パンダドラゴン
パンダドラゴン ライブハウスツアー2023「おもちゃばこ」
2024.1.17 豊洲PIT
かわいいも、かっこいいも、セクシーも、ワイルドも、おもしろいも……全部が詰まった「おもちゃばこ」から、いろんな楽しいを思うがままに取り出して、ヴィーナス・ゼウス(パンダドラゴンのファンの呼称)とたくさん遊んだ思い出といっしょに、また会える日まで、大事に、大切に、しまっていく。
6人組ボーイズアイドルグループ・パンダドラゴンが、2024年1月17日に豊洲PITにて、昨年より行っていた『パンダドラゴン ライブハウスツアー2023「おもちゃばこ」』の追加公演を開催した。超満員の会場で、嬉しいお知らせも盛りだくさん! ステージも、客席も、カラフルな多幸感にあふれたライブの模様をレポートする。
メンバーの名前が入ったブロックや、色とりどりのガーランドや風船、ロボット型のモニターなど、まさに“おもちゃばこ”のようなステージに現れた6人。<おもちゃ箱みたいな 飽きない恋をしよう>というフレーズが開幕にぴったりな「ない♡Night」、「Crack」と、雰囲気の違う2曲を続けて披露。会場に纏うオーラを一気に塗り替えていく彼らに、スタートから期待が高まる。
なるき
いつものメンバー紹介の後、今年の干支である“辰”から「パンダドラゴンの年にしたい!」と盛り上がる会場に、どこからともなく「緊急事態発生」のアナウンス。
暗転した会場でロボット型のモニターに映し出されたのは、“あきらかにやる気のないパンダドラゴン”。素の姿でわちゃわちゃたわむれる6人に、客席からは口々に「かわいい……」が漏れだすも、そんな姿にブラックパンダドラゴンちゃんが激怒! メンバーをおもちゃにしてしまうというのだ。
人間が無機物に変身させられてしまった重大事件に焦る気持ちとは裏腹に、テーマパークを彷彿とさせる音楽にのせてワクワクが膨らんでいく中、グループ名の金刺繍が施され、それぞれが変身させられた恐竜やマリオネットなどのおもちゃをモチーフとした新衣装に身を包んだ6人が登場。新衣装にも、スポットライトに照らされてキャラクターのようにキュートに踊るメンバーにも、“かわいい”の感情が追い付かない。
新衣装をまとってから最初の曲は「NEO TRAVELER」。アップテンポな曲調と、イントロの振りがおもちゃの行進のようで、衣装とぴったりだ。続く「熱血!ドラゴン・ブートキャンプ」は、ライブ序盤とは思えないフルパワー出力。会場のボルテージも、どんどん上がっていく。
ようた
MCでは、ブラックパンダドラゴンちゃんの契約形態やお給料事情が気になってしょうがないメンバー。車のおもちゃになってしまったようたへ「車検とか大変そう……」と言ってみたり、おもちゃになったことに対する不安が「帰りゆりかもめに乗れない」だったり、井戸端会議のようなMCは、おもちゃになってしまっても健在である。
元の姿に戻るため、ノンストップのパフォーマンスがスタート! “かっこいい”と“かわちぃ”で3:3に分かれたユニット曲を披露した後は、大人になる前の淡さや甘酸っぱさの雰囲気がたまらない「キラリペダル」、思わず息をのんでしまうほどメンバー同士が色っぽく接近する「NA・NA・NA」、キャッチーな振付で、客席のペンライトもリズミカルに揺れる「サファリズム DE ね~しょん!!」など、バラエティ豊かな8曲をメドレーでお届け。
曲調によってころころ変わる表情や声色、ダンスの中の些細な仕草など、様々な面から伝わってくる楽曲への解像度の高さ、それに適応するパフォーマンス能力には、あっぱれの一言しか出てこない。この6人にできない曲はないのではないかと思えてくる。
ぱっち
パタパタと飛行機のプロペラが回る音がして、スポットライトに照らされたたいがが颯爽と現れる「L♡S ~ドキッ!?闇夜の愛♡狙撃手~」。一筋縄ではいかない麗しさを携えて、華麗にステージ上を舞い踊るたいが。まるで映画を見ているような、美しくストーリー性のある振付けは、一瞬のまばたきも禁止と言えるだろう。
ブラックパンダドラゴンちゃんの満足度ゲージを100%にするべく、なぎの提案で「ドキドキ!楽曲抽選会」へ。おもちゃばこの中からくじを引いて、そこに書かれた楽曲をそのまま披露する、今回のツアー1部で恒例となった企画だ。メンバーがくじを引くたびに客席からは大きな歓声が上がって、まさにライブでメンバーとファンが共に公演を作り上げている感覚に胸が躍る。
抽選会によって披露された3曲の中で、パンダドラゴンの持つひたむきさとそのまばゆさにひときわ心を打たれた「SPEECH」。同じ場所を見上げて腕を掲げた6人の凛とした後ろ姿。<何度だって行けるから>と、確かな覚悟と希望に満ちたその背中は、とても誇らしい。
あづ
様々な想いを乗せて、3曲を全力で披露した彼らだったが、あまりにもはしゃぎすぎてしまったのか、ブラックパンダドラゴンちゃんがメラメラと炎をあげて大激怒。「もっとも~っと盛り上げてくれないと、一生おもちゃのまま」と告げられてしまった6人、客席も「それでいいの?」と煽られてしまうが、予想外の「いいよ~!!!」の元気なレスポンス。さすが、ヴィーナス・ゼウスの対応力と団結力、そしてノリの良さ! これにはメンバーも思わず笑ってしまっていた。
ただし、やっぱり「帰りゆりかもめに乗れない」と困るので、パフォーマンスを再開。ラストスパートの口火を切るのは、すっかりパンダドラゴンの代表曲の1つとなった「パLIFE!パLIKE!パLOUGH!パLOVE!」。ライブの終盤とは思えない、キレッキレのダンスと全力スマイル、そして全力真顔。振りの中にある“ギャルピース”にはメンバーそれぞれの個性が現れていて、本当に目が足りない。「ダイスキ☆シンドローム」では、客席を愛おしそうに見渡し、手を振ったり、ハートマークを作ったり。ストレートに<ダイスキ!>が伝わる歌詞も相まって、ドキドキしてしまう。
ブラックパンダドラゴンちゃんの満足度ゲージがMAXになるまで、あとちょっと! 今度は客席へ各メンバーへのコールと、パラパラダンスの指令が。きれいに揃った掛け声と、ペンライトの動きがとても鮮やかだ。
たいが
最後の指令は、「みんなの推しの名前を叫んで」。この日一番のボリュームで、ヴィーナス・ゼウスの声が会場にこだまする。メンバーとファン、それぞれの真っすぐで大きな<ダイスキ!>を伝え合って、ハッピーがあふれていく豊洲PIT。こんなに幸せで、キラキラした空間があるなんて。これまで確かに築き上げてきた絆や信頼を目の当たりにして、胸がいっぱいになる。
ファンのパワーを受けてブラックパンダドラゴンちゃんが天使へ昇華すると、ぱっち曰く「ペンライトの色で染まった」メンバーカラーのツアーTシャツで6人が再登場。先ほどのファンからの想いに応えるように、披露したのは「Hop Step xxxx」。<キミがいてくれて たどり着いた場所 その事実だけは変わらないんだ><響きあう高鳴りを 僕がキミに キミが僕にくれるから>と、誇らしげな表情で歌う6人。相思相愛で歩んできたこれまでのページを大切にめくり、さらなるステップへ。見つめる夢の先は、パンダドラゴンも、ヴィーナス・ゼウスも、きっと一緒だ。
パフォーマンスが終わると、4月に発売される新曲、グループ6周年イベント、3月からほぼ毎月豊洲PITで公演を行う「パンダドラゴンカウントダウン」と、怒涛の情報発表が! さらには新曲となる、めだんしが手がけた「じゃぱかわんだほ~」を本公演初披露のアナウンス。客席の歓声を聞いたメンバーも、「待ってヤバい!」「緊張する!」と口々に大騒ぎ。新曲やイベントのお知らせでドキドキとワクワクが充満する会場、ステージに立つ彼らとも、そんな気持ちを共有できていることが嬉しい。
なぎ
ようたの曲振りで曲がスタートすると、一心不乱、高速で首を振り始めるパンダドラゴン。そんな光景に、まず歓声よりもざわめきが響いた会場……あえて言わせてもらうが、この“トンチキ”に思いっきりハンドルを切り、エンジン大ふかしでパフォーマンスできるのが、彼らの大きな武器! JAPANの<すーぱーあいどる>だからこそできる、POPとKAWAIIが存分に散りばめられたパンダドラゴンにぴったりの楽曲は、これからいろんな会場を沸かせていくに違いないだろう。
なるき「今日は本当に、最高で最高で、最高の思い出ができました! 本当にみんなありがとう! 大好きだよー!」
ぱっち「2024年、本当に良いスタートを切れたなと思います! 冒頭でも言ったように、ドラゴン、辰年ということで、今年はパンダドラゴン、昇り龍のように昇れるような一年に、皆さんと一緒にしたいと思います。ぜひよろしくお願いします!」
なぎ「今日はありがとうございました! 皆の声で、めちゃめちゃ僕も盛り上がれたので、今年は皆をもっともっと元気にできるように頑張りたいと思います。ぜひ、僕たちのことを応援してください!」
あづ「今日もとても楽しくて、良い1日になりました!皆さんと、今年も楽しい思い出をたくさん作っていけるように頑張りたいと思います!」
たいが「皆さんのおかげで、最高にハッピーでアゲな思い出ができました! 今年も1年、皆さんにたくさんの愛と笑顔をお届けしてまいりたいと思います。今年もよろしくねー!」
ようた「皆は何が好き~? 僕たちパンダドラゴンは、ヴィーナス・ゼウスが大好きだー! パンダドラゴンに出会ってくれて、本当に本当にありがとう! 2024年も、色んなお知らせもさせてもらいましたし、僕たちパンダドラゴン本当に上を目指して、ひたすらにがむしゃらに進んでいきたいと思います。ぜひ、2024年もパンダドラゴンについてきてください! これからも応援よろしくお願いします!」
パンダドラゴン
ラストは2度目の「パLIFE!パLIKE!パLOUGH!パLOVE!」で最高潮の盛り上がりのまま締めくくり、客席に向けて感謝と今年の抱負を語った。それぞれの言葉には、ファンへの真っすぐな愛と、まだ見ぬ未来への期待と覚悟が詰まっている。
2月にはグループ6周年を迎え、3月からは本人たちも「チャレンジ」と語る豊洲PIT連続公演企画がはじまる。既に「パンダドラゴンの年」となりそうな予感がする2024年、満を持して“KAWAII JAPAN”をアイドルとしてレぺゼンすることを宣言した彼ら。
今回のツアーファイナルは、夢へのステップを着実に踏みしめ、新たなるステージへ向かう6人と、その背中を押すヴィーナス・ゼウスとの絆や信頼、そして約束が見えた公演であったように思う。
さまざまな想いを糧に勢いを増していくパンダドラゴンは、これからどんな景色を見せてくれるだろう。一秒たりとも、目が離せない!
文=川崎葉月
撮影=株式会社DD かまきり