『古澤巌×山本耕史コンサートツアー DANDYISM BANQUET 2』より (左から)古澤巌、山本耕史
『古澤巌×山本耕史コンサートツアー DANDYISM BANQUET 2』が、2024年1月8日(月)より東京・昭和女子大学人見記念講堂にて開幕した。初日オフィシャルレポートが届いたので紹介する。
古澤巌×山本耕史のダンディな男たちによる新感覚エンターテインメントの第2弾が開幕! プロトタイプの第1弾から進化した「ダンディズム・バンケット」が本格始動
同コンサートツアーは、粋な男たちによる新感覚エンターテインメントステージの第2弾で、2022年9月から開催し全国で大好評を受け、今回新たにパワーアップして行うもの。今回は、山本が脚本・演出を務める。音楽でも芝居でも朗読劇でもコンテンポラリーでもない、古澤、山本に加え、塩谷哲、小沼ようすけ、大儀見元、井上陽介という6人の“年を重ねた男たち”にしか表現できない「ダンディズム・バンケット」という新たなジャンルのエンターテインメントだ。1月8日の東京公演を皮切りに、3月10日(日)の愛知公演まで全15公演を開催予定。
ツアー初日となる東京公演では、案内人の山本が右奥の扉から現れた後、左奥から古澤らメンバーたちが登場。山本の「私たちは今、入って来たように見えましたか? それとも、出て来たように?」とひとつの事象にも視点の違いで全く逆に感じられるという物事の二面性を暗に示唆し、独特の雰囲気を醸成。「Elegy for Piano and Orchestra 第1楽章より」の調べに乗って不思議な世界が幕を開ける。
「せっかくですから一緒に扉を開いてみましょう」という誘い文句をきっかけに「レゲトンコンチェルト」、「Elegy for Piano and Orchestraより第2楽章」と続き、厳かにここでしか体感できないひとつの物語が音楽によって紡がれていく。
続いて、「命は一瞬。反対に永遠だ」と“世界の真理”に触れつつ、山本が「月の姿」を熱唱。美しい太陽とは対極にあり、いつでも見守ってくれているような存在を情感たっぷりに歌い上げ、観客それぞれに「月」を想起させる。山本の優しく温かさすら感じさせる歌声は、ストレートに観客の心に届き、揺さぶり、震わせていく。
また、衣装を変えて「ダンディズム・ミステリー・ツアー」の案内人に扮した山本が「Elegy for Piano and Orchestra 第3楽章より」の調べに乗って、まるでジャングルの案内人のようにステージ上のメンバーという“動物”たちを紹介していく。メンバーが思い思いに奏でる音楽に、観客たちの心もおのずとわくわくと高揚して、思わず笑顔がこぼれる。
第2部では、山本の影ナレによる小噺からスタート。メンバーたちが登場するまでの間、声だけで持ち前の演技力を存分に堪能させてくれる。その後、「Elegy for Piano and Orchestra 第3楽章より」と共に客席側の入り口から登場した山本は、加藤茶の芸で有名な「Tabu(タブー)」にギターで参加。曲の妖艶なイメージをギターの音色を使って全く逆の印象に変えてみせ、物事は全て背中合わせであることを表現する。
「チャップリンメドレー(Smile~Titine~Limelight)」では、喜劇王チャップリンの名作をダンディズム・バンケットならではのアレンジで届ける。音楽だけでなく、山本の披露するパントマイムにも万雷の拍手が降り注いだ。
ほか、山本が映画『グレイテスト・ショーマン』の「From Now On」を情感たっぷりに歌唱。主人公が仲間たちの声を受けて奮起する様子を、メンバーたちの奏でる音楽に乗せて力強く歌い上げる。
最後は、アルゼンチンタンゴの異端児アストロ・ピアソラの隠れた名曲「Fugata」を。ダンディズム・バンケットの持つ燃えるような情熱を客席に届けて、2時間に渡る物語にピリオドを打った。
鳴りやまない拍手に応えるべくメンバーが再登場。アンコールではナット・キング・コールの「L-O-V-E」を披露し、会場を大いに盛り上げてイベントを締めくくった。
終演後、山本は「古澤さんをはじめミュージシャンの方たちがいれば世界がそこで成り立っているということは確信していたので、あとは自分がどういうふうにそこに浮遊できるか、存在を出したり消したりできるかということを、本番でやっと実感することができて、僕はすごく素敵な時間だったと思います」と笑顔で明かし、古澤は「耕史さんがずっと大きなかたちで見守ってくださりながらリハーサルもやりましたし、コンサート屋の僕らも今まで体験したことのない夢の時間でした。新しい世界に一緒に足を踏み入れたみたいな、まさにワンダーランドを作っていただいたような気持ちでいっぱいです」と心境を語った。
また、山本は今後について「これからいろんなところを回るわけですが、それぞれの土地でコンサートホールも変わっていくので、毎回形が変わっていくと思います。そういった意味でも毎回見応えがある作品になると思います! 皆さん、ダンディズムの世界に遊びに来てください」とにやり。一方、古澤も「とにかく只者じゃないミュージシャンたちの集まりですので、とにかくみんなにすごく盛り上げてもらって、僕もしっかりと頑張りたいと思います」と意気込んだ。