大江裕、デビュー15周年記念コンサートで師匠・北島三郎からの激励に感泣

誠実な人柄で男気があり、デビューから変わらない短髪がトレードマークの演歌歌手・大江裕が2月18日、地元である大阪・岸和田市の南海波切ホールの大ホールにて「大江裕15周年記念コンサート〜愛をありがとう〜」を開催した。

コンサートの幕開けは、大江裕がデビュー前から今日に至るまで師と仰ぐ北島三郎がVTR出演し、会場の皆様への挨拶と大江裕へ「これからも大江裕として恥ずかしくない歌を皆様に届け、お客様にずっと応援していただけるような歌手として成長し続けてほしい」と激励のコメントを寄せた。大江は目頭が熱くなり涙を浮かべながら、袴姿でステージに登場。

前半の歌唱は15周年記念曲第1弾となる「時代の海」でスタート。時代の海は原譲二（北島三郎）が作詞・作曲を手掛けた作品。

続いてデビュー曲「のろま大将」を披露。MCでは、「恐れ入ります、大江裕でございます。帰ってきました。北は北海道、南は沖縄と色々とまわらせていただきましたが、この間は流行り病があった時期もございました。でも、いつも思い出し、一番好きな場所は岸和田です。15年の間で一番印象に残っているのは青森です。青森は以前大雪で飛行機で帰れなくなり、新幹線で戻った時に見た景色、津軽平野の雪景色がとても印象的でしたので、津軽平野を歌わせていただきます」と挨拶し、千昌夫の「津軽平野」、美空ひばりの「りんご追分」「人生一路」のカバーを見事に歌い上げた。

「僕が歌手としてデビューしたきっかけは、おじいちゃんの影響です。88歳ですが、僕が幼い頃から北島先生の歌を教えてくれました。幼稚園の頃、園長先生に言われて皆さんの前で兄弟仁義を歌いました」と、北島三郎の「兄弟仁義」「歩〜山〜川」を歌唱。前半の締めは北島三郎「風雪ながれ旅」を歌唱し、客席から歓声が上がった。

後半は、和装から法被姿に衣装チェンジ。法被は、本コンサートの為に新調したもので白地にカラフルな鳳凰が描かれているデザインで大江の案が取り入れられたオリジナルデザイン。歌唱は2月14日にリリースした「高山の女よ」のカップリング曲「ゆたかの感謝節」からスタート。花柳糸之社中がステージで踊る中、大江自身も舞踊振付家の花柳糸之氏に踊りの稽古を初めてつけてもらったので、歌唱と共に軽やかな踊りをお客様へ初披露した。40キロのダイエットに成功した体型をキープしている大江裕の努力が実ったステージとなった。

途中、中村美津子「河内おとこ節」を歌唱すると、2コーラス目に入る時に中村美津子がサプライズでステージに登場。3番を中村美津子と一緒に歌唱した。

さらに会場内へのお客様に感謝を込めて、北島音楽事務所時代にお世話になった故・小金沢昇司の「ありがとう…感謝」をアレンジした「ありがとう…感謝2024」を歌唱。「実は以前、『岸和田歌謡祭』に出演予定をしていたのですが、体調を崩して出られないことがありました。そんな時に小金沢さんが急遽ピンチヒッターで僕のステージを代わりにつとめてくださいました。本当に今も大好きなお兄さんです」小金沢氏とのエピソードを聴いて、会場内では涙ぐむお客様もいた。

コンサートのクライマックスは、2月14日リリースした最新曲「高山の女よ」を歌唱。日本三大美祭“高山祭”をテーマにした楽曲を堂々と歌い上げた。

「本日、愛をこめてありがとうの歌で締めさせていただきます。いつも僕を支えてくださっているお客様、ありがとうございます」ステージ締めくくりの曲は15周年記念第2弾「城崎しぐれ月」のカップリング曲である「愛をこめてありがとう」を堂々と歌い本編を締めくくった。

鳴りやまないアンコールの声に応えて、大江裕が登場し、北島三郎の「まつり」を歌唱。観客も一緒に「まつりだ！まつりだ！」と大合唱、約2時間半強のステージはあっという間に幕を閉じた。

ステージの幕が完全に閉まるその瞬間まで観客の皆様に手を振り続けた大江裕。メドレーを含む全22曲を歌い上げ、ファンの心に寄り添ったぬくもりのあるコンサートとなった。