FRUITS ZIPPER
FRUITS ZIPPER x Juice=Juice 『フルーツジュース』2023.11.23(THU)大阪・岸和田 南海浪切ホール 大ホール
今年で10周年を迎え、進化し続けるハロー!プロジェクトのアイドルグループ・Juice=Juiceと、2022年に結成し、数々のバズを生み出し続け、話題沸騰中の新生アイドルグループ・FRUITS ZIPPERの2組によるイベント『フルーツジュース』が11月23日(木祝)、大阪・岸和田の南海浪切ホール大ホールで開催。両グループがお互いにラブコールを連発し合う“好き好きムード”にあふれたライブとなった。また、アイドルを中心にさまざまな情報を紹介するFM大阪の番組『OSAKA IDOL QUEST』の公開収録もおこなわれるなど、バラエティ豊かな内容となった。
●FRUITS ZIPPER「若造なんですけど、先輩と盛り上げたい」
まず初陣を飾ったのが、2022年4月リリースの「わたしの一番かわいいところ」がTikTokを中心に大流行するなど一躍、現在のアイドルシーンのトップランナーとなったFRUITS ZIPPER。2023年の『日本レコード大賞』新人賞も受賞し、2024年5月18日にはグループ結成2周年を記念した日本武道館公演も控えるなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢い。そんなFRUITS ZIPPERはかわいさと元気がいっぱいのパフォーマンスで『フルーツジュース』を盛り上げた。
「大阪のみなさん、盛り上がってますか」の掛け声で「ぴゅあいんざわーるど」からスタートし、「完璧主義で☆」では人差し指と親指をくっつけて輪を作るグループのポーズを作りながら上半身をグラインドさせる振付に合わせ、ふるっぱー(FRUITS ZIPPERのファンの愛称)も手を上げながら体をねじった。
鎮西寿々歌が「Juice=Juice さんは(結成)10周年、私たちはまだ1年半。ちょっと若造なんですけど、先輩と盛り上げられるように頑張っていくので」と意気込みを口にした後、メンバーの個性がしっかり伝わってくる自己紹介ソング「ウェルカムとぅ〜ざ♡ふるっぱー」でJuice=Juice Family(Juice=Juiceのファンの愛称)にも自分たちをアピール。また同曲途中には、鎮西は「左阪神(半身)タイガース 阪神優勝おめでとう」と38年ぶりにプロ野球日本一を飾った阪神タイガースを祝った(奇しくもこの日は阪神タイガースの優勝を記念した御堂筋パレードがおこなわれていた)。
「RADIO GALAXY」では<せーの ほいほいほいほい あーよいしょー!>という歌詞パートで大賑わい。続く「ハートのローラーコースター」では曲調の雰囲気が変わって、随所でそれぞれが大人びたボーカルを聴かせた。「キミコイ」を披露した後、誰もがお待ちかねの「わたしの一番かわいいところ」のダンスフォーメーションに。メンバーが立ち位置についただけで、演奏曲を察したふるっぱーが湧き上がる。若者を中心に幅広い世代が真似をした振付とあって、会場中が身振り手振りで同曲を楽しんだ。さらに曲終盤<わたしが一番かわいいの>を受けて鎮西が<わたしもそれに気付いた!>と返す歌のパートでは、<うち、気付いてもーた!>と大阪バージョンにアレンジしてみせた。
「ハピチョコ」のあとのMCでは日本武道館公演、レコ大新人賞のことをあらためて報告。その喜びをラストの曲「超めでたいソング〜こんなに幸せでいいのかな〜」へと結びつけた。ファンも手拍子でメンバーのがんばりを祝福した。
●Juice=Juice「本当にキラキラしていて、私が描くアイドル像」
前半戦終了後、5分前後のインターバルがあったが、その間ずっと客席からはJuice=Juiceのメンバーの名前を呼ぶ声が会場のあちこちから湧き起こっていた。ものすごい熱気と迫力である。これが結成10年のグループを支え続けてきたファンの想いなのだろうか。良い意味で異様な空気が流れるなか、Juice=Juiceがステージへと登場した。
後ろ姿から次々と客席側へ振り向いていき艶っぽいボーカルを届ける「プライド・ブライト」から、浪切ホールはJuice=Juiceの色に染まった。2曲目「プラトニック・プラネット」では、「FRUITS ZIPPERがかわいさを押し出すなら、自分たちは大人っぽさで魅せる」と言わんばかりに、自分の体を手でなぞるセクシーな振付を披露。ハウス曲「イジワルしないで抱きしめてよ」では、メンバーの“しゃくり”がとにかく素晴らしく、高度なボーカルテクニックが味わえた。
序盤のMCでは石山咲良が「今回、FRUITS ZIPPERさんとツーマンライブということで、私はずっと鎮西寿々歌さんが大好きで幼稚園の頃から(鎮西が出演していた)NHKの教育番組にかじりついて観てたんですけど」とファンであることを明かし、「先ほども袖の方でパフォーマンスを拝見させていただいて、本当にキラキラしていて、私が描くアイドル像だなって思って。私もいつかこうなったら良いなって思ったので」と嬉しそうにコメントした。
中盤は歌詞に合わせて両手の人差し指をこめかみあたりでくるくる回すキャッチーな振付が印象的な「G.O.A.T.」で幕開け。「POPPIN’ LOVE」の曲中では、急性気管支炎によるパフォーマンス制限のため、椅子に座ってライブをしている有澤一華のもとに植村あかりが駆け寄って手の振りを合わせるなどし、グループの絆を感じさせた。また入江里咲が<すごく好きなんだからなんだよ>を<ほんまに好きやからやで>と関西弁に歌い変える場面も。
「生まれたてのBaby Love」ではメンバーの煽りを受けて観客が右から左へウェーブ。MCをはさんだ後のラテン曲「Fiesta!Fiesta!」では、まさに中南米特有の陽気・派手・情熱的なお祭りを彷彿とさせる雰囲気を作り上げて大フィーバー。同曲で俄然、勢いづいたJuice=Juiceは「まだまだ声を出して盛り上がっていくよ」と「STAGE〜アガッてみな〜」を披露。遠くの客席まで汗がほとばしってきそうな、アグレッシブな歌とダンス。ただメンバーの息はまったくアガっていないところに、グループとしてのタフさが感じられた。次の「ロマンスの途中(2023 10th Juice Ver.)」はグルーヴィーでダンサブル。まるで1960年代から1970年代のディスコカルチャーが浪切ホールに降臨したようだった。
植村が「次で最後の曲です」と伝えると「えー」という名残惜しそうな声が客席から上がった。植村は「私たちももう汗だくなので、ちょっと……! はぁーってなっちゃうんで」と苦笑い。松永里愛は「今日はこんなにたくさんの方が来てくださって。満員御礼っていうんですよね」と両グループのファンに感謝しながら、「今日、(来るのが)大変だったでしょ。阪神の盛り上がりがね」と御堂筋パレードの交通規制を気遣うなどユーモラスなMCで楽しませた。
そして愛情がたっぷり感じられる楽曲「Wonderful World(2023 10th Juice Ver.)」でライブを締めた。
●月足天音「全員がいい女」、江端妃咲「目の前で見ているとやばい」
両グループのステージ後は、『OSAKA IDOL QUEST』のMC・小早川秀樹の進行のもとで同番組の公開収録がおこなわれた。
FRUITS ZIPPERの月足天音が「学生時代からJuice=Juiceさんが好きで。全員がいい女」と独特の言い回しでリスペクトを表すと、Juice=Juice の江端妃咲も「目の前で見ていると、やばいって思いました」と目を輝かせた。
そのほか公開収録では「特製フルーツジュースの1分間食レポ対決」やFRUITS ZIPPERの櫻井優衣とJuice=Juiceの植村によるスペシャルコラボも実現。エンディングではFRUITS ZIPPERの櫻井が「大先輩の、輝かしいJuice=Juiceさんとツーマンをさせていただけたことが本当にまだ夢のようで。本当に光栄なことだなと思います。幸せがたくさんでした」、Juice=Juiceの井上玲音も「私的にはリハーサルから(FRUITS ZIPPERを)じっくりじっくり見てしまってすみませんでした(笑)。みなさん、今日のことは絶対に忘れないように心に留めて帰ってほしい」と感想を語って、『フルーツジュース』が終幕した。
『フルーツジュース』の公開収録の模様は、12月5日(火)の『OSAKA IDOL QUEST』のなかで放送予定。
取材・文=田辺ユウキ 写真=オフィシャル提供(撮影:オイケカオリ)
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FRUITS ZIPPER x Juice=Juice 『フルーツジュース』
■FRUITS ZIPPER
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