Sexy Zone 東京ドームに響いた最後の「We are Sexy Zone!」、そして次のフェーズへ

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SEXY ZONE LIVE TOUR 2023 Chapter II in DOME
2023.12.25 東京ドーム

Sexy ZoneがSexy Zoneとして行う最後のツアー『SEXY ZONE LIVE TOUR 2023 Chapter II in DOME』には、いろいろな感情が入り混じっていた。最後に思いきり「We are Sexy Zone!」と叫んだ4人と5万5000人。泣いた人も多かっただろうが、その涙は温かかったに違いない。12年間紡いできたSexy ZoneとSexy Lovers(Sexy Zoneファンの呼称)の絆は、新しいフェーズできっとさらに強くなるはずだ。5万5000人の誰も置いていかないライブ、全員に寄り添ってくれるSexy Zone。Sexy Zoneは裏切らない。セクラバたちは、Sexy Zoneを信じてついていける、これまでも、そしてこれからも――それが確信できたライブだった。

昨年に続くSexy Zone2度目のドームツアー『SEXY ZONE LIVE TOUR 2023 Chapter II in DOME』は、福岡が加わり、大阪、東京の3大ドームツアーに拡大され、全7公演で33万5,000人を動員した。メンバー名変更を表明している彼らからも「Sexy Zoneの名前でライブができるのは、このドームツアーが最後」という言葉が何度も出てきたが、デビュー曲「Sexy Zone」を歌ったり、昨年末に卒業したマリウス葉が、5人で作詞をした「timeless」のパフォーマンスに過去映像で参加するなど、Sexy Zone12年の歩みをギュッと濃縮させたライブを見せてくれた。ここでは12月25日、クリスマスの東京ドーム公演をレポートする。

各人がさまざまな分野で活動しているSexy Zone。東京ドーム公演初日に最終回を迎えた菊池風磨主演ドラマ『ゼイチョー ~「払えない」にはワケがある~』主題歌「人生遊戯」でライブは幕開け。「Sexy Zoneって叫べるの、これが最後なんだぞ、叫べ!」と菊池が煽り、会場のボルテージが上がる。「Try This One More Time」では4人が4方向にそびえたち18メートルにまで上昇する“スーパークレーン”でセクラバの目の前へ。その後もバックステージ、外周など広いドームを存分に使い、ノンストップで「RIGHT NEXT TO YOU」までの6曲を勢いよく駆け抜けた。

転換の映像も凝っている。オープニングムービーで対抗組織に追われたSexy Zoneが、ガンバレルーヤのまひるとよしこが働くキャバクラに逃げ込む。責任者を自称する長谷川忍(シソンヌ)に「姿を隠すために、ここで働きたい」と申し出ると、メンバー4人がキャバクラ嬢に変身してコントを展開。結局キャバクラ嬢ではなくボーイとして雇われ、舞台セットがキャバクラに変わるのだが、菊池がバラエティで共演する3人との空気感が心地いい。

メロウな「君にHITOMEBORE」では、シャンパンタワーが登場。シャンパンを注ぐ中島健人の「好きだよマジで」のセリフでは、会場から「キャー」という悲鳴が上がる。菊池のシャンパンコールで始まった「スキすぎて (コールver.)」は、松島聡が「キスしてもいいかな?」、中島が「早く俺のものになれよ」、菊池が「俺にチューせよ」、佐藤勝利が「大好きだよ、お姫様」と胸キュンセリフでセクラバたちのハートを撃ち抜いた。

Sexy Zone

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最新アルバム『Chapter II』収録のメンバーソロ4曲は、前半で兄組の中島と菊池、後半で弟組の佐藤と松島の楽曲を披露。菊池のソロ曲「My World」は、ヒップホップのバチバチなラップ曲。Tシャツを捲って腹チラで煽った後に、メンバーカラー紫一色に囲まれた東京ドームの中央で「I am the king and this is my world」と歌う菊池のキングの風格たるや! そのキング菊池がメインステージに戻り、ワイングラスで乾杯してバトンタッチしたのは、王座に座る王子様・中島。中島のソロ曲「ROSSO」は、大人っぽく、セクシーに。最後は手袋を口で外してワインを飲み干すと、セクシーに唇を拭って会場を沸かせた。佐藤はたくさんの動物の着ぐるみがかわいいダンスを始めると、ライオンの中から登場。絵本のようなファンタジックな演出で「雨に唄えば」を熱唱した。松島のソロ曲「Turbulence」は、「この曲ではペンライトを消して」というお願いもあり、ドームの暗闇の中に白と黒のコントラストが効いた空間が生まれ、その中でダイナミックなダンスを見せた。

MCタイムではクリスマスということで、メンバーそれぞれサンタ帽やカチューシャなどでコスプレ。「イブ、クリスマス、アフタークリスマス、俺たちSexy Zoneが東京ドームを牛耳っています。たくさんのアーティストがいる中、東京ドームに選ばれたのがSexy Zone。そしてそれを見に来ているのがSexy lovers」と言って会場を盛り上げる中島。ファンだけでなく、「昨日は(Snow Man向井)康二と二宮(和也)くんが来てくれて、今日は重岡くん(WEST.)と宮舘くん(Snow Man)、(なにわ男子・藤原)丈一郎が来てくれている」と、仲間たちの見学を報告。中島が、大親友・重岡が「似ている!」とバズっている“道頓堀ダイブ男”のモノマネを披露すると、重岡もそれに併せてリアクションして見せた。さらに「だてさん(宮舘)は俺と菊池が入所して、『Star Time』(Hey! Say! JUMP)を初めて習った先輩だよ」と中島が言うと、「俺らが初めてダンスを習った先輩が、ドームに見に来てくれてるってすごい! しかもお互いドームやらせてもらうようになって、エモい!」と菊池もテンションを上げた。

初の試みとして、第一興商全面サポートによるAIカラオケ採点を導入した演出も行われた。ミディアムバラード「せめて夢の中でだけは君を抱きしめて眠りたい」の生歌唱チャレンジでは、今回は初フォールを出し91.885点をたたき出すが、ツアー中の最高記録の92.919点にわずかに届かずという結果に。

椎名林檎の提供曲「本音と建前」はカジノを舞台に、大人っぽい世界観で魅せた。佐藤が金をバラまき、中島はピアノ、菊池はラップ、松島はダンスと、各人の見せ場のある凝ったイントロで弾みをつけると、アウトロではジャズサウンドをバックにメインステージからバックステージまでの長い花道をレッドカーペットのようにウォーキング。歩くだけでこの空間を成立させてしまう4人が神々しかった。

後半の目玉は、「Forever Gold」に挟まれた初期曲満載のSZメドレーだ。「Forever Gold」の輝いていた青春時代を懐かしみつつも、いくつになっても変わらない情熱の輝きがある……というメッセージ通り、懐かしいシングル曲のほか、カップリング曲や未発表楽曲「ワィワィ Ha ワィ」など10曲をイッキに歌ったが、菊池が「俺たちSexy Zoneを作ったこの曲で盛り上がろうぜ!」と叫んだ「With you」では、中島が「東京ドームのSexy lovers、これがラストSexy Zoneコールだ!」と叫び、5万5,000人のSexy Zoneコールが東京ドームを揺らした。「Forever Gold」のラストで肩を組んだ4人。その後にとったポーズが1stコンサートの映像に重なりデビュー曲「Sexy Zone」へ。ペンライトの光りが振付に合わせてくるくる回り一体感を生み出したが、佐藤の「Sexy Rose」を聞き入るために、一瞬シン静まり返った東京ドームは圧巻だった。

Sexy Zone

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中島健人は、「聖なる夜に俺らSexy Zoneを選んでくれてありがとう。Sexy Zoneという名のもとでステージに立つのも残り限られている中、東京ドームという最高のステージで、僕らとSexy Loversが結ばれているということに心から感謝しています。別のJr.グループにいた5人でSexy Zoneが結成されて、デビューが決まった時は、『どうしてこのメンバーなんだろう?』と10代の自分は葛藤しました。でも、時間と経験とお互いの友情が固まっていって、Sexy Zoneというグループで東京ドームにたどりついちゃいました。僕自身の人生にも、いいことも悪いこともあります。完璧で究極に見えるけれど(笑)。でもSexy Loversがいやなことを忘れさせてくれる。だから、みんなのほうが完璧なアイドルかもしれません。Sexy Loversが大好きです。20代最後のツアー、そして20代最後のクリスマスをみんなに受け取ってもらいました。同時に、20代最後のこの季節をこのメンバーと過ごせてうれしかったです。Sexy Zoneは次なるフェーズに向かいますが、そこでも輝かしい未来、熱い絆やSexy Loversと結ばれた愛情を紡いでいこうと思います。アイドルの神様がいるなら、今日は2つ言わせてください。まず1つは、メリークリスマス。そして最後に、Sexy Thank You Forever」と言って会場を沸かせた。

佐藤勝利は、「去年初めて2大ドームツアーをやらせていただき、今年は3大ドームツアーにステップアップすることができました。ホールから始まって、アリーナや全国ツアーができるようになったけれど、なかなかドームにたどり着けなかった。やっと去年立てて、『掴んだチャンスは離さないぞ』と心に決めて全力で挑みました。今日も、全力で魂をぶつけました。思いは届いているでしょうか? 僕たちにとって、当たり前じゃないこの景色、歓声や拍手の1つひとつに本当に感謝してます。みんなもときには泣きたくなるときもあると思うし、それをこらえて応援してくれていると思います。でも泣きたいときは我慢しなくていい。僕たちがその泣き顔を笑顔に変えていくので! また東京ドームで会えたらなと思います。約束です! メリークリスマス。本日はどうもありがとうございました」と感謝を伝えた。

松島聡は「『Sexy Zoneの松島聡です』と言えるのも、あとわずか。クリスマスという素敵な日に皆さんと会えてうれしかったです。何回見ても飽きない景色。いつも何を話そうか迷うけれど、今日は僕がいつも大事にしている『自分らしさを大事にしてほしい』ということを伝えたいと思いました。普段そばにいるのが当たり前の人に『いつもありがとう』とひとこと言えるだけでも素敵だなと思います。だから、みんなありがとう。素敵なクリスマスをありがとう。大好きです。これからも応援してください」と心を伝えた。

そして菊池風磨は、「Sexy Zoneとしては最後のライブツアーになります。Sexy Zoneと初めて聞かされたときの衝撃は未だに忘れることなく、ある種のトラウマとして心に刻まれています(笑)。ある国では漢字3文字の『性感帯』として名を馳せ、ある少年メンバーは学校に行くのが恥ずかしいと言いいました。そんなSexy Zoneがみんなに支えられて、5万5000人が一堂に会するように。みんなと僕らを繋いでくれているのがSexy Zoneという名ならば、僕は今、 本当に誇りを持ってここに立つことができています。Sexy Zoneとしての自分たちにはどれだけの時間が残されているのかと思いつつ日々を過ごしていますが、こうやって皆さんの前に立つと、ネガティブな気持ちは忘れて、夢のようなひとときを過ごさせてもらっています。永遠なんてきっとないんですけれど、それでも永遠を信じられる、そんな僕たちでいたいなと思います。この12年間の思い出はみんなの胸の中にあります」と想いを伝えた。

それらの言葉の後に「この曲をもって挨拶に変えさせてください」と続いた本編ラストの曲は、マリウス卒業前に5人で作詞をした「timeless」。メインモニターには、昨年のドームツアーのマリウスが映し出され、5人のSexy Zoneの「timeless」に会場も号泣。マリウスのラップパートの映像に見入っていた4人の姿が暖かかった。

アンコールには、2台の巨大フロートで登場し、「Sexy Summerに雪が降る」ではクリスマスプレゼントとばかりにサインボールを客席に投げ入れる。最後を締めた曲が「RUN」というのもまた、Sexy Zoneの次のフェーズに向かう決意のようだった。中島が「今宵、最上級の声出せますか? 俺らのSexy Zoneという名前、叫べますか?」と客席とメンバーたちに問いかけると、「東京ドーム、最後にひとつになれますか? 最上級の愛をこの名前に込めてくれ」と言って、Sexy Zoneが「We are」と呼びかけると5万5000人の「Sexy Zone!」という大きな声が東京ドームに響いた。去り際に中島は、「クリスマスのプレゼントは、俺たちの未来だよ」とささやいた。

​文=坂本ゆかり

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