59曲のパフォーマンスでA.B.C-Zの魅力を堪能できる 『ABC座星劇場2023~5Stars Live Hours~』ゲネプロ&会見レポート

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2102年2月、DVDリリースによってデビューして以来、さまざまな題材で『ABC座』を上演してきたA.B.C-Z。2021年からは主演に加えて演出も手がけてきた。2023年となる今年、建て替えを控えた現・帝劇最後のABC座では、A.B.C-Zのパフォーマンスを全て詰め込んだライブ形式のショーを披露する。

ゲネプロの後に行われた会見の様子から紹介しよう。

――いよいよ初日を迎えます。今の気持ちを教えてください。

五関晃一:本当に実感がなかったんですが、稽古が始まってからは5人の最後のステージなんだなっていう気持ちがどんどん込み上げてきました。僕たちのデビュー曲である「Za ABC~5Stars~」からスタートするんですが、稽古場で流れる度にみんな泣いちゃって泣いちゃって、稽古が進まなかったです。

河合郁人:泣いてない(笑)。なんなら一番稽古してない曲だよ、いつでもできるもん。

五関:(笑)。本当に変わらずでした。本番も変わらない姿を見せて、とにかく悔いなく楽しみたいと思っています。

河合:正直まだ実感がないんですけど、あと2週間で脱退するのかと考えると込み上げてくるものはあります。稽古中もゲネプロも、いい意味でいつも通りの楽しさというのが今は強いです。自分の脱退というよりもA.B.C-Zとして毎日しっかりパフォーマンスして皆さんを喜ばせることに専念しようと思います。千秋楽くらいに来てもらうと泣いているかもしれません(笑)。

橋本良亮:河合さんがいつ泣くのか楽しみです。すぐ泣きますから(笑)。去年までは一幕で芝居、二幕でショーの構成にしていましたが、今回は全幕ショータイム。個人的にはあっという間だったと感じますし、そう感じるのは心から楽しんでいるからかなって思っています。

戸塚祥太:個人的な思いですが、この帝国劇場という場所には河合くんやみんなとの思い出があります。今回Jr.の子たちもいっぱい出ていますが、彼らと同じくらいの歳の頃から一緒にこのステージに立っていて、5人での最後もここ。因縁めいたものを感じるというか、人生って面白いと思います。とはいえここはショーをする場所なので、最後までショーを進行して、お客さんを楽しませることに専念したいと思っています。

塚田僚一:僕もこの舞台がすごく楽しみです。今年を振り返ると、お休みをいただいてファンの皆さんや関係者の皆さんに心配とご迷惑をおかけしてしまいました。5人揃ってABC座をできるっていうのがすごく楽しいし、しかもすごい曲数。色々な曲を、5人で、Jr.の子たちと帝国劇場のスタッフさんたちとできるのが本当に楽しみです。

――今回はABC座史上最多の59曲ということです。

河合:さっきはっしー(橋本)が言っていましたが、今まではお芝居があって二幕でショータイムでした。でもみんなで話し合い、5人でのラストステージになるし、今年はA.B.C-Zのライブもやっていないので、ファンの方に楽しんでいただきたいということで全幕ショーにしました。また、とっつー(戸塚)が言っていたように僕らがすごく小さい頃から帝国劇場にお世話になっているので、お世話になった先輩方の楽曲や後輩の大事な楽曲を自分たちなりに披露したいと思っています。

――選曲のこだわりはどんなところにありますか?

橋本:これはもう河合さんが組んでくれました。どんな思いで?

河合:言ったら怒られちゃうかもしれない。……好きな曲です!

塚田:河合が好きな曲やらされてるってこと!?

一同:言い方(笑)!

戸塚:木村拓哉先輩のソロ曲もやってますもんね。

河合:多分最初で最後だろうなと思って。格好良くて好きな曲です。

戸塚:最後に感情に訴えかけるのは好きって気持ちですもんね。

塚田:大事なことだよね。

河合:みんなに踊ってみてほしい曲だったり、みんなで「ブラザービート」をやったらどうなるだろうだったり、僕らだけじゃなくJr.のみんなにも見せ場を担当してもらっているので、去年までと違う形をどう作っていけるかを考えながら決めました。

橋本:こういう人がいると助かりますよね。心強いから卒業しても来年の構成を考えてほしいです。

河合:俺、来年のスケジュールセットリスト決めと会見のMC(笑)?

五関:河合のギャラによるよね(笑)。

橋本:ファンの気持ちもすごくわかる方なので、今後も関わってほしいなと思います。

――今年一年を振り返って、漢字一文字で表現するならなんでしょう。

塚田:感謝や感じるの「感」です。お休みをいただいた時にファンの方がいてくれるありがたさを改めて感じました。しっかり休養をいただいて元気になって表に出ようと思ったし、舞台でとっつーが代わりに出てくれて、本当に感謝しました。その気持ちを忘れずに来年も頑張っていきたいと思います。

五関:今の気持ちですが、喜怒哀楽の「楽」ですね。塚ちゃんの休業や河合の脱退など色々あった中で、こうして1年の最後に5人でしっかり締めくくれるのは本当に良かったと思います。あとは楽しむだけです。

戸塚:喜怒哀楽の「喜」です。河合くんが新しい夢を話してくれたときに、嬉しかったんです。「こっからもう一個チャレンジしていくんだ、最高じゃねえか」と思いました。この公演も最高のショーになる気がしています。

橋本:「歩」です。河合さんから脱退の話を聞いてそういう感情になったんですが、今年は2つ舞台出演もあって、歩んでいる感じがするなと。1人で悩むというか突き進まなきゃいけないなという年でした。

河合:自分のこともそうだし、周りで起きた色々なこととか、ファンの方も戸惑った1年だと思います。その中でも応援してくださる皆さんがいて、繋がりを大事に感じました。だから「繋」ですね。

――最後に、橋本さんから皆さんへのメッセージをお願いします。

橋本:いや、ここは河合さんお願いします。

河合:僕の脱退もありますが、それよりもA.B.C-Zとして毎年やらせていただいているABC座が今年も無事に開幕します。2週間、しっかりと気合を入れてみんなと一緒にパフォーマンスしていきますので、見にくる方はぜひ楽しみにしていてください!

※次ページ、ゲネプロの写真と一部セットリストのネタバレあり。

 

一幕はグループの楽曲と事務所の先輩・後輩、外部アーティストまで幅広い楽曲のメドレー。ステージの周りに飾ってあるA.B.C-ZのCDジャケットが順々に照らされて幕が開く演出にワクワクが高まる。

グループの特色であるアクロバットパフォーマンスが楽しいデビュー曲「Za ABC~5Stars~」を皮切りに、ノンストップで次々に曲を披露していく。河合が好きな曲でメドレーを組んだと話していたが、5人の歌声を堪能できる楽曲からパフォーマンスの見応えが抜群な楽曲まで多彩だ。「恋降る月夜に君想ふ」(King & Prince)、「ブラザービート」(Snow Man)などは、後輩たちと一緒にキャッチーな振り付けを可愛らしく見せる。かと思うと戸塚がキレのあるダンスで魅せたり、橋本や塚田の温かい歌声が胸に響くナンバーでしっとりと聴かせたり。緩急のついた構成で飽きさせない。メドレーになることでそれぞれの曲の魅力や個性も際立っており、フルで聞いてみたいと感じるものも多くあった。

二幕はA.B.C-Zの楽曲をメインに、Go!Go!kidsやSpeciaLによるパフォーマンスも加えたメドレーを披露。セットの仕掛けや照明と歌唱やダンスの化学反応でクールに決める「OVERHEAT」、ペンライトを使って客席と一体になって楽しむ「花言葉」、映像を使ったシックで大人な雰囲気で魅せる「Vanilla」など、グループの魅力が詰まった曲が次々に歌われる。

今回はABC座史上最多の59曲ということもあってか、途中で歌詞を飛ばしてしまった塚田が「ごめんなさい!」と謝り、メンバーが笑ってツッコミを入れるハプニングも。緊張感がありつつ、和気あいあいとした雰囲気でゲネプロが進行していた。

さらに、五関がファー付きのローブをまとって玉座で歌い上げる「story of us」、河合がこれまでの映像とともに披露した「君の優しさ vs 僕の愛情」など、それぞれのカラーが出ているソロ曲も挟みながらラストに向けて盛り上げていく。

客席通路や2階席も使ってパフォーマンスを行うため、近い距離で5人の表情や歌声を楽しむことができるのも大きな魅力と言えるだろう。彼らが作り出す『ABC座』の世界とそれぞれの楽曲が持つ魅力に最初から最後までどっぷり浸かって楽しめるはずだ。本作は12月7日(木)より21日(木)まで、帝国劇場にて上演される。

取材・文・撮影=吉田沙奈

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