ポール・マッカートニー&ウイングス、代表作「バンド・オン・ザ・ラン」50周年記念盤の日本リリース決定
オリジナル盤が発売された週からちょうど50年を迎える12月4日に発表されたポール・マッカートニー&ウイングスの代表作「バンド・オン・ザ・ラン」の50周年記念エディション2CDの日本盤リリースが決定。未発表の”アンダーダブド”・ミックスを初収録される。
ヒット・チャートの首位に輝き、グラミー賞を複数の部門で受賞、そして発表後、数十年に亘って”史上最高のアルバム・ランキング”の常連であり続ける「バンド・オン・ザ・ラン」。この大ヒット・アルバムのオリジナル盤がリリースされたのは1973年12月のことだった。不朽の表題曲「バンド・オン・ザ・ラン」、世界的ヒットを記録した「ジェット」、哀愁漂う「ブルーバード」、ライヴの定番曲として愛され続けている「レット・ミー・ロール・イット」、サウンドの変化が面白い「ピカソの遺言」、作品のクライマックスを彩る「1985年」といった楽曲が収録された「バンド・オン・ザ・ラン」は、間違いなくウイングス史上もっとも大きな成功と賞賛を得た作品といえるだろう。
今回の50周年記念エディションは、アナログLPをはじめとするさまざまなフォーマットで発売される。2CDエディションは、米国オリジナル盤と同じ曲目のアルバム本編と”アンダーダブド”・ミックスを収録。こちらには、リンダ・マッカートニー撮影のポラロイド写真を使用したポスターが、両面印刷/折り畳み式で付属する。LPのスペシャル・エディション(輸入盤のみ)には、1973年当時のオリジナル・マスター・テープから高品質でデジタル変換した音源を基に、ハーフ・スピード・カッティングで製作されたもので、カッティングを手がけたのは、ロンドンはアビー・ロード・スタジオのマイルズ・ショーウェルである。このLP盤エディションの収録曲は「愛しのヘレン」が収録された米国盤のそれに準拠しており、さらにはリンダ・マッカートニー撮影のポラロイド写真を使用したポスターも付属する。
また、同じくアナログ盤の2LPエディション(輸入盤のみ)には、ハーフ・スピード・カッティングで製作された米国盤のアルバム本編に加え、2枚目のディスクとして収録曲の”アンダーダブド”・ミックスが併録される。なお、上質なスリップケースに収納されるこちらのセットには、リンダ・マッカートニー撮影のポラロイド・ポスターが2枚付属する。
「バンド・オン・ザ・ラン」収録曲の”アンダーダブド”・ミックスに関してはデジタル配信も行われる予定でアルバムのタイトル・トラック「バンド・オン・ザ・ラン」の”アンダーダブド”・ミックスは12月7日に配信される。
この”アンダーダブド”・ミックスについてポール・マッカートニーは以下のように説明している。
「これは、いままで誰も聴いたことがないような『バンド・オン・ザ・ラン』だ。曲を作って、追加のギターなどのパートを足すことを”オーヴァーダブ”と言う。このヴァージョンは”アンダーダブド”、つまりその逆の状態のものなんだよ」
デジタル配信もされる初登場の”アンダーダブド”・ミックスでは、オーケストラなどの追加パートが入っていない状態で「バンド・オン・ザ・ラン」に収められた9の名曲を楽しむことができる。これまで未発表となっていたこのラフ・ミックスは1973年10月14日、ジェフ・エメリックがAIRスタジオのピーター・スウェッテナムの力を借りて製作したものだ。下方に記載の通り、曲順はこれまでの既発版とは異なるが、これはMPLの倉庫で発見されたオリジナル・アナログ・テープの曲順に準拠している。
そして今回、ついに「バンド・オン・ザ・ラン」のドルビー・アトモス・ミックスが製作された。こちらはジャイルズ・マーティンとスティーヴ・オーチャードが新たに手がけたものである(デジタルのみ発売)。
現在、ポールは好評を博しているコンサート・ツアー”Got Back(ゴット・バック)”で各地を巡り、「バンド・オン・ザ・ラン」をはじめとする、自身が残してきた比類ない作品群の中から選り抜きのレパートリーを披露している。彼は、2022年2月にこのツアーの日程を発表し、その後、まずはアメリカで16日ほどの大規模公演を完遂。それに続いて6月には、タイムズ紙が”史上最高のライヴ”と評したグラストンベリー・フェスティヴァルでの歴史的なヘッドライナー公演を行った。デイヴ・グロールと一夜限りのデュエットで「バンド・オン・ザ・ラン」を披露したのも、そのステージでの出来事であった。
その後、同ツアーでは6年ぶりとなるオーストラリア・ツアーも実現。現在はちょうどブラジルのベロオリゾンテを回っているところで、このあと同国のサンパウロ、クリチバ、リオデジャネイロで残りの公演が行われる予定となっている。