丸山隆平主演『ハザカイキ』上演決定 三浦大輔3年ぶりの新作、共演に勝地涼、恒松祐里、風間杜夫ら

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2024年3月31日(日)~4月22日(月)まで東京・THEATER MILANO-Za オープニングシリーズのラストを飾る、Bunkamura Production 2024『ハザカイキ』が上演されることが決定した。その後、4月27日(土)~5月6日
(月・休)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演される。

鋭い感性とリアルを追求した演出で、現代の若者の生態と人間の本質を描き、賛否渦巻く衝撃作が代名詞ともいえる三浦大輔。Bunkamura シアターコクーンには、2015 年にブラジルの作家ネルソン・ロドリゲスの代表作『禁断の裸体』の演出で初登場。18年には舞台では実に4 年ぶりとなる書き下ろし作品『そして僕は途方に暮れる』(23 年には映画化)で、妥協をゆるさないリアリズムの追求とエロスや暴力シーンのない新境地を切り開き高い評価を得た。21年の新作『物語なき、この世界。』では、従来の劇的な展開を一切排除し、都合よく物語を昇華させない作劇で多くの観客の心を揺さぶり、新たな手腕を発揮した。ダメ男を描きながら、更生するでもなく、断罪するわけでもなく、その姿を残酷なまでにリアルに描いていく三浦作品。本能的な欲求に対してとんでもない行動をとる、みっともなく情けない姿こそが滑稽で人間らしいと、観劇後に胸に残る。

過去3回のシアターコクーンでの演出経験、映画監督としてのキャリアも積み上げた三浦による3 年ぶり待望の新作は、『ハザカイキ』と題し、“時代の価値観の変容に踊らされる人々”を描きます。芸能界を舞台に、マスコミとタレントという特殊な関係の中、現代に振り回されながら葛藤し続ける人間たちの揺らぎを、三浦独自の視点で浮き彫りにする会話劇だ。リアルで繊細な人物造形と人間関係、湿度と温度を感じさせる会話など三浦の真髄はそのままに、よりシンプルに力強くエンターテインメントに昇華させていく、その手腕に注目が集まる。

主演を務めるのは、アーティストとしてはもちろん、俳優としてもドラマ・映画・舞台で活躍する丸山隆平。2022年にはミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』で性別を超えたドラッグクイーン、『パラダイス』では詐欺グループのリーダーと全く違ったキャラクターを演じ舞台俳優としての新たな一面を披露した。

共演は、ドラマ・映画・舞台で八面六臂の活躍を見せる実力派・勝地涼、近年話題作への出演が相次ぎ今最も注目を集める若手俳優・恒松祐里、ミュージカルからアングラまで幅広い作品に出演する演劇界の重鎮・風間杜夫。さらに、ミュージカル『ヘドウィグ~』で丸山と息の合った演技で作品に厚みをもたらしたさとうほなみ、ピン芸人として活動する九条ジョー、三浦作品には欠かせない米村亮太朗、AKB48 の2 代目総監督を務め21年の卒業後は俳優として活動する横山由依、元宝塚歌劇団トップスターで退団後も多彩な存在感を放つ大空ゆうひと様々なジャンルで活躍する豪華俳優陣が、三浦が創り出す一筋縄ではいかない人間関係の新たな有様を体現する。

あらすじ

芸能記者である菅原裕一(丸山隆平)が担当することになった、国民的人気タレントの橋本香(恒松祐里)と人気アーティスト・加藤勇(九条ジョー)の熱愛疑惑。リークしたのは、香の友人・野口裕子(横山由依)。
香の父・橋本浩二(風間杜夫)は人気俳優であったが、芸能事務所の社長となり、いまは香のマネージャーの田村修(米村亮太朗)とともにマネージメントをしている。香がまだ幼い頃に、不倫をスクープされ芸能界から姿を消した自身の経験を元に、香にはスキャンダルを起こさないよう諭している。勇のマンションから出てきた香を追い、菅原が入ったスナックには浩二と離婚した香の母・智子(大空ゆうひ)がいた。
菅原には同棲している恋人・鈴木里美(さとうほなみ)と、親友・今井伸二(勝地涼)がいる。菅原は里美との生活に安らぎを得、今井と会うときには仕事の愚痴を話したり、ごく普通に過ごし、そんな生活が今後も続くと信じていたが、実は二人は菅原の仕事を快く思ってはいなかった。
ある日勇がとある不祥事で芸能界を追放され、事態が急変する。勇との熱愛をスクープされた香にも芸能人としての存続の危機が訪れる。
そんな中、香は菅原に対面し、ある難題を投げつける……。

三浦大輔コメント

この作品では、芸能界、マスコミという特殊な世界を舞台に、時代に振り回されながら葛藤し続ける人間たちを描きます。昨今、人は自分が犯した罪に対して、本来は謝る対象ではない世の中に向けてその意を伝えなければいけません。得体の知れない“世間”の顔色を常にうかがいながら生きる時代――このテーマ自体は6 年以上前から考え続けてきましたが、いろいろな時期を経て、独自の視点も見つかり、やっと実現化するタイミングがやってきました。ただ構想を思いついた時よりも、ここまで時代にフィットしてしまう展開は、正直、予想外でしたが、これは生である演劇にとって「強み」と捉えています。
タイトルの『ハザカイキ(端境期)』は、物事の入れ替わりの時期を表す言葉です。人間関係において、早急なアップデートが求められる過渡期だからこその新鮮なアングル、新感覚の人間ドラマを浮かび上がらせたい……何かを問題提起する気も、自分の価値観を押し付けるつもりもなく、この「変容」に揺れ動いている人間模様をありのままに描きたい。
作劇/演出としては、肉体的な動きを重視していたこれまでの作風から抜けて、会話劇に重点を置くことになりそうです。対話で浮き彫りになる価値観のズレ、すり合わせ、そこにこそ、まさに今の“人間”が見えてくるはずです。
“問題作”と銘打った本作は、人が人に謝り、人が人を赦すことに関しての物語です。

丸山隆平コメント

一人の人物の心の揺れや動きをこれでもかと生々しく切り取り、人間同士のリアルな関係性を浮かび上がらせ、かつエンターテインメントである――『娼年』、『愛の渦』、『何者』、『そして僕は途方に暮れる』、『物語なき、この世界。』などなど、三浦さんが監督された映画や舞台を、これまで僕は何本も拝見してきました。観客としてそのリアリスティックな世界に驚かされながら、「いつか挑戦してみたい」と願っていた舞台にこうして出演が叶い、身が引き締まる思いです。今回僕が演じる役は “芸能記者”。人間という不安定な生き物がどうこの役に息づいていくのか、そして自分がどう構築していくのかまだ予想もついていません。ですが、大変興味深く、掘り下げ甲斐のある物語になる予感が既にしています。
風間杜夫さん、勝地涼さんをはじめ、初めて舞台でご一緒する方も多く、新しい現場は毎回が入学式のような気持ち。ワクワクとドキドキ、新しいときめきに溢れていますし、座組みを眺めただけでも、演劇見巧者の方も、そして初めて舞台をご覧になる方にとっても、間違いなく見応えのある舞台になる確信があります。お芝居は映像とは違って、観客の皆さん一人ひとりが自分で好きなようにカット割ができる表現でもあります。舞台の上で生きている人間の数だけ人生がどんどん動いていきますので、端から端まで、前のめりで隈なく見つめていただけると嬉しいですね。そんなお客様をお迎えするために僕たちも、新宿歌舞伎町のTHEATER MILANO-Za に、情報量のぎゅっと詰まった濃密な空間をつくり上げたいと思っております。

勝地涼コメント

三浦さんとは、『SOUL TRAIN』(2006年)という映像作品でご一緒して以来です。気づけば約20 年前ですが、当時脚本と監督を手がけられていた三浦さんがある場面の撮影で、モニターを眺めながら密かにニヤニヤしていた表情を鮮烈に覚えています。ごく普通の、なんの変哲もない場面でしたけれど、その顔を見た瞬間……「この人きっと変態だな。すごく好きだな!」と信頼度がアップしたんです。その後も継続していろいろな作品を拝見し、劇場で会えばご挨拶もしていましたし、こうしてやっと舞台でご一緒できることがとても嬉しく、THEATER MILANO-Za という新しい劇場に立てることも幸せで、参加できる喜びを噛み締めています。
丸山隆平さんとは昨年、バラエティ番組で初めてご一緒させていただきました。メンバーの皆さんとお芝居をした際、不思議と「演劇の匂いがするグループだな」と感じたんです。そして丸山さんがこちらの気持ちを瞬時に読み取って反応してくださったことも印象深い出来事で、「いつか舞台でご一緒したい」と思っていたので、願いがこんなに早く叶うとは……と驚いています。そして、とにもかくにも、映像でしか共演したことのない風間杜夫さんと同じ板に立てることに武者震いしております。あの瞬発力、立っているだけで漂う色気、そして狂気。演劇の神様と芝居ができることが、今から楽しみで仕方ありません。座組みには初めてご一緒させていただく方々も多く、新しい刺激をいただけるのではないかと、稽古スタートに今からワクワクしています。
現代性を帯びた三浦さんの作品には、人間のドロッとした部分も出てくるのではないかと予測しています。僕自身もすごく楽しみな最新作、ぜひ劇場でご覧ください。

恒松祐里コメント

リアルな人間の姿を浮き彫りにするような描き方やドキッとするようなセリフ……以前から様々な作品を拝見し、「驚くような感性をお持ちの方だな」と感じていた三浦さんの舞台に参加できることが、とにかく今、とても楽しみです。今回私は「橋本香」という、好感度調査で1位を誇るような“国民的人気タレント”を演じることになりました。彼女は、とあるリークでマスコミのかっこうの餌食となり、執拗なまでに追われることになってしまい――
芸能界やメディアを背景に、その関係性も描き出す舞台と伺っていますが、ここまで自分が普段生きている世界に近い役柄を演じるのは初めてのことですし、「近い」からこその役づくりもできるのではないかと思います。そして、知っている世界だからこそ悩む場面も、おそらく出てくると予測しています。
今回の座組みは“初めまして”の方ばかり。いろいろな作品で拝見している先輩方の演技を、間近で勉強できることにも身が引き締まる思いがします。皆さんとご相談しながら、どんどん深掘りしていくことに、今からとてもドキドキワクワクしています。また今年の夏に舞台『パラサイト』で立たせていただいたばかりの新しい劇場、THEATER MILANO-Za に再び出させていただくことにも、大きな喜びがあります!
三浦さんが描かれる特殊な世界――だからこそ見えてくるさまざまな存り様が、どんな言葉で、どんな状況で、どんな場面で描かれていくのか。
今はまだ想像もつきませんが、早くその世界に飛び込みたい、早く登場人物たちの運命を知りたい!と、期待に胸をふくらませております。どうぞ初日を、楽しみにお待ちください。

風間杜夫コメント

2 年前にシアターコクーンで上演された『物語なき、この世界。』は、三浦さんの作品が持つ独特の語り口にグイグイと魅了されました。なので今回お声がけいただき、「ぜひやらせてください」と即答し、新しい体験に期待が膨らんでいます。今の時代を驚きの手法であぶり出していく三浦さんの作劇術、ドラマツルギーを体感できる稽古場に足を踏み入れることにもワクワクしていますし、彼の演出を受けることも、半分怯えながらも役者として胸躍るものがあります。丸山さんはじめ初顔合わせの方も多く、そこからも大いなるインスピレーションをいただけるでしょう。また、映像作品で親子役を演じたことがある勝地涼くん、8 年前にアリエル・ドーフマンの『死と乙女』でご一緒した大空ゆうひさんと久々にお会いできることも、今からとても楽しみです。
2023 年は、ミュージカルにも出演し、テント芝居にも出ました。その合間を縫ってライフワークである一人芝居で全国を巡り――自分でこんな言い方はおかしいのですが、何にでも好奇心を持ってかじりつきながら、“節操のない”役者人生を送らせていただいております。元々学生演劇からスタートし、舞台が好きでこの世界に入り、役者人生は今年で52 年となりました。年齢を考えるとあと何年このペースで仕事ができるか分かりませんし、人の一生が4 幕ものの芝居だとしたら、もう最後のカーテンコールに向かっている段階じゃないでしょうか。今まで以上に1 本1 本の舞台が大切になる年代に突入した今、冒険心を持って向かえる舞台は貴重です。ありがたさしかありません。ベテランと言われる年齢になってもなお「奮闘」する姿を、ぜひご覧ください。

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