福山雅治、ライブフィルム『言霊の幸わう夏 @NIPPON BUDOKAN 2023』のティーチイン開催 新曲「ひとみ」の魅力もPR
福山雅治が、2023年の夏に開催した「言霊の幸わう夏 @NIPPON BUDOKAN 2023」を、自身が監督を務め映画化した初のライブフィルム『FUKUYAMA MASAHARU LIVE FILM 言霊の幸わう夏 @NIPPON BUDOKAN 2023』。公開最終週に「全国で同時に“発声・拍手可能上映”を開催して大団円を迎えたい!」という福山雅治の想いから、2月10日・12日に【発声・拍手可能上映】舞台挨拶を都内映画館で開催した。
上映後の舞台挨拶では、ティーチイン形式で全国のファンから募集した質問に回答。「『少年』がライブの1曲目になることは、最初の構成の段階で、決まっていたのでしょうか? あるいは、映画化することになってから、その演出のために選ばれたのでしょうか」という質問に対して福山は「昨年『ラストマン-全盲の捜査官-』というドラマを撮っていた時期に『声出しライブが解禁になる』という知らせを聞いたことから今回の武道館ライブに派生していった。声出し解禁ライブの一曲目はやはりオーディエンスと共に合唱できる『少年』かなと。かつ同時にライブフィルムの話もありましたので、映画の冒頭が象徴的な『少年』で始まるのは良いなと思った」と語った。
プロジェクトが走り出した当初はライブフィルムに否定的だったという福山。その心境について語る場面も。「最初はライブを映画化する上での明確な意味が見い出せていなかった。模索する中で、この公演を開催するのは8月10日、12日、13日だったこと。日本においては1945年8月6日、8月9日、8月15日は忘れてはいけない時期であること。日本武道館は『全国戦没者追悼式』が行われる場所であること。8月9日の長崎に原爆が投下されたという歴史的背景を持つ場所から出てきたシンガーソングライターである自分自身。そして、特攻隊員を描いた映画作品『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』に提供した『想望』を書き下ろした時期であったことなどが複合的に絡み合っていった。さらに、映画館の大スクリーンと音響空間で観る意味として、カメラワークやDolby Atmosの音響技術もそこに付加していった」と語った。
また、「『想望』と『クスノキ』のみ、歌詞をテロップ出ししていたことに、この2曲に込めた特別な思いを感じました。いつものライブでは全曲歌詞を出している福山さんが、今回の映画ではこの2曲にだけ歌詞を入れた意図をお聞かせ頂けたらうれしいです」という質問について、福山は「制作段階では字幕映画を見るような感覚で、ずっと歌詞が出ていていいかなと思っていたのですが、途中でやはり情報量が多いなと感じて2曲だけにしました。実際のライブでは初めて観に来る方もいらっしゃるので必ず歌詞を出すようにしているのですが、音楽への没入感を楽しんでいただければと」と話した。
続けて「ライブフィルムにおいては映画を“鑑賞”するのではなく映画を“体験”していただきたい。音楽体験というのは不思議なもので、洋楽を聴いて歌詞の意味がわかっていなくとも感動することができる。音楽体験における感動というは、頭の中で文字として認識して、内容を解読して、解釈してという作業よりも、もっと直情的であり本能に近いものだという風に思っている」と語った。
2月19日にデジタル配信されることが決定したカンテレ・フジテレビ系“月10ドラマ”「春になったら」主題歌「ひとみ」についても語った。今回は、先だって公開されたリリックムービーを福山と一緒に映画館の大スクリーンで観る場面も。福山は「本日2月12日より予約購入受付がスタートしています。宣伝です(笑)。フル配信は2月19日にデジタルリリース。その前に2月17日にTOKYO FM「福のラジオ」の方でフル尺をオンエアします」と新曲をPRした。
「ひとみ」の楽曲制作過程について聞かれた福山は「ここ十数年の楽曲制作はきちんと出口を設定してから作るようにしています。今ドラマは3カ月後に結婚する娘と3カ月後にこの世を去る父子の物語。この父子の濃密な人間関係の中から、主題歌のテーマとして何を抽出するか。“濃密な人間関係だからこそ伝えていない言葉”というのがあるのではないかと。本当はすごく大切なことなのに、伝えられていない言葉。自分でも気付かなかった相手に対する本心、などなど。”命の終わり“を迎える父親は、娘である瞳さんの”命の出発点“をもう一度振り返るのではないか?それが「命名」というコンセプトに繋がっていきました」と明かした。さらに「今公開されているのは楽曲のほんの一部で、曲のトータル尺が4分30秒ぐらいかな。恐らく全貌を聴くと皆さんびっくりすると思います」と含ませた。
また、2月12日からは、同曲のダウンロード予約購入キャンペーンがスタート。特典内容には、1995年に実施されたファンの間では“伝説の企画”と称されていた「2626(ふむふむ)」キャンペーンが時を超えて大復活。MCから「1名の方に、復活『2626(ふむふむ)』キャンペーン、福山があなたに直接逢いに行きます!」と紹介されると会場からは歓声が上がった。福山は「ご自宅だと困る方がいらっしゃると思います。たぶん(笑)。当選したけど自宅は止めてほしいという方は、どこか適切な場所をスタッフさんと相談していただければ!」と妄想が膨らむ内容に観客はニッコリ。
あっという間にイベントも終了の時間に。福山は「ライブフィルムは15日まで全国で公開されているので、是非ともおかわりでご覧になっていただきたいです。いま僕がここに立っているのは僕の力だけではありません。最後エンドロールに出てくる方々、本当にたくさんの方々が携わって、やっと一つの作品ができています。僕という人間、表現が成り立つにあたり、様々な人たちが動いています。そういったことに思いを馳せながら、この映画や新しい楽曲「ひとみ」を聴いていただけると幸いです」と名残惜しそうにファンとの幸せな時間を締め括った。