4年ぶりの声出し解禁で横浜アリーナがアニソン「祭」に染まった6時間半『ANIMAX MUSIX 2023』レポート

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今年で14年目を迎える秋の定番アニソンフェス『ANIMAX MUSIX 2023』。新型コロナ対策の緩和に伴い、6時間ロング公演が復活。さらに4年ぶりとなる声出し応援解禁となったことで、これまで溜め込んできたアーティストとファンのパワーが大爆発するような盛り上がりに!「祭」をコンセプトにアガリまくりなパフォーマンスが繰り広げられたステージの興奮をレポートしよう。

■アーティストそれぞれが描き出す「祭り」が横アリを熱狂に包み込む!

4年ぶりに「ANIMAX MUSIX」に声出し声援が戻ってくる! それを祝して、今回のコンセプトとして打ち出されたのが「祭」。新型コロナ禍による規制が続いた日々で溜め込んだパワーを爆発させてもらおうと、祭りに相応しい曲のリクエストを募集したり、午前中には「ANIMAX MUSIX ~歌って踊ろう!ロビー無料開放~」と題したDJイベントが行われ、開場後にはオープニングアクトとして「ENGI-MONOGATARI」や「横浜アリーナにあなたの歌声が煌めく!ANIMAX MUSIX 2023 ステージ出場者オーディション」を勝ち抜いたなお吉さん、『ANIMAX MUSIX × REALITY ~ドリームバーチャルオーディション~ 』からバーチャルシンガーの櫻木るす&ぷりんせすのステージが繰り広げられ、横浜アリーナは早くもファンの熱気が充満していく。

ステージ出演者オーディションの特別審査員を務めたTRUEからは「久々の声出し解禁なので、みんなで歌えたらと思いますので期待してますよ?」という生メッセージが送られ、MCのニッポン放送アナウンサー・吉田尚記からの「準備いいか! 4年分出せるか!」というゲキに場内のファンが大声援で応えると、和太鼓の力強いリズムとお囃子に合わせて場内を御輿が練り歩き、メインステージではハッピ姿でコンサートライトを両手に携えたダンサーによるパフォーマンスが繰り広げられる。

そしてカウントダウンを経て出演アーティストがステージに勢ぞろいし、「明日のことは考えず、きょうはとにかくはしゃぎまくろう!」というアナウンスと共に、熱いアニソンの祭りの幕が開いた。

内田雄馬

内田雄馬

・内田雄馬

今年のトップバッターを務めるのは、4人の男性ダンサーと共に登場した内田雄馬。TVアニメ『怪病医ラムネ』OPテーマ「SHAKE!SHAKE!SHAKE!」で、オープニングの勢いをさらに加速させるような歌とダンスのパフォーマンスを繰り広げ、「一緒に!」とコールを煽って場内もスタートからヒートアップ。
続いて真っ赤なライティングを浴びながら「今日は一番熱い日にしようぜ! お前らの力全部くれー!」と叫んで、TVアニメ『灼熱カバディ』EDテーマ「Comin’ Back」を力強く唄い上げる。

「ANIMAXMUSIXトゥエンティ23…盛り上がってるかー!」と噛みながらも元気な挨拶と共に始まったMCでは、男性アーティストがトップを務めるのが今回が初めてなことを語り、「お昼ご飯食べてきたかー? じゃあできるなー!」と熱いコールを期待するメッセージと共に、ラストはTVアニメ『あひるの空』EDテーマ「Over」を力強いボーカルで披露。後半ではスタンドマイクを背負いながらアリーナ中央のセンターステージへと駆けていき、全方位から声援を浴びながら熱唱&曲間でアグレッシブなダンスで場内を熱く盛り上げた。

・大橋彩香

シックなモノトーンの衣装をまとって登場した大橋彩香の1曲目は、自身のファーストシングル曲でもあるTVアニメ『さばげぶっ!』OPテーマ「YES!!」。場内を染め上げるピンクのコンサートライトの光に包まれながら元気いっぱいのボーカルで場内を盛り上げ、「ハイッ! ハイッ!」のかけ声でファンとシンクロしていき、ラストはセンターステージにジャンプしながら駆け込んで締めくくった。
「お祭り騒ぎしてますかー!皆様の声援をたくさん受けて嬉しい気持ちになってます」
声出し声援の中でライブができる嬉しさを語りながら、ブロックごとでのコール&レスポンスで声を交わし合う大橋。そして「アニマックス!」「ミュージックス!」から「プリーズ!」「プリーズ!」のコール&レスポンスから、最新シングル曲でもあるTVアニメ『政宗くんのリベンジR』OPテーマ「Please, please!」をセンターステージで唄い上げた。

・大橋彩香 × MUSIX BAND

大橋のステージが2曲で終わってしまい、場内が「えーっ!?」という声で包まれるが、続いてスクリーンに映し出されたのは、今回のライブを支えるMUSIX BANDと大橋彩香の対バン予告! そしてステージ中央のドラムセットがスポットライトに照らされ、大橋とMUSIX BANDのドラム・青山英樹によるソロセッションの競演に場内が大歓声に包まれる。そしてMUSIX BANDの激しい演奏をバックにTVアニメ『史上最強の大魔王、村人Aに転生する』OPテーマ「Be My Friend!!!」を自身のドラムソロも交えながら熱唱。そしてラストはラストは力強いシャウトからの場内と一緒になっての全員ジャンプで熱く締めくくった。

続いてスタートしたのはコラボレーションステージ。事前に募集したリクエスト曲から声出し声援必須のナンバーを選んだ「声出せ!!SELECTION」だ。

Liyuu×中島由貴

Liyuu×中島由貴

・Liyuu×中島由貴

コラボコーナーの幕を開けるのは、Liyuuと中島由貴によるTVアニメ『とっとこハム太郎』OPテーマ「ハム太郎とっとこうた」。サビの「だーいすきなのはー」に「俺もー!」というコールが重なり、まったりした曲らしからぬ盛り上がりとなった。

・サンドリオン

続いて登場は、9月に開催された「ANIMAXMUSIXNEXTAGE2023」で出場権を勝ち取った女性声優ユニット・サンドリオン。唄うナンバーはTVアニメ『ゆるゆり♪♪』OPテーマ「いぇす!ゆゆゆ☆ゆるゆり♪♪」。かけ声に合わせての「ゆーるゆり!」コールを交えながら、畳み掛けるようなアップテンポのナンバーを元気に唄い上げて場内を盛り上げた。

・4U

ソナー音が暗闇に響き、スクリーンには「2034」のタイムカウントが! 2034年を舞台に未来のアイドル達を描くクロスメディアコンテンツ『Tokyo 7th シスターズ』から、女子高生ガールズバンド・4Uの佐伯ヒナ(長縄まりあ)、鰐淵エモコ(吉岡茉祐)、九条ウメ(山下まみ)が登場。
1曲目の「LOVE AND DEVIL」から、力強いヘビーな演奏とポップなボーカル、そしてジャンプパフォーマンスも交えてステージと場内が一体になって盛り上がる。

それぞれのキャラクター紹介も兼ねたMCから、2曲目は「祭」ならではの特別な曲として、劇中に登場するライバルバンド・The QUEEN of PURPLEのナンバー「Fire and Rose」のカバーを披露というナナシスファンには嬉しいサプライズ。「本物を超えるパフォーマンスを見せます」という言葉通り、前曲から一転してクールでパワフルなロックナンバーに4Uらしさも込めてやりきってみせる。

そして「この曲は騒ぐ曲だよ! みんなタオル持ってますかー?」を合図に始まったラストナンバーは、平凡な日々をぶち壊して盛り上がろうという想いが込められた一曲「Funny☆Clutch」。ギターの九条ウメとベースの鰐淵エモコがスタンド外周通路をタオルを回しながら走りまわり、スクリーンにはその様子を追う映像に合わせて歌詞のタイポグラフィが飛び交い、場内のファンも一緒に唄いながら盛り上がる。そしてラストはセンターステージで三人揃っての熱唱&タオルパフォーマンスで締めくくった。

・MADKID

続いての登場は、TVアニメ『盾の勇者の成り上がり』シリーズのOPテーマなどを歌う5人組ダンス&ボーカルユニット・MADKIDだ。まずは最新ナンバーとなる『盾の勇者の成り上がり Season 3』OPテーマ「SIN」を、激しいライティングが飛び交うステージでキレのあるボーカル&ダンスパフォーマンスと共に送り、場内をヒートアップさせる。

コール&レスポンスと自己紹介でファンと言葉を交わすと、ANIMAX MUSIXのステージに立てた喜びを語り「俺達をここまで成り上がらせてくれた曲でいきます」と、初のアニメソングとなった『盾の勇者の成り上がり』OPテーマ「RISE」をボイスパーカッションやラップ風のハーモニー、そして迫力あふれるダンスで披露。最後はセンターステージへと全員で走り込み、全方位のファンに歌を届けながら初ステージを締めくくった。

・東山奈央

「一緒に楽しんでいこー!」そんなかけ声と共に、カラフルなロングスカートのドレスをまとって東山奈央が登場。1曲目はTVアニメ『かくりよの宿飯』OPテーマ「灯火のまにまに」を、和のメロディに乗せて伸びやかで力強いボーカル&シャウトで熱唱。

今日を迎えるの本当に楽しみにしてたと語る東山は、2曲目にコール&レスポンスで盛り上がれるオリジナル曲「グー」を用意。歌の前にみんなでサビでのコーレスを練習し、見事に合わせるファンに東山も「さすがみなさんプロですね!」と喜ぶ一幕も。そして本番では激しいメロディと畳み掛けるような高速歌唱で場内もハイテンションに盛り上がり、コール&レスポンスも見事に決める。クライマックスは「一緒に踊ろうー!」のかけ声を合図にコンサートライトの光の波が場内をうねり、ラストは東山の「一緒に飛びましょう!」で全員でのジャンプを決めて一体感満点のステージとなった。

続いては話題のアニメ作品をフィーチャーしたコラボレーションステージが繰り広げられる「AnimeSelection」。取り上げられたのは昨年から今年にかけて話題となった『機動戦士ガンダム 水星の魔女』だ。

名場面などを交えたPVの後に登場したJUNNA×GARNiDELiAはSeason1のOPテーマ「祝福」をツインボーカルでのパワフルかつ美麗なハーモニーで披露。続いて後方ステージに登場した中島由貴×大橋彩香はSeason1のEDテーマ「君よ 気⾼くあれ」を情感たっぷりの力強いハーモニーで唄い上げる。そしてラストは叫びにも似た力強さで、宇宙のようなコンサートライトの青の輝きに満ちた場内に響かせていった。

・MyGO!!!!!

いきなりのパワフルな演奏とボーカルと共にステージに登場したのは、TVアニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』も話題となり、それに合わせて顔出しライブも解禁となったANIMAX MUSIX初登場のMyGO!!!!!だ。1曲目のOPテーマ「壱雫空」ではスクリーンのOPアニメ映像をバックに同じ衣装をまとった5人がステージ上で演奏を繰り広げ、まるで両者がシンクロしたかのようなパフォーマンスに場内もヒートアップ。

MyGO!!!!!

MyGO!!!!!

「今年のテーマは祭りです。みなさん盛り上がっていますか……うれしいです」ボーカルの高松燈(羊宮妃那)の劇中の雰囲気そのままの朴訥としたMCに場内が沸く中、2曲目の「影色舞」がスタート。歌詞のタイポグラフィがスクリーンに飛び交う中、軽快なメロディに乗せて燈とギターの楽奈(青木陽菜)が元気なステップを踏みながらの歌と演奏に大きな歓声が巻き起こった。

・MyGO!!!!!×サンドリオン

続いてはMyGO!!!!!とサンドリオンによるコラボステージがスタート。そして歌うのは『BanG Dream!』の先輩バンドでもあるPoppin’Partyの「Time Lapse」だ。全員でのアカペラのハーモニーから曲が始まり、サンドリオンと燈の5人のボーカルが織りなすハーモニーとMyGO!!!!!のパワフルな演奏のユニゾンに場内のテンションもさらに上がっていく。クライマックスでは5人が集まり全員が腕を突き上げて声を重ね、ラストはアカペラのハーモニーからのジャンプを決めて、熱狂のステージを締めくくった。

・伊藤美来

「ANIMAXMUSIX盛り上がっていきましょー!」という挨拶と共に登場した伊藤美来は、センターステージへと歩いてきながらTVアニメ『戦闘員、派遣します!』OPテーマ「No.6」を熱唱。最後はMUSIX BANDの熱のこもった間奏に乗りながらメインステージへと戻り、彼女のイメージカラーの青い光に染まった場内を見渡す仕草も交えながらダンスも交えて歌を締めくくった。
MCでは「もう中盤だからって、疲れてないですか? まだまだいけますか?」の問いかけへの大きな歓声に、声出し解禁の嬉しさを噛みしめていた。そして12月3日&8日に去年と今年のライブツアーの映像がアニマックスで放送されるという告知を挟んで、最新のナンバーのTVアニメ『星屑テレパス』OPテーマ「点と線」をライブで初披露。
タイトル通り、線のようなレーザーが場内に伸びていき、星空のように場内が青のコンサートライトで染まる中、語りかけるような伊藤のボーカルに場内もじっくりと聴き入っていた。

・Liyuu

続いてはANIMAX MUSIX初登場となるLiyuuがダンサーと共にセンターステージに登場。キュートなボーカルとダンスで場内を明るく盛り上げながらTVアニメ『夫婦以上、恋人未満。』OPテーマ「TRUE FOOL LOVE」を熱唱。そして初出演の嬉しさを語ってから、最新シングルでTVアニメ『はたらく魔王さま!! 2nd Season』EDテーマ「bloomin'」で切ない女の子の思いを情感こめて唄い上げて場内を盛り上げた。

ここでファンのリクエストから選ばれた「声出せ!!SELECTION」のパート2がスタート。MADKIDは映画『THE FIRST SLAM DUNK』のテーマソング「第ゼロ感」をパワフルなボーカルとハーモニー、センターステージでの「アニマックス!」コール&レスポンスやバク転などのパフォーマンスで盛り上げ、サビの雄叫びでは場内一体となってシャウトを響かせた。

続いてオーイシマサヨシ×内田雄馬がTVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』OPテーマ「飛天」を力強いボーカルで熱唱。ラップのような掛け合いから、互いに畳み掛けるようなソロからのハーモニーで場内を大いに沸かせてみせた。

上坂すみれ×南條愛乃

上坂すみれ×南條愛乃

そしてこのコーナーの最後は、袴姿風の衣装をまとった上坂すみれ×南條愛乃が後方ステージに登場し、TVアニメ『サクラ大戦』OPテーマ「ゲキテイ(檄!帝国華撃団)」を披露。舞いのような仕草を交えた振り付けで声援に応え、おなじみの名乗りもしっかりと再現。ラストは二人で背中を合わせてのキメポーズに、場内からは大歓声が巻き起こった。

・サンドリオン

新鋭アーティスト達がその年のANIMAX MUSIXの出演権を競う「ANIMAX MUSIX NEXTAGE」。その今年の勝者となったサンドリオンの4人(黒木ほの香/小峯愛未/小山百代/汐入あすか)が紹介PVを経て後方ステージに登場。オリジナルナンバーの「Angel Ladder」を歌いながら外周通路を練り歩き、客席の間近で歌声を届けていく。そしてメインステージでは客席と一体になってクラップで盛り上がり、最後は息の合ったダンスとハーモニーで締めくくり、初めて出会う人達に自分達のカラーをアピールした。

MCではそれぞれのイメージカラーを交えた自己紹介をして、それに合わせて場内のコンサートライトも色とりどりに変わっていった。そして最後はTVアニメ『星屑テレパス』EDテーマ「天体図」を披露。聖歌のような歌い出しから4人の可憐なハーモニーが重なり、クライマックスはそれぞれのソロから再び声が重なり合い、静謐な雰囲気に包み込まれた場内は大きな拍手と声援に満ちていった。

・JUNNA

重い弦楽器の音色に合わせてスポットライトが明滅し、漆黒のドレスをまとったJUNNAを照らし出す。そして始まったTVアニメ『魔法使いの嫁 SEASON2』OPテーマ「Dear」では、重く伸びやかで訴えかけるようなボーカルが場内を震わせるように広がっていった。

歌い終えてのMCでは、2年前の出演時には声出しNGだったので、みんなの声援が聞きたいとコールを求める。そして「次の曲はコールするとこないので、難しい曲だけどみんなを盛り上げる為にがんばるから、みんなも思いをぶつけてほしい」と語り、TVアニメ『魔法使いの嫁 SEASON2』第2クールOPテーマ「眠らされたリネージュ」がスタート。オペラのように力強く荘厳に唄い上げながら、みんなに歌声を近くで届けるためにセンターステージへ。そして再びメインステージへと唄いながら戻り、重みのあるステージを締めくくった。

・TRUE

3時間近く続いた『ANIMAX MUSIX 2023』もいよいよ折り返し。前半戦のトリを務めるTRUEは「アニマックスいくぜー!」のゲキと共に白いドレス姿で登場。来年でデビュー10周年となるのを記念して、デビュー曲でもあるTVアニメ『最弱無敗の神装機竜』OPテーマ「飛竜の騎士」を、叩きつけるようなロックのメロディを超えるようなパワフルなボーカルで唄い上げ、彼女の突き上げる拳に合わせて場内からもコールが巻き起こる。そして続けて始まったTVアニメ『バディ・コンプレックス』OPテーマ「UNISONIA」では、歌い出しが終わると同時に「いくよー!」と外周通路に走りこみ、さらにアリーナ席側にしゃがんだりしながら客の間近で歌声を届けていく。そして後半では「みんなまだ元気あるー!?」とゲキを飛ばしながらセンターステージに向かってコールを求めていき、最後はみんなで拳を突き上げながら盛り上がっていった。

「数年ぶりの声出し解禁ということでどんな景色があるんだろうって思ってやってきたんだけど、いつも通りのアニマックスじゃん! 今まで以上のみんなじゃん! めちゃめちゃ安心しました、どうもありがとう!」とMCパートではファンへの感謝とANIMAX MUSIXに育ててもらったとこのライブへの思いを語った。

「このステージは音楽の楽しさが詰まった場所です。誰かと共に音を奏でることの喜びをみんなに届けようと思います」という前振りから始まった前半戦の最後を占めるラストナンバーは、『特別編 響け!ユーフォニアム ~アンサンブルコンテスト~』主題歌「アンサンブル」。アカペラの独唱が場内に響き渡り、音楽への思いを伝えるような切ない歌声が広がっていく。そして最後は「歌ってー!」の言葉を合図に、全員が「ラーラーラー」の声を合わせ、『ANIMAX MUSIX 2023』前半戦は大団円で幕を閉じた。

■後半戦も熱いナンバーで盛り上がりは天井知らず! そして大トリはまさかの!?

20分の休憩を挟んで、6時間以上に及ぶ『ANIMAX MUSIX 2023』も後半戦がスタート。そのトップバッターを務めるのは、『BanG Dream!』のRAISE A SUILEN(Raychell/小原莉子/夏芽/倉知玲鳳/紡木吏佐)だ。

・RAISE A SUILEN

DJのCHU²(紡木吏佐)のミックスが流れる中、メンバー達がステージに現れセッティングを始め、場内はスタートから盛り上がろうとRAISE A SUILENのイメージカラー・緑の輝きで染め上げられていく。
いきなりDJテーブルにCHU²が乗っかりながら歌い始まったオープニングナンバー「Apocalypse」は、彼女とベースのLAYER(Raychell)の掛け合いによるボーカルと緩急の付いた重厚な演奏が、休憩でまったりした場内の空気を再び熱くしていった。

「みんなもう疲れてないよね?OK全力で声出して、今日はお祭りだから全力で踊っていこうか」
そんなRaychellのゲキと共に2曲目「!NVADE SHOW!」がスタート。激しいビートと重厚なボーカル、そして「あれ?お前ら暴れ足んないんじゃない?」「まだまだ休憩中なのかしらー?」「声の出し方忘れてんじゃねーの?」と煽られて、さらに場内のテンションが上がっていく。
そしてCHU²のDJプレイと激しいクラップとビートで盛り上がりながらの3曲目はRaychellの「さあ全員で地獄に行こうか? お前らかかってこい!」のゲキから始まる「HELL! or HELL?」。叩きつけるような演奏とボーカルに「横アリぃ! お前らそんなもんかあ? もっと全力で声出せ!」とコールやヘドバンをガンガン煽っていき、場内の後半戦へと駆け抜けていくパワーを注ぎ込むようなステージが幕を閉じた。

・RAISE A SUILEN×内田真礼

続いて始まったRAISE A SUILENに内田真礼が加わってのコラボステージは、内田がヒロインを演じたTVアニメ『ノラガミ ARAGOTO』のOPテーマ「狂乱 Hey Kids!!」。激しいロックナンバーをパワフルに奏でるRAISE A SUILEN。そして内田もRaychellのソロ演奏に背中を預けていったり、全員と合わせてヘッドバンキングを決めたりと力強いパフォーマンスを披露。そしてラストは内田とRaychellが互いの名前をコールして、場内は歓喜の声援に包まれた。

RAISE A SUILEN×内田真礼

RAISE A SUILEN×内田真礼

前半戦に続き後半でもコラボステージ「AnimeSelection」がスタート。こちらで取り上げるのは、今年で誕生10周年を迎える『転生したらスライムだった件』だ。
場内が主人公・リムルのイメージカラーの青に染まる中、劇場版でヒイロを演じた内田雄馬がTVアニメOPテーマ「Nameless Story」をヒイロの決めゼリフなどを織り込みながら熱唱。

TRUE×オーイシマサヨシ

TRUE×オーイシマサヨシ

そしてTVアニメEDテーマ「Another colony」を歌ったTRUEがオーイシマサヨシと共にデュエットバージョンを披露。ANIMAX MUSIXの顔とも言える2大ボーカリストの見事なソロ&ハーモニーが紡ぎ出す力強い歌声に場内は大きな盛り上がりを見せた。

・上坂すみれ

タータンチェックの衣装をまとった上坂すみれが登場すると、場内は彼女のイメージカラーである真紅の輝きで染まった。彼女の2ndシングルにあたるTVアニメ『げんしけん 二代目』OPテーマ「げんし、女子は、たいようだった。」をノリ良くポップに熱唱し、最後は「みんなでジャンプしましょう! いくぞいくぞいくぞ!」と見事にジャンプでシメてみせた。

MCでは現在20分押しということを明かすも「しらねーよそんなことはよー! 関係ねーんだ俺達にはな!」とぶっちゃけて会場を沸かす一幕も。そして3時間以上経っても元気な観客の集中力を賞賛し、コール&レスポンスでは地元在住なのに横浜アリーナが横浜駅近くじゃなかったことを初めて知ったのをネタに「横浜アリーナはー?」→「新横浜―!」と決めたり、水分補給をしつつ「お水美味しい?」→「美味しいー!」とコールを交わすと「これで君も女性声優だ」と返して笑いを誘う。
そして2曲目はライブ初披露となるTVアニメ『ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~』OPテーマ「ハッピーエンドプリンセス」。コミカルで密度の濃いナンバーをノリノリで唄い上げた。

・中島由貴

スクリーン前のステージ上段から登場したのはソロでの出演は今回が初めての中島由貴。腕を突き上げコールを煽りながらステージに降り立つと、TVアニメ『ゴブリンスレイヤーⅡ』EDテーマ「霞の向こうへ」からライブをスタートし、クールなボーカルでロックナンバーを力強く熱唱。

「まだまだ体力残ってますかー?」と熱い声援を送ってくれるファンをねぎらうと、女性ダンサーを呼び込み「ここからはちょっとキュンキュンしてほしいなと思います」という前振りからの2曲目は、TVアニメ『可愛いだけじゃない式守さん』EDテーマ「Route BLUE」。1曲目から一転してのキュートな青春ソングをアップテンポに可愛らしく唄い上げた。

ここでステージに午前中のロビーでのDJイベントを盛り上げたDJ和&『D4DJ』犬寄しのぶ役でもおなじみの声優・高木美佑が登場。『五等分の花嫁』『みなみけ』『【推しの子】』『けいおん!』とツボを突いた作品のナンバーを駆使したDJで場内も盛り上がったところで、再びライブパートがスタート。

・GARNiDELiA

荘厳なイントロから始まったGARNiDELiAの1曲目はTVアニメ『贄姫と獣の王』第1クールEDテーマ「ONLY」。静謐ながらも力強いボーカルで、切ない思いのこもった歌詞を唄い上げた。

MCでは長時間たってもまったく変わらない観客のテンションと声援に感動したという気持ちを語り、2曲目は今回の「祭」のコンセプトに合わせて、みんなで歌って踊れて騒げる曲として選んだというオリジナル曲「極楽浄土」。曲の前にダンサーを交えて振り付けのレクチャーもしたおかげもあって、ステージと客席が一体となってオリエンタルなダンスとボーカルに満ちたアガるナンバーで盛り上がった。

続いてはファンからのリクエストに応えたコラボステージ「FANSELECTION」PART2がスタート。1曲目はLiyuuのカバーによるTVアニメ『アオハライド』OPテーマ「世界は恋に落ちている」。切ない青春の歌を涼やかなボーカルで唄い上げ、彼女が歌の中の「バカ……だって好きだから」というセリフを口にすると場内は大歓声に包まれた。

続いてはTVアニメ『マクロスΔ(デルタ)』OPテーマ「一度だけの恋なら」をオリジナルのワルキューレのメンバーであるJUNNAと東山奈央にTRUEが加わったスペシャルユニットが熱唱。ANIMAXMUSIXならではのコラボレーションに場内の熱気もさらに高まっていった。

・内田真礼

和のテイストの衣装をまとって登場した内田真礼の送る1曲目はオリジナルナンバーから「モラトリアムダンスフロア」。アップテンポでポップな楽曲を、ダンサーと共にコケティッシュに唄い上げる。さらに続いて、真っ赤に染まるステージと飛び交う白のライティングを浴びながらTVアニメ『冰剣の魔術師が世界を統べる』EDテーマ「ラウドへイラー」がスタート。激しいビートのロックナンバーで場内を熱く盛り上げていく。

MCでは今回の「祭」のコンセプトに凄くテンションが上がっていることや、オープニングで御神輿が登場したのを見て、和のテイストの衣装を選んで良かったと語り、最後は最新曲となるTVアニメ『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』OPテーマ「ラブ・ユー・テンダー!」を、ふくれっ面など色々な顔を見せる女の子のパフォーマンスを交えながら、可愛らしい恋の思いを唄った歌をポップに歌って締めくくった。

・南條愛乃

弦楽器の調べと共に黑のドレスをまとって現れた南條愛乃。1曲目はライブ初披露の最新ナンバーで、TVアニメ『冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた』OPテーマ「閃 -Sen-」。客のコールをアオリながら、スピーディーなメロディに乗って運命を切り開く戦いの歌を力強く唄い上げた。

MCでは上坂すみれがやったコール&レスポンスを覚えているか記憶力テストして、終盤戦になってもしっかり声が出ているファンのパワーに感動する一幕も。
続く2曲目はゲーム『グリザイア クロノスリベリオン』EDテーマ「瓦礫に咲く花」。緩急の付いたメロディと共に奏でられる切ない曲を情感込めて歌い紡いでいく。

二度目のMCでは12月に発売されるElements Gardenとのコラボアルバムや、ソロデビュー10周年を記念したライブを告知。そして最後の曲は南條が歌い続けてきた『グリザイア』シリーズのメドレーに。その最後にみんなに「愛してる」と歌ってほしいということでコール練習をして、メドレーがスタート。

迫力あるメロディと共に語られる愛や想いの歌を南條は切なく力強く熱唱し、3曲目ではしっとりとしたメロディと共に情感あふれるボーカルで唄い紡いでいく。そしてラストは再び迫力満点の歌に。そしてラストの「愛してる」は練習したとおりに場内のファン全員に歌わせて、それに南條が「私も!」とレスポンスしてステージは大きな盛り上がりと共に締めくくられた。

続いては最後の企画コーナーとして、お祭りみたいにアガる曲をコラボで送る「お祭りSELECTION」がスタート。まずはMADKIDとRaychell from RAISE A SUILENによるTVアニメ『SDガンダムフォース』EDテーマ「ココロオドル」。和製ヒップホップの名曲としても知られるこのナンバーを実力派の6人がアゲまくりのテンションで熱唱。後半にはお祭り囃子のアレンジも加わり、ラストは会場が揺れているかのような激しいコールと縦ノリで盛り上がった。

続いては後方ステージに登場した和装衣装の東山奈央による、TVアニメ『機巧少女は傷つかない』EDテーマ「回レ!雪月花」。ハイテンションなナンバーをハイスピードに熱唱し、前曲の勢いを引き継ぐような激しい縦ノリで会場全体もヒートアップ。最後は「もうすぐクライマックス!みんな出し惜しみしないでいくよ!」というゲキで、いよいよ『ANIMAX MUSIX 2023』もラストスパートへ。

・オーイシマサヨシ

場内におどろおどろしい音楽が鳴り響き、暗闇の中で後方ステージやメインステージ上段にスポットライトが当たると、そこにはオーイシマサヨシ…っぽい格好のニセモノが現れては消えていく。場内のファンがざわめく中「ハッハッハッ、どこを見ているのかね?」というナレーションと共にスポットライトが輝くと、何と本物のオーイシマサヨシがスタンド席の真っ只中に登場するサプライズが! そのまま客席で歌い始めた1曲目はTVアニメ『勇者が死んだ!』OPテーマ「死んだ!」。外周通路まで降りたオーイシは、待ち構えていたダンサー達を従えてコミカルに歌いながら練り歩き、途中で自分と同じメガネ男子のファンをいじったりしながら場内を盛り上げた。

「改めましてこんばんは! アニソン界のおしゃべりクソメガネことオーイシマサヨシですー! 会いたかったぜアニマーックス!」
いつもの挨拶でMCが始まると、お約束のブーイングや帰れコールが起きて、生放送を見ている母親に「これは愛やから」とフォローする一幕も。
先ほどの「死んだ!」のスペシャルな演出についての話や、カラオケDAMで配信している『うまびょい伝説』のライブバージョンが、昨年のANIMAXMUSIXで自分がコラボした時の映像だという裏話を披露。そして「ANIMAX MUSIXの思い出を持って帰りたい」と歌う2曲目は、最新ナンバーであるTVアニメ『お嬢と番犬くん』OPテーマ「好きになっちゃダメな人 」。恋する女の子の思いをポップに切なく歌い上げる情感あふれるオーイシのボーカルにみんなが聴き入り、最後の方では「好きになっちゃダメな人」と歌った後に客席を指差して「君やで」というアドリブも交えて、場内をわかせた。

そしてすぐさま「いくぞー!」というゲキと共に、劇場版『グリッドマン ユニバース』テーマソング「uni-verse」がスタート。センターステージで客席の間近に歌に込められた想いを届けていく。そして自分のスマホでファンの盛り上がりを撮影しながら「みんなのかっこいいところを見せてくれ!」と叫び、全員で「ユニバース!」の部分を声と心を合わせて歌いあげていった。

・ウマ娘 プリティーダービー

いよいよ『ANIMAX MUSIX 2023』もラストステージへ。その大トリを飾るのは、何とウマ娘 プリティーダービーの7人(トウカイテイオー役・Machico/ウオッカ役・大橋彩香/ミスターシービー役・天海由梨奈/マチカネタンホイザ役・遠野ひかる/キタサンブラック役・矢野妃菜喜/シンボリクリスエス役・春川芽生/カツラギエース役・藤原夏海)。

そんなウマ娘が送る1曲目は、お祭りSELECTIONのリクエスト1位を獲得した「トレセン音頭」。音頭というにはハイテンションかつスピーディーな曲を、後方ステージに登場した4人は外周通路を練り歩き、メインステージの3人はセンターステージへと向かいながら、観客と一緒にノリノリで盛り上がり、場内は正に最高潮の「祭」と化した。

キャラの決めゼリフも交えた自己紹介MCの後、シンボリクリスエス役・春川芽生の発案で「アニマ!」→「ックス!」、「ミュージッ!」→「X!」、「よこは!」→「まックス」というコール&レスポンスで盛り上がったところで2曲目に。次の曲はTVアニメ第3期OPテーマ「ソシテミンナノ」をTVサイズながらもライブ版を初披露。矢野妃菜喜以外は全員が初歌唱というレアなバージョンで、サビ前の矢野妃菜喜のキタサンブラックの決意を込めた「負けない!」というセリフには大きな歓声が巻き起こった。

そしてラストを飾るのは、ゲーム内の対人イベント「チャンピオンズミーティング」勝利したウマ娘だけが歌える曲「Ms. VICTORIA」。センターステージにはミスターシービー役・天海由梨奈/トウカイテイオー役・Machico/キタサンブラック役・矢野妃菜喜が向かい、二つのステージで走りで戦うウマ娘の力強さがあふれる歌声を響かせ、雄々しき勝利の凱歌を唄い上げて、大歓声に包まれながら初の大トリという役目を見事全うしてみせた。

・ウマ娘 プリティーダービー×伊藤美来

せっかくのウマ娘 プリティーダービーのライブなら、やはり「うまぴょい伝説」も聴きたい…そんなファンの期待に応えるように、昨年のオーイシマサヨシに続いて今年は伊藤美来とのコラボで「うまびょい伝説」が実現! センターに加わった伊藤美来が、ウマ娘たちに負けないキレのダンスとボーカルで「うまびょい! うまびょい!」をこなし、ファンも見事な「俺の愛バが!」コールを決めてみせる。ステージと客席が一体になった盛り上がりの中で、『ANIMAX MUSIX 2023』は全ステージ完走となった。

「6時間超えてから「うまぴょい伝説」をやる凶悪なイベントがありますでしょか?」
そんなMC・吉田尚記のコメントと共に、本日のライブのオンデマンド配信や来年3月の完全版の放映、そしてANIMAX MUSIX15周年を記念して『ANIMAX MUSIX 2024 SPRING』開催決定の告知に場内から大きな歓声が沸き上がる。

そして全アーティストが再びステージに集まりグランドフィナーレを迎え、ラストのアガるナンバーとして全員でTVアニメ『ハイキュー!!』OPテーマ「イマジネーション」をファンと共に熱唱。そして最後は矢野妃菜喜の音頭で全員でのジャンプを決めて、6時間半にも及んだ『ANIMAX MUSIX 2023』3は最高の大団円となった。

久々の声出し声援解禁をファンはもちろんアーティストも一緒になって楽しみ、熱く激しく温かな雰囲気に満ちた6時間半となった『ANIMAX MUSIX 2023』。まだ完全に、とは言い難いが、来年もこのライブの風景が続くことを期待したい一夜となった。

取材・文:斉藤直樹
 

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