ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース『Fu##in’ Up』
ニール・ヤングと55年に亘る盟友クレイジー・ホースの約1年半ぶりのニューアルバム『Fu##in’ Up』が4月26日にリリースされることが決定した。
本作は、2023年11月4日にトロントのクラブ、リヴォリで行なわれたプライベートパーティーに出演した際のライブ音源を収録したもの。この日のライブでニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホースは、1990年発表のアルバム『傷だらけの栄光』(原題:『Ragged Glory』)のほぼ全曲を演奏した。ニール・ヤング自身も一生の思い出と語るこのライブで聴かせてくれる疾走感溢れるクレイジー・ホースとのパフォーマンスは必聴だ。
今も増え続けるニール・ヤングの楽曲群から選ばれたこれら9曲には、ニール・ヤングとクレイジー・ホースが1960年代後半に共演を始めて以来、ずっと続けてきた攻撃的なサウンドが注入されている。それは、ロックンロールの真の可能性を常に捉え続けてきたものであり、その勢いは止まる気配を見せない。『Fu##in' Up』に参加しているクレイジー・ホースのメンバーは、ビリー・タルボット(ベース、ヴォーカル)、ラルフ・モリーナ(ドラムス、ヴォーカル)、マイカ・ネルソン(ギター、ヴォーカル、ピアノ)、ニルス・ロフグレン(ギター、ヴォーカル、ピアノ)とニール・ヤング(ギター、ヴォーカル、ハーモニカ)である。この5人のミュージシャンが繰り出すサウンドは予測不可能であり、バンドにできることの限界を常に上書き修正していることを体現する音の意外性を含み、比類なき力で未来へと邁進する音楽を支えている。
ニール・ヤングは、自分の音楽をいつどういう形でリリースするかに関して、彼の中で確固たるスケジュール表があるという。それを通してファンに音源と共に生きるという個人的な参加方法を提供し、新しいファンを集めると同時に、長年のファンも根強くファミリーの中核をなしている。彼ほど自身とリスナーにとって音楽を何よりも優先するというスタンスで自身の作品と向き合っている現役のアーティストは他にいない。新しい、古いは関係ない。昔も今も、そしてこれからもずっと「今」が大事なのだ。
ニール・ヤング自身はブックレットの中で次ようにコメントしている。
「ここに込められた精神に則り、我々はクレイジー・ホースを愛するファンのためにこの作品を作った。止めることはできない。クレイジー・ホースは走り続ける。なんという疾走感だろう。この雰囲気を壊したくないし、これを分かち合えることをとても嬉しく思う。」
「なぜこれらの古い曲が今もなお、鮮明に生き続けるのか?少なくとも私にとってはそうだ。」
今作に収録されている曲のタイトルは、1曲を除いてアルバム『傷だらけの栄光』に収録されているそれぞれの曲の歌詞から引用されたフレーズが新たにつけられている。アルバムタイトルである『Fu##in’ Up』も『傷だらけの栄光』の収録曲「F*!#in' Up」をなぞらえたものだ。
ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホースは2024年4月24日からアメリカ~カナダ・ツアーを開始する。現時点で2024年7月23日までの日程が発表されている。(2024年3月15日現在)