Are Square Maru(Vo)、KAYA(Gt)
[Alexandros] やBIGMAMA、TOTALFATらを輩出したRX-RECORDS/UK.PROJECTから、新人ロックバンド・Are Square(アースクエア)が11月22日(水)、1st EP「We Are Square」をリリースした。Maru(Vo)、KAYA(Gt)、上田カズアキ(Ba)、Hikage(Dr)の4人からなるAre Squareは、2022年4月に東京・八王子で結成。それぞれが音楽的に高いスキルを持ち、YouTubeやSNSでの発信も行って数万人のフォロワーを獲得したり、マキシマム ザ ホルモン 2号店のオーディションの最終選考まで残るなど、全員が実力者揃い。レッチリやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンなどのミクスチャーロックや90’sラップロックに影響を受け、そこにサウンドのベースを置きながら、オルタナやJ-POPといったアプローチを加えて独自の音楽性に昇華させている。EPを再生すると耳に飛び込んでくる衝動的なベーススラップから、一気にのめり込ませる爆発力と牽引力は音源でもすさまじいが、彼らの1番の強みは、セッションによって培われた生のライブ。わずか結成1年半ながら、個々の実力に裏打ちされたキレのある演奏力と壮大なスケールを感じさせる音楽性に、業界から注目が集まっている。今回はMaruとKAYAに、バンド結成の経緯や精神性、EPについて話を聞いた。ファーストインパクト大のAre Squareの音楽に、今触れてほしいと思う。
Maru(Vo)、KAYA(Gt)
「かますべき時が来た」。セッションイベントで出会った4人
ーー皆さんは元々、上田さんが八王子で主催するセッションイベント「ふりぃだむ」で出会ったそうですね。
KAYA:僕と上田くんが幼馴染なんですよ。地元の岡山で物心ついた頃からずっと一緒にいて、5年間ぐらい一緒にバンドをやったりしてて。上田くんが僕より1年ぐらい先に上京して新しくバンドを組んだり、それこそ月イチで「ふりぃだむセッション」というセッション会をやることになって。僕もセッションが大好きだったので、「めっちゃ面白そうだな」と岡山から夜行バスで月イチで八王子に行ってセッションして、その日の夜に岡山に帰る……みたいなことを毎月やっていて。すごく楽しいし、毎月遊びに来るぐらいなら僕も上京して一緒にやろうかなと思って、3〜4ヶ月後に八王子に引っ越したんです。その時、上田くんが組んでいたバンドのドラマーがHikageくん。彼もセッションに個人でも参加してて、3人でずっとセッションしてて。そんな中、MaruがX(旧Twitter)に曲を載せててね。
Maru:大学に入学したタイミングで、地元の友達と音楽ユニットを組んで、オリジナル曲を何曲か作って、その演奏動画をXにあげる活動をちょろっとしたんですけど、その2本目ぐらいの動画を上田が見つけて「一緒にセッションしませんか」と声を掛けてくれて。3人がセッションしているところに僕は途中から参加して、4人でセッションするようになったり、他の人とセッションしていく中で「この4人の形が1番しっくりくるな」と思って、「バンド組もうぜ」という話になりました。
ーーそういう経緯だったんですね。Maruさんのライナーノーツに「半ば強引にメンバーを誘った」とありました。
Maru:誘いましたね。
KAYA:結構強引だった(笑)。
Maru:本当にバンドをやりたかったので、「こいつら良いな」と思って「やろうぜ、やろうぜ」と言ってたんですけど、半年ぐらいは「んー」と(笑)。
KAYA:最初は僕も上田くんもそんなに乗り気じゃなかったんです(笑)。
ーーそれはなぜですか?
KAYA:セッションが好きだったので。「ふりぃだむ」をもっと大きくしたいという気持ちもすごくあったのと、その時期はバンドというよりかは一個人のプレイヤーとしてやっていきたいなと考えていて。でもMaruにずっと誘われながら何回かスタジオに入ってセッションをしていくうちに「楽しいかも。バンド組むの良いかも」と心が変わってきて、組むことになりました。
ーーMaruさんの熱意に。
KAYA:結構やられちゃって(笑)。
Maru:ほだされてね(笑)。
ーーMaruさんが3人を見て「かますべき時を待ってる人たちなんだな」と感じた、というのは?
Maru:八王子のMatch Voxは地下にある小さなライブハウスなんですけど、3人の演奏を見てる時、虎視眈々と狙ってる感じがずっとしていて。俺もそういう気持ちで活動していたので、絶対お互いに同じ志を持って音楽できるだろうなと思ったので誘いました。
ーーセッションイベントを大きくしたいという野心が、Maruさんにも伝わった?
KAYA:そうですね。
ーー時系列的に言うと、Maruさんと皆さんの出会いは2021年秋ですか?
Maru:最初に出会ったのは8月ぐらいで、そこから半年ぐらいセッションを重ねて、年明けの「ふりぃだむ」で実際にバンドセットでライブをやってみたりして、「良いね」となって2022年の4月に結成した感じですね。
ーー割と早いペースで進んでいったんですね。
KAYA:僕たちもやると決めたらガンガンやりたい人たちなので。バンドを組むとなったら「早速曲をいっぱい作ろう」となって。当時、僕は上田くんと同じアパートの上下階で住んでたので、休みの日は2人で部屋にこもって、曲をガッと作って。その時に作ったのが、EPの1曲目の「BANG!!!」なんです。イントロのフレーズはそれこそ「ふりぃだむセッション」の時に上田くんが弾いていたフレーズ。それを動画に残してもらって、そこから「このフレーズカッコ良いな」と曲を広げていきました。
ーー冒頭のスラップは1回聴いただけでやられますね。
KAYA:バキバキですよね。
それぞれの得意分野を出して勝負したい
KAYA(Gt)
ーーKAYAさんは10代の頃から楽曲制作をされていたそうですが、ご自分で歌われてもいたんですか?
KAYA:1人で歌って、たまにライブもしてました。当時僕はなかなか自分の声が好きになれなかったんですね。なので「いつかバンドを組んで、めちゃくちゃ良いボーカルに出会いたい」という気持ちがずっとあって。そしたら八王子でMaruに出会ったんです。
ーーMaruさんのどういうところに惹かれましたか?
KAYA:1番はやっぱり歌声ですね。とにかく自分の好きな声だし、自分が歌ってほしい部分も、絶対こいつだったら表現してくれるなとすごく思って。
Maru:実は歌モノの曲をやったのが、出会ってから結構時間が経ってからなんですよ。セッションの中でメロディで合わせるのがすごく難しいので、最初はラップしかしてなくて。ただ、メロディの曲をやった時に「これバンドでいけんじゃないかな」みたいな空気が流れたのは覚えてますね。
ーーなるほど。Maruさんも作詞をずっとされていたんですよね。
Maru:自分で曲を作って、それを「ふりぃだむ」でやったりしてました。「SMASH」は僕が作った曲をバンド編成でアレンジしています。
ーー先輩バンドの方々からコメントで“古臭くも新しい音楽”と絶賛されていますが、ミクスチャーロックに新しく独自のサウンドを融合させた音楽性は、どのように決まっていったんですか?
Maru:メンバー全員いわゆるミクスチャーロックというか、90年代のラップロックにすごく影響を受けてきたので、そこは根底にありつつも、それぞれの得意分野を出して勝負していこうかなと思ってましたね。
ーー各々が個人で技量を高めてきた人たちだからこそ、という部分はありますか?
KAYA:それぞれに自分の好きなプレイやプレイヤー、バンドがいて、「自分だったらこう叩きたい、こう弾きたい」みたいなのは、結構皆強く持っていますね。僕自身もそうですし。なのでそこをバンドの中でうまくバランスを取って、カッコ良い曲を作りたいという気持ちは、最初からすごく持っていますね。
Maru:KAYAくんは1から100にする全般をすごく担ってくれてて。0から1の設計図を作るのは僕もやるけど、そこからセッションが入って、Are Squareとしての音にする作業はKAYAくんがほとんどやってくれています。
ーー曲作りの過程は?
KAYA:結構色んなやり方をしています。曲によっては最初から最後までセッションで作ったり、逆に最初からDAWの中でデモを作って、完全に完成まで持っていってからスタジオで皆に聞かせて、細かいところを変えていったり。
Maru:「Feel Like Somethin' Wonder」と「BANG!!!」はセッションでできた曲で、「RIDE ON」と「SMASH」、「風の言葉」はデモからしっかり練り込んで、スタジオで合わせることを繰り返した曲ですね。
ステージ上は自分の持っているものしか出せない、偽れない場所
Maru(Vo)
ーーバンドの名の由来は、「We Are Square」というスラングから取られたとか。
Maru:そうです。「We Are Square」の熟語に「対等・平等」という意味があって。ステージ上で鳴らす音や人間性もそうですけど、対等に4つの力がぶつかって自分たちの音楽を表現できればいいなという想いを込めて「Are Square」にして、「We Are Square」を1st EPのタイトルにしました。
ーー4人の関係性を表したバンド名なんですね。
Maru・KAYA:はい、そうですね。
ーーMaruさんのライナーノーツで何度も「偽りのない音と言葉」という言葉が出てきていたのが気になりました。そこはバンドとしても大事にしているところなんですか?
Maru:今回のEPも全曲1発録りなんですけど、ステージ上って自分の持ってるものしか出せないというか、偽れない。隠すことができない場所なので、本当に自分たちの持ってるものだけを出せる曲や音源をすごく意識してます。歌詞も、取り繕ろうとするとステージで歌った時に嘘っぽく聴こえたりするので、正直であるように意識はしてますね。
ーーそれは皆さんの共通認識なんですね。
KAYA:僕たちはライブが大好きなバンドなので。特にライブでしか出せないグルーヴにこだわりがあって。自分たちも常に「前回のライブとはまた違うグルーヴが今回のライブで出るんじゃないか、次回はもっと変わるんじゃないか」とワクワクしてますね。その時その瞬間にしか出せない音は、メンバー全員がすごく大事にしていて、その空気感を感じ取りながら曲の中でアレンジをします。僕はライブでは基本的にギターソロをアドリブで弾くようにしていて。「風の言葉」の最後に結構長いギターソロがあるんですけど、ライブでその時弾きたい音や「この音が欲しい」という瞬間をそのまま表現しています。それがMaruも言っている「偽りのない音」に繋がるのかなと思います。
Maru:憧れたバンドたちが、自分たちの身体から出る音で勝負してるバンドだったのは大きいですね。それを1番のストロングポイントで美しい点だと捉えていました。昔から丸裸でぶつかった方がいいなというのは思っていましたね。
この4人だからこそ成立する曲を作りたい
KAYA(Gt)
ーーEPに収録されている5曲は、1曲1曲が立っている楽曲ばかりですね。
KAYA:今回の5曲は、ライブの中で僕たちにとってすごく力強くて心強い曲を選んでいます。
ーー最初に作ったのはどの曲ですか?
KAYA:1番最初は「SMASH」だったかもしれないです。元々のメロディをMaruがデモで作っていて、バックの音源は電子音でビートが鳴っている曲でした。とにかく「これを何とかバンドサウンドに落とし込まないと」と思って、デモをもらって夜通し作業して作った曲ですね。
Maru:「SMASH」は、大まかな形は、ほぼデモのままなんですよね。俺たちの曲の中では結構珍しいよね。
ーーいつもは練って練って、変化させて作り込むんですか?
Maru:そうですね。だからめちゃくちゃ変わるんです。
KAYA:最終的に180°ジャンルも変わって、そのままボツになる曲も何曲かあります。それも1つのアイデアとして残しておいて、また別の曲で使えば良いかなとは思ってます。
ーー「SMASH」は、サウンドも歌詞もそのままいったと。
Maru:歌詞とメロディを考えた時に、バックもそこに合わせてくれたので、すんなり受け入れられて、そのまま歌えたかな。
KAYA:「SMASH」は、Maruの歌詞がすごく熱い内容だったんですよ。メロディにも若いMaruの衝動が込められてるなと最初に聴いた時に感じて。この熱に負けない、しかも力を添えて、よりMaruの感情を伝えられるようなバックを作りたいなと思って作業しました。
ーー夜通し。
KAYA:夜通し(笑)。
Maru:でも1日でできたもんね。「お願いします」と送ったら、ちょうど24時間後ぐらいに「できたわ」と電話がかかってきて。
KAYA:「とにかく曲を作らないとマズい」という一心でした。
ーー制作に没頭するタイプなんですか?
Maru:俺は4〜5時間やって「また明日やろう」となるんですけど、KAYAくんは誰かが止めないと、ずっと作業し続けて体調を崩しちゃうんですよ。
KAYA:突っ込んじゃうと、もうそこから抜け出せないというか。1日中曲を作ってると、その息抜きも曲作りになったりするんですよ。没頭して作って、ちょっと疲れたなと思ったら、全然違うジャンルの曲を作ってそっちで息抜きして、またさっきの曲に戻る。みたいなことを繰り返してると、ずっと気持ちは楽しいんですけど、身体の方が気付かないうちに疲れてきて。
ーー職人気質なんですね。
Maru:ちょっと病的。
KAYA:息抜きの時に作るのは「表には出すことはないかなあ」みたいな曲ばかりです(笑)。
Maru:怖い曲がいっぱい。
KAYA:逆に「Are Squareの曲じゃないだろ」みたいなポップでファンシーな曲もいっぱい作ってますね。
ーーどうかお身体はご自愛くださいね。個人的には「SMASH」の2サビ前のラップとコーラスが重なる<現状、オイルとエゴは〜>のパートがカッコ良いなと思いました。
Maru:ありがとうございます。あそこはハモリもそうですけど、バックが途中でイントロに帰るんだよね。その構成も面白くて綺麗だなと思うし、ハモリもうまくハマったので。1番のバースのメロディとは違うメロディなんですけど、バックと共にまとめてくれたので、聴きやすくもあり面白くもありというパートになっていると思います。
ーー全曲、各パートの音がちゃんと聴こえてきて、カッコ良くて、まとまってますよね。
Maru:嬉しい。
KAYA:頑張ってます(笑)。バンド名にも繋がるんですけど、この4人だからこそ成立する曲を作ろうと思っていて。全員主役というか「この4人がフレーズを弾くから、このフレーズを叩くから」バランスが成り立って、曲として完成することを考えてます。常に誰かを引き立てるし、誰かに引き立てられてる。その絶妙なバランス感はどの曲でも表現したいですね。
全部出し切って、とにかく今の俺たちを見せよう
Maru(Vo)
ーー「BANG!!!」はAre Squareの代表曲とも言える楽曲ですか?
Maru:そうですね。ライブでも心強いというか「これをやればかませるだろう」という1曲です。
ーー個人的に聴いてほしいポイントはありますか?
KAYA:言ってしまえば全編。最初から最後まですごく聴いてほしいです(笑)。
Maru:俺は2サビの終わりでロングトーンでシャウトするんですけど、そこを聴いてほしいです。割と見落とされがちなんですけど、レコーディングで頑張りました。
ーー5曲を通して、ボーカルの幅広さも感じられますよね。
Maru:元々自分の畑がラウドではなくて、メロディを中心とした畑の出身だったので、今回このバンドでラウド系の強い曲をやるのは自分の中での新しい試みでした。でも良い感じにハマったので良かったですね。
ーーボーカルでチャレンジしたり工夫した部分は、今回のEPではありました?
Maru:そうだな。意外と何も考えずに、ありのままで歌いましたね。それこそまだまだ取り繕ってうまくいくような感じではないので。
ーーまずエネルギーを前に出した感じですか。
Maru:ああ、そうですね。
KAYA:やっぱり1stということもあって、メンバー全員、自分の限界がどれぐらいまでいけるのかというところは、それぞれチャレンジしてるかもしれないです。新しいチャレンジというよりかは「今自分たちはどれくらいできるんだろう」と意識してるかもしれないですね。
Maru:余力を残した美学もあると思うんですけど、今回は本当に全部出し切って詰め込んで、とにかく今の俺たちを見せようという試みでしたね。
大切に紡がれてきた「風の言葉」
KAYA(Gt)
ーー「風の言葉」はKAYAさんが19歳の時に書かれて、Maruさんが19歳の時に初めて聴いた曲ということで、攻めの楽曲の中にこの曲を入れたのは、どんな意図がありましたか?
Maru:全部攻めの中に1曲バラードというのもそうなんですけど、曲の成り立ちがバンドにピッタリだったので。この曲はKAYAくんが19歳の時に作って、ずっと大切にしてきた曲で。
KAYA:僕も1人でライブで歌ったりしてたんですけど、さっきも言いましたけど、自分の声で歌うのがなかなかしっくりこなくて、何回歌っても馴染まなくて。曲が完成した当時から「いつかすごく歌のうまいボーカルが現れて、そいつもこの曲を気に入ってくれたら歌ってもらおう」と思っていたんです。そしたらMaruに出会いました。
Maru:その時、僕が19歳で、そこでリンクして。良い曲だし、自分の中でもすごく腑に落ちたというか、バンドの中でも大切な曲になっていったので、これは絶対に入れようということで。毛色はちょっと違いますけどね。
KAYA:メンバー全員総意で「この曲は入れよう」と言ってくれたので、僕としてもすごく嬉しかったです。
ーー実際Maruさんに歌ってもらって、どう感じましたか?
KAYA:この曲のレコーディングで最後のギターソロを弾いてる時、色々思い出して。Maruが歌ってくれて、当時考えていたことが叶っていることや、幼馴染の上田くんとまたバンドを組んでやれていること、最高のドラマーのHikageと出会って、Hikageも曲を気に入ってくれて、ドラムフレーズをいっぱい考えてくれたこと。そういう過程を思い出しながらギターソロを弾いてると、僕、泣いちゃって。
ーーレコーディングで?
KAYA:そうなんです。広いブースで1人で弾いてたんですけど。
Maru:泣いてた? 知らなかった(笑)。
KAYA:ソロを弾きながら泣いちゃうくらいには感激しましたね。今でも聴くたびに感情がぶわっと思い返されて、我ながらすごく良い曲だなと思っちゃいますね(笑)。自分にとって1番大事な曲なので。
ーー4人のピースがハマって完成した曲なんですね。MaruさんがKAYAさんの想いを歌に乗せる時に意識したことはありますか?
Maru:「風の言葉」の「風」は、KAYAくんの故郷の岡山県新見市大佐町のキーワードみたいになってるんだよね。
KAYA:僕の地元は昔から「風の街」と言われていて、大佐山という大きな山から街に向けて風が吹き抜けるんです。心地良い風がずっと吹いてるような街で、僕は小さい頃から「風の街」という言葉が好きで。大佐山にも「風の聖域」というすごく綺麗な場所があって。「風」という言葉が僕の中で大事なワードになっていって。
Maru:その話をKAYAくんに聞いて、今年の10月頃に実際に大佐に行ったんですよ。風の聖域で「風の言葉」を聴いて、歌詞の意味をより深く理解して、やっぱりこの街から、「風の聖域」から、日本全国に、世界にこの曲を届けたいなという想いが強くなりました。
今回のEPはライブで曲を聴くことで完結する
Maru(Vo)
ーー素敵なお話をありがとうございます。今作はセルフタイトルとも言える作品だと思いますが、改めて完成してどんなお気持ちですか?
Maru:本当に初期衝動を詰め込んだような作品です。まだまだ荒削りな部分も多いですし、自分たちの中で「もっとこうできるだろう」という改善の余地もある。これからもっとカッコ良い作品を作れる自信が、一層湧いてきた1作目ですね。
KAYA:とにかく今のバンドでできることを探りながら作曲をしました。逆に今しかできない表現もあると思っているので、今の自分たちをふんだんに詰め込んだ楽曲になっていますし、自分にとっても大事なEPになっていくのかなと思いますね。
ーー今後のビジョンというか、バンドの理想像はありますか?
Maru:今の日本のロックシーンや音楽シーンの中で、生音で戦ってるバンドや、こういう多ジャンルで戦ってるバンドはトレンドではないので、やっぱり生音の良さというか、ロックバンドの本質的な部分で音楽シーンに風穴を開けられるバンドになりたいです。なのでトレンドに迎合していくというよりは、自分たちの幹をどんどん太くする作業をしていって、より濃密な音楽を届けられたらいいなと思ってます。
ーー最後に、初めてのツアーの意気込みをお願いします。
KAYA:どんどん僕たちの音楽を知ってほしい気持ちがあるので、皆さんにもライブを見ていただいて、僕たちの「瞬間にしか出せない音」をぜひ体感してほしいなと思います。
Maru:今回のEPは、CDを聴いてライブに来て、ライブで曲を聴くことで完結すると思っているので、ぜひライブに来てもらって、EPを完結させていただきたいです。
Are Square Maru(Vo)、KAYA(Gt)
取材・文=久保田瑛理 撮影=ハヤシマコ