いれいす One Man Live in 日本武道館「Irregular Dice」
いれいす One Man Live in 日本武道館「Irregular Dice」
2024.2.12 日本武道館
“イレギュラーな毎日を、君と”をコンセプトに歌ってみたやオリジナル楽曲、バラエティー動画の投稿、生配信を中心に活動をしている6人組歌い手グループ・いれいすが、2024年2月12日に東京・日本武道館にて『いれいす One Man Live in 日本武道館「Irregular Dice」』と題したワンマン公演を開催。2020年10月の結成当初から掲げていた“日本武道館でライブをする”という夢を、約3年で叶えたのだ。
いれいす One Man Live in 日本武道館「Irregular Dice」
赤・水色・紫・ピンク・青・黄色と6色のダイス型ライトが目を引くステージ。活動軌跡をさかのぼって辿るオープニングムービーがあけ、その上段にりうら、-hotoke-、初兎、ないこ、If、悠佑が横並びで下からリフターで登場した1曲目は、結成日である2020年10月9日にリリースされた初のオリジナル曲「恋の約束」だ。肩に金のエポーレットのついた白衣装に身を包んで美声を重ねるその姿は、プリンス感がありすぎる。<ねえ君が好き><好きだよ>と客席を指さしたり笑顔で手を振ったりする6人に、ペンライトを大きく振って声援を送るオーディエンス。涙がこみ上げる-hotoke-をないこが抱き寄せたりして、どうしたって胸が熱くなる。
いれいす One Man Live in 日本武道館「Irregular Dice」
賑やかな自己紹介曲「推しが見つかる3分ちょい!2023ver」、雄々しいメンバーが頼もしい「推せ推せ!いれいす応援団!」と、大ボリュームのコール&レスポンスで一体感が増し増しになったところで、メンバーそれぞれが挨拶。
りうら「僕たちにとってもみなさんにとっても一生の思い出になるように盛り上げます!」
-hotoke-「最初から泣いてしまったんですけど(照笑)、今日は大好きなみんながいるので楽しんで歌っていきます」
初兎「「BlanchE NeigE」のライブ映像出してから頑張って10kg痩せました。かっこいい姿を見逃さないようにしてください!」
ないこ「僕は1kg増えました(笑)。全方位満席ありがとうございます、みなさんの記憶に残る伝説の1日にします!」
If「約束の場所に来られました! 全身全霊でぶつかっていくので君たちも全力でぶつかってきてください」
悠佑「僕は去年の1月から14kg落としました! そして毎日誰かのバースデーということで毎日誕生日おめでとうポストをしているんですけど、今日は生で言わせてください。誕生日おめでとう!」
「君たちの声がないと次にいけない!」という初兎の呼びかけにオーディエンスが大歓声で応じたのは、「Irregular Quest」。ステージ左右に伸びた花道へとメンバーが進み、オーディエンスのコールが轟いた「言いたいことがあるんだよーーー!!」。6人が順繰り歌声をつなぎ、ステージ中央に集まりぎゅっと肩を組んだ「Brave」。Ifが「おまえらみんな大好きだ!」と叫んだ「恋の方程式」。同時にライブビューイングが行われている全国の映画館にも、その熱は伝わっているはずだ。
いれいす One Man Live in 日本武道館「Irregular Dice」
モノトーンのストリート系衣装に着替えた「Place to be」では難易度の高い歌もダンスも見事にこなして、「Paparazzi」ではMVそのままの演出もありのがっつり挑発モード。「Clutch」では歌もダンスもクールにきめて、「Advance」「Raid of Dice」「ジダンダーナイト」「DOG BOY」「Crazy Dice」「DICE」が連なったメドレーではりうら&悠佑がアクロバット技を披露する場面も。目まぐるしくさまざまな表情で魅せていく6人、表現欲おばけすぎる。
りうらの<君に この声を届けたい>という願い、ファルセットもくもりなく響いた「一等星」。-hotoke-の透明感ある歌声、キュートなダンスが映えた「踊るスカイハート」。初兎が切れ味鋭いラップで“統べる者”の風格を漂わせた「ReinE」。ないこの繊細さや優しさ、温かさがにじみ出た「レグルス」。歌声だけでなく表情や指先にまでIfの意志の強さを感じた「Sky Blue」。悠佑の感情豊かな歌声、ロングトーンが圧巻だった「夜想歌」。ソロ曲で味わうそれぞれの個性に、グループとしての奥行きと深さを再認識させられる。
いれいす One Man Live in 日本武道館「Irregular Dice」
お揃いの黒衣装に着替えてたたみかけたのは、過去6回開催されてきたいれいす総選挙で1位を獲得したメンバーのセンター曲。-hotoke-作詞&センターソング「恋星エトワール」、If作詞&センターソング「Blue Moon」、初兎作詞&センターソング「It’s Showtime」、りうら作詞・作曲&センターソング「ONE」、悠佑作詞&センターソング「逆境STORY」。さらに、<同じ夢を見てた>6人で<君に誓ったあのステージ>に立ったんだ、とあらためて心震えた、ないこ作詞・作曲&センターソング「僕らが導く約束の物語」。最強ナンバーの連打で、高揚感に歯止めが利かない。
「Stage!」「Seventh」をつなげたメドレーからは、武道館ライブのキービジュアルそのまま、ノーブルな金模様をあしらった黒衣装にお召し替え。結成1周年ソング「Celebration」、結成2周年ソング「君のために生まれてきた」、そして日本武道館ライブリード曲「星降るフェアリーテイル」。マントの裾を翻しながら華麗に舞い歌い眩いほどの輝きを放つ6人と、愛を込めてペンライトを振るたくさんのリスナー。お互いに求め合い形作る星座は、息を呑むほどに美しくて誇らしげだった。
いれいす One Man Live in 日本武道館「Irregular Dice」
「ENCORE!!」でスタートしたアンコールでは、再び涙する-hotoke-を初兎がそっと寄り添った「Never & Roll」ののち、あらためてそれぞれがリスナーに感謝と覚悟の言葉を伝えた。
りうら「ただの高校生だった僕が、21歳で特別な場所に立つことができました。ここまでこられたのは、環境、関わってくれた人、応援してくださる方に恵まれたおかげです。歌い手という道を選んで後悔はありません。君は僕の中で変わることのない一等星です!」
いれいす One Man Live in 日本武道館「Irregular Dice」
-hotoke-「2021年6月17日に活動休止を発表して、一時はやめることも考えて。この6人じゃなかったらここまでこられませんでした。そして、出会ってくれて応援してくれるみんながいるから、今ここに立てています。僕は本当に幸せ者です、ありがとう」
いれいす One Man Live in 日本武道館「Irregular Dice」
初兎「苦しい時期も、5人が、支えてくれる人がいたから踏ん張ってここまでこられました。みんなに伝えたいのは、そのままでいいんだよ、弱いことって悪いことじゃないよっていうこと。頼る人がいなかったら、俺たちが頼ってもらえる存在になるから」
いれいす One Man Live in 日本武道館「Irregular Dice」
If「感無量です。サラリーマンが、こんなすごい舞台に立てました。でも、夢を叶えるのは僕たちだけじゃない。心の底から、リスナーひとりひとりに幸せになってほしいし、いろんなことに挑戦してほしい。Win-Winな関係でありたいと思ってます」
いれいす One Man Live in 日本武道館「Irregular Dice」
悠佑「歌で人を救える、そう思って僕はずっと歌ってきました。いれいすに出会って学校に行けるようになった、友達ができた。そういう話を最近よく聞いて、本当に嬉しいです。歌っててよかった、やめなくてよかった。僕はこれからも歌い続けます!」
いれいす One Man Live in 日本武道館「Irregular Dice」
ないこ「もう全人類に言わせてください。俺たちいれいす、不可能な夢を叶えたぞ! つまらない人生を歩んできたけど、いれいすに、君たちに出会って人生変わりました。僕を救ってくれてありがとう。残りの人生も全部捧げるからこれからもついてきてください!」
いれいす One Man Live in 日本武道館「Irregular Dice」
涙が止まらず歌えない-hotoke-を5人が支え、全員で前を向いて歌った「僕らが描いた夢のその先に」。武道館は、ひとつの通過点。この先、まだまだ“夢は無限大”だ。
ダブルアンコールで披露されたのは、この日初公開となった「Irregular Dice」。歌詞の通り、<夢は約束へ そして約束は現実となる>だろう。6人がイレギュラーな毎日を歩み夢を描き続ける限り、胸躍る色彩豊かな世界はどこまでも広がっていく。
いれいす One Man Live in 日本武道館「Irregular Dice」
文=杉江優花