうございました!」。鳴り止まない拍手と歓声を背に、メンバーはステージを後にした。

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途切れることのないアンコールの拍手の中、再び登場したメンバー。黄色のライトの下で山中が語る。「あなたの愛、自分だけの幸せの世界をつくってください。そこに俺らが入れたら幸せです」。披露された「YELLOW」はライブの週に放送が始まったテレビドラマ「マイホームヒーロー」の主題歌であり、鹿児島公演前日に配信が開始されたばかりの新曲だ。厚みのあるバンドサウンドと力強い歌声。音色が持つぬくもりは、自分と大切な人の幸せを願い続けるオーラルそのものの表れだろう。

迎えたラスト、アンコール2曲目は「狂乱 Hey Kids!!」。激しく怪しい正真正銘の代表曲でついに山中がダイブすると、オーディエンスの盛り上がりは最高潮に達した。ステージからはみ出るほど身を乗り出す鈴木とあきら、全力でドラミングを続ける中西。全ての演奏が終わり会場が大きな拍手と歓声に包まれる中、鈴木、中西、そして最後に肩を組んだ山中とあきらがステージを降りた。

バンドの原点であるライブハウスでのツアー経て、彼らの音楽はどう変化していくのか。ライブハウスでもアリーナでもライブが出来るバンドとしてこの先見せてくれるものは何かー。ファンの笑顔を守り、音楽への愛をつらぬき続けるTHE ORAL CIGARETTES 。彼らの動向から今後も目が離せない。
 

Text by 上野イクヨ
Photo by SHOTARO

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