LACCO TOWERが群馬で主催する地元密着型フェス「I ROCKS」 今年4月の10周年公演の開催を控え地元群馬バンドが集結してその魅力を存分に語る

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I ROCKS 2024 故郷編

I ROCKS 2024 故郷編

群馬県の音楽シーンを盛り上げて来た最重要イベント「I ROCKS」が、今年で開催10周年を迎えた。地元・群馬で絶大な支持を受けるバンド、LACCO TOWERが主催する「I ROCKS」は、県内の若いアーティストの登竜門であり、県外からも多くのビッグネームを集め、地元密着型フェスとして成長を続けて来た。今年の日程は4月5日~7日の3日間、会場はメガネのイタガキ文化ホール伊勢崎(伊勢崎市文化会館)にて。SPICEでは「I ROCKS 2024」を最大限に盛り上げるべく、主催者を代表して塩﨑啓示(LACCO TOWER)と、群馬バンドが大集合する初日の「故郷編」に出演するメンバーを中心に、クロストークを企画。「I ROCKS」への熱い思いをたっぷりと語ってもらった。

――今日は、「I ROCKS 2024」開催を記念して、群馬を代表するバンドのボーカリストに集合してもらいました。まずは自己紹介を兼ねて、最初に「I ROCKS」に出演した時の思い出を聞かせてください。

柿澤秀吉:秀吉の秀吉です。初めて「I ROCKS」に出たのは、初年度なので2014年です。思い出は、ベースの音が出なくなって、とっさに1曲削ったことです(笑)。それを乗り越えて今に至ります。

堀越颯太:KAKASHIの堀越です。僕も最初に出たのは初年度だったんで、2014年ですね。トップバッターをやらせてもらったことが印象深いです。初年度の「故郷編」はLACCO TOWERを含めた群馬バンドだけで10バンドとかで、そのトップバッターだったんですよ。

寺口宜明:覚えてるよ。KAKASHIがリハーサルをやってる時に俺らが会場入りしたんだけど、俺らもホールでやるのは初めてで緊張してて、さらに現場監督が怖すぎて全員萎縮するという(笑)。

塩﨑啓示:ほぼ全員がホールでやるのが初めてで、ライブハウスのPAがそのままPAをやったんだよ。やったことないから、最初のサウンドチェックで20分ぐらいずーっとバスドラを踏んでたら、「おまえらいい加減にしろよ! 何分やってんだよ!」って。

堀越:だから俺らは悪くない。

寺口:ここ絶対使えない(笑)。ちなみにそのPAさん、今はIvyのメインでPAをやってもらってます。

I ROCKS 2024 故郷編

I ROCKS 2024 故郷編

――いきなり面白いんですけども(笑)。寺口さん、自己紹介がまだです。

寺口:Ivy to Fraudulent Gameの寺口です。初年度から出てます。19歳でした。それこそホールでなんてライブしたことないから、メンバー全員シールドが足りなくてアンプまで届かないぞみたいな、そういうところから始まって、今年も出させてもらいます。よろしくお願いします。

アオモリソラト:youthのアオモリソラトです。「I ROCKS」は今年が初出演なんで、まだ思い出はないんですけど、客としては2017、18、19年とかに行ってますね。

塩﨑:一緒に写真撮ったよな。

アオモリ:撮りました。(松川)ケイスケさんと啓示さんと。

堀越:制服で来てたの?

アオモリ:そうです。顧問の先生が連れてってくれて。

堀越:じゃあ俺らも見てるの?

アオモリ:Ivyは見たんですけど、KAKASHIは別日でした。

堀越:やってんね。

寺口:やってんねじゃないよ(笑)。しょうがないじゃん。

アオモリ:って感じです。よろしくお願いします。

アマダシンスケ:FOMAREのベースボーカル、アマダシンスケです。「I ROCKS」に初めて出たのは2016年、YOUステージのトリをやらせてもらいました。初めて出たフェスが「I ROCKS」で、その日発売したデモが50枚ぐらい売れたのが思い出ですね。そこでお客さんがFOMAREに出会ってくれて、そこからたくさん広がって行ったので。

堀越:その時一番強かった曲は?

アマダ:「夕暮れ」です。それがYOUステージのガラス越しに日が暮れるタイミングで、完璧なシチュエーションでした。

金子大伸:The Gentle Flower.ボーカルの金子です。「I ROCKS」初出演は、2020&21年です。

塩﨑:20年はコロナでできなくて、21年に2年分を一気にやったんだよね。

金子:俺らも、その日に出した1曲入りのデモが50枚ぐらい売れたんですけど、俺の中での一番の思い出というか、悔しかったことがあって。そもそもLACCO TOWERとの出会いは俺が17歳の時で、「I ROCKSに出させてください!」って猛アタックして、出演が決まったんですよ。「I ROCKS最年少記録を塗り替えれるぞ」みたいな話になってたんですけど、2020 年はコロナで開催できなくて、実際にステージに立ったのが18歳だったんで。最年少になれなかったのが悔しいっす。

塩崎啓示(LACCO TOWER)

塩崎啓示(LACCO TOWER)

――初年度組から初出演組まで、それぞれに思いを持ったバンドが集いました。塩崎さん、あらためて「I ROCKS」への思いを聞かせてください。

塩﨑:2014年から始まって10年間、たくさんのバンドといろんな場面で出会って、対バンを繰り返した上でお声がけさせてもらってるんですけど、「I ROCKS」はやっぱり地元のバンドを多く出演させたいというか、地元に特化したイベントにしたいというのが根幹にあるので。言葉を選ばずに言うと、群馬のバンドってすごくいいなと思うんですよね、他の県と比べると。今はこうやって仲がいいですけど、それぞれが野心をメラメラ燃やしながらやっていて、なぜかみんな、県外に飛び込むと「群馬から来ました」って絶対言うんですよ。別に言わなくてもいいのに。そこにあるプライドとか、なめられたくない気持ちとか、マインドがすごく近いなと思っていて、そういうバンドたちと一緒にフェスを作るのは、僕の夢の一つでもあったので。「I ROCKS」のストーリーの中では、最初に「故郷編」を始めましたけど、何年か経ってきなくなってしまったことがあって、それが10年経った今、あらためて「故郷編」ができるのがすごく嬉しいです。

――フェスの初日を飾る「故郷編」に出演するのが、今日ここにいるメンバーということですね。群馬バンドによる、群馬バンドのための日。

塩﨑:ライブハウスがなくなったりもしている群馬の事情ですけども、若いバンドもどんどん出てきているし、こういう風にイベントをやれば「一緒にやりたい」と言ってくれる子も多々いて、それが群馬の音楽シーンの活性化に繋がっていけばいいなと思いますね。

――ただ、フェスが大きくなればなるほど、会場運営とかブッキングとか、いろいろ大変なこともあったんじゃないかと思いますけれども。

塩﨑:それはやっぱりありますよ。まずは地元バンドから考えるんですけど、線引きが難しくて、どうしても呼びたいバンドだらけになっちゃう。でもやっぱり新しいところは毎年絶対入れたいし、youthも今年初めてですけど、まだまだいるんですよね。だから去年から後夜祭を始めて、枠があれば呼びたかった群馬バンドに出てもらっているんですけど。I ROCKS BASE(*伊勢崎市文化会館内)で。

アオモリ:去年は俺が出ました。

金子:俺らも後夜祭でした。

堀越:呼びたいバンドは他にもたくさんいると。

塩﨑:そうだね。いっぱいいるよ。

堀越:俺らも「灯火祭」というイベントをやってたんですけど、正直、同世代のバンドが減りすぎて、呼べるバンドがいなくなったっていうのがあるんですよ。呼ぼうと思えば呼べるバンドはいても、呼びたいと思うバンドがいなくなっちゃった。

塩﨑:これはぜひとも記事にしてほしいのは、KAKASHIは「灯火祭」をやっていて、FOMAREもイベントをやっていて。

アマダ:そうですね。「FOMARE大陸」っていう。

塩﨑:それぞれ色があるんですよ。群馬には山(山人音楽祭)もあるし、陸(FOMARE大陸)もあるし、火(灯火祭)もあるし、愛(I ROCKSやaisuru.FES)もある。

柿澤:なんでもあるね。

アオモリ:ないのは海だけ(笑)。

堀越颯太(KAKASHI)

堀越颯太(KAKASHI)

寺口宜明(Ivy to Fraudulent Game)

寺口宜明(Ivy to Fraudulent Game)

――うまい(笑)。やっぱり10年続けてきたモチベーションとかエネルギー源は、そういうところにありますか。群馬のいいバンドを紹介したいという。

塩﨑:そうですね。仲間うちからエネルギーをもらってる気がします。毎日のように会ってるわけでもなくて、それこそ大事なライブを見に行ったりとか、新曲が出たらチェックするとか、そういうレベルですけど、本人の人柄とかも踏まえて、選んだ道を確かめながら、「ああ、こう行くんだ」とか、だとしたら「こういう言葉をかけたいな」とか、いろいろ考えちゃいますね。それも一つの理由になって、「I ROCKS」がコロナで開催できなくなった時に、配信できるような設備を整えて、I ROCKS BASEという基地を作ったんですよ。それが地元の伊勢崎にできて、去年から「I ROCKS [BASE編]」という名前をつけたイベントにして、今ここにいる全員が出てくれたんですよね。

堀越:あそこ、いいよね。

アオモリ:楽しかったです。

塩﨑:50席しかない狭いアコースティック小屋ですけど、地方のライブハウスで対バンするのとはまた違って、すごくいいんですよ。空気感が。

堀越:「I ROCKS」本編でBASEは使わないんですか。

塩﨑:去年はあそこで公開収録をやったんだけど、人が入れなすぎるから、今回はもう少し大きいところでやる。ただ、あそこまで会館全館を自由に使えるのって、なかなかないじゃない?

寺口:びっくりしましたよ。だって文化会館って行政のものじゃないですか。そんなものまで変えてしまうんですよ、LACCO TOWERは。群馬県を牛耳ってますよ。

堀越:今、伊勢崎市のイセカ(電子地域通貨)の音、LACCO TOWERがやってるんですよ。

塩﨑:この間記者会見をやったんだけど、イセカの決済音を去年からやらせてもらってて、旋律が流れて、ケイスケの声が入ってるんだけど、3月1日に発表したのが伊勢崎市のテーマソング。イセカの旋律がそのままイントロになってる。

寺口:やってることがウォルト・ディズニーですよ。

柿澤:いやあ、いいことですよね。

塩﨑:俺が小学生の頃、昼休みとか学校の放課後に「歩いてみたい」っていう市民歌がかかってたから、幅広い世代で未だにみんな歌えるのよ。そうなれたらいいなと。

堀越:イセカって市外の人もゲットできるの?

塩﨑:できる。使える場所もどんどん増えていってるから、普通にコンビニでも使える。

堀越:それって県外の…。

塩﨑:イセカにすごい食いつくね(笑)。

堀越:持ってないから。決済音を聞いたことがないんですよ。ケイスケさんがなんて言ってるのかな?って。

塩﨑:普通にメロディが流れて、ありがとうバージョンとか、メリークリスマスバージョンとか、あけましておめでとうバージョンとか、シーズンごとに変わるの。

堀越:でもすごいですよね。

アオモリ:そのうちPayPayの声もケイスケさんの声になってほしいです。ペイペイ!って。

柿澤秀吉(秀吉)

柿澤秀吉(秀吉)

アマダシンスケ(FOMARE)

アマダシンスケ(FOMARE)

――話を戻して。ファン目線でも出演者目線でもいいんですけど、「I ROCKS」って、群馬バンドにとってどういう場所だったりしますか。

寺口:「I ROCKS」はものすごい人間味があるんですよ。会場全体に漂っている空気とか、バンドの雰囲気もそうですし、あそこまであったかい、血の通った感じのフェスはあんまり僕は経験したことないので、そこがいいんですよね。

堀越:キッチンカーもいいよね。去年、大大坊(だいだらぼう/ラーメン店)が出てましたけど、今年も出るんですか。

塩﨑:もちろん。

堀越:「I ROCKS」は群馬のお店を集めていて、毎年違う店があったりするんで。俺は今群馬県民じゃないから、行ったことないんですよ。だから「I ROCKS」に行くと大大坊が食えるぞ、みたいな。

塩﨑:だいたい集まってるもんね、おいしい店が。

堀越:そうなんですよ。だから一石二鳥。

秀吉:ノブ(寺口)が言ったように、血が通ってるのは感じていて、すごい手作りなんですよね。どこかの会社が間に入ってとかじゃなくて、「I ROCKS」はLACCO TOWERのメンバーの会社だから、その手作り感がすごくて、でも手作りでやる規模じゃないというか。今はいろんな行政が関わったフェスもあるけど、行政にさえ愛を感じるというか、文化会館を自由に使っていいよみたいな、そんなことはなかなかないから。それはお客さんにも絶対伝わってるし、すごい貴重なフェスだなと思います。

金子:出演者にあてて、LACCO TOWERのメンバー直筆のメッセージカードみたいなのが楽屋に置いてあって。俺らが最初に出た時は啓示さんからだったんですけど、噂によるといろんなメンバーが書いてるっぽくて、そのカードをIvyとかKAKASHIがインスタとかに上げてるから、存在を知ってたんですよ。それで実際に行って、「うわー、本当にもらえた!」みたいな(笑)。僕らが最初出た時は、Iステージしかない年で、Iステージのトップバッターをやったんですけど、もちろん気合い入れて行くんですけど、そのカードをもらってさらに「よし!」みたいな感じになるというか、背筋が伸びるというか。

寺口:それはあるね。俺らもある。

金子:だから、今年も楽しみにしてます。

塩﨑:それ(メッセージカード)は、いつから書いてたんだっけ。

寺口:最初からですよ。

金子:それを自分らが企画やる時にパクって…いや、参考にして(笑)。こじゃれた紙を作って、メッセージを書いたりして、2回くらいやったんですけど続かなかったです。それを10年も、ものすごい数のアーティストに書いてるのは本当にすごいです。

塩﨑:当時は、全部DIYにこだわってたんで、ご飯も手作りだったんですよ。手作りのお弁当と、出演バンドのメンバーにあらかじめTシャツのサイズを聞いて、「これは誰々用」みたいな感じで用意して、メッセージを添えて、スタッフパスがあって、みたいな、アメニティセットみたいなものを机にドンと置いて、それがおもてなしの一つだったんですよね。今も一応やっていて、ちゃんとしたお弁当は別にあるんですけど、楽屋に見城食堂っていうのがあって、カレーとかいろいろあったりして、食べたい人は暖簾をくぐって来てもらえば食べられる。

アオモリ:そうなんですか? 喰いてぇー。

アマダ:さっきもちょっと話したんですけど、「I ROCKS」はFOMAREが初めて出たフェスと言っても過言ではなくて、初めて音源を作って、デモを売った場所もI ROCKSだった気がしていて。メンバーが物販で売ってた時に、並んで買ってくれた「I ROCKS」のファンとか、LACCO TOWERのお客さんたちに、「あの時から今までずっとありがとうございます」っていう、ちょっとした恩返しじゃないですけど、昔からのFOMAREを知ってくれてる人たちに、リアルタイムのFOMAREを返せる場所が、俺にとっては「I ROCKS」だし、そういう存在がLACCO TOWERだし。俺ら以外にもたぶん、初めて出たフェスが「I ROCKS」という人たちは絶対いると思うし、みんなYOUステージから始まって、Iステージに出たりとか、そういうドラマがそのバンドごとに絶対あると思うんですよね。そういうバンドごとの気合だったりとか、「I ROCKS」じゃないと見れないライブが絶対あると思うので、お客さんはそういうところを楽しんでほしいです。個人的には、そういう人たち何かを返せる場所が「I ROCKS」だと思ってます。

堀越:しんぽん(アマダ)も伊勢崎出身だもんね。

アマダ:そうなんですよ。「I ROCKS」の会場に歩いて行けます。

塩﨑:だから普通に伊勢崎で飲むことが多い。

寺口:呼んでくださいよ。楽しそう。

アオモリ:俺は出たことないんで、どうしてもお客さん目線になっちゃうんでけど、すごい自由な感じがしますね。他のフェスとかだと、まるでガイドラインが設けられているかのように、お客さんがみんな同じ動きをしてる気がするけど、「I ROCKS」はおのおのの楽しみ方をしてるというか。会場を一歩外に出ると、結構な頻度でちっちゃい子が走り回ってたりするんですよ。その光景が見られるフェスって、あんまり経験がないし、お客さんも普段はフェスに行かなそうな人とかもけっこういるし、俺もそれこそ制服で見に行ってたし、多種多様な楽しみ方が見られるという気がしますね。

寺口:弱点ないじゃん。

堀越:弱点探さなくてもいいでしょ(笑)。

塩﨑:でもね、10年前はそれこそ真っ黒のポスターで、ロックを訴えてたんだよ。若い奴だけ、ロック好きな奴だけ来い、汗だくでかかって来い、みたいな感じで始まってたの。

寺口:それで、秀吉さんの出番の時にせいちゃんが…せいちゃんっていう伝説の男がいるんですけど、ちょうど秀吉の出番の時に、ホールの座席の上をぴょんぴょんジャンプしながら、縦横無尽に走り回るという伝説のエピソードがあったんですけど。そういう色でしたよね、最初の頃の「I ROCKS」は。

堀越:それは特殊だよ(笑)。あいつだけ。

寺口:めっちゃ怒られてましたよね。

堀越:何がしたいの?(笑)。

塩﨑:でもね、フェスはどんどん進化していくものだと思っていて、さっき言いかけたけど、黒いポスターから白いポスターに変わるタイミングっていうのがあったの。自分たちが40歳手前ぐらいの時かな、地元で恩返しをしたい気持ちでやってるのに、「なかなか行きづらいんだよな」って同級生に言われたんですよ。「なんで?」って聞いたら、「怖いイメージがある」って。ちょうどLACCO TOWERが「ドラゴンボール」の曲をやってたんで、「うちの子もめっちゃ好きだけど怖くて行けない」って言われた時に、ライブハウスすら行ったことがない子たちが来れるようにしたいなと思ったんですよね。俺も友達を呼びたいし、その子供にも来てほしいから、そういう座組に組み直そうというので、一新したんですよ。

金子大伸(The Gentle Flower.)

金子大伸(The Gentle Flower.)

アオモリソラト(youth)

アオモリソラト(youth)

――ああー。そんなきっかけが。

塩﨑:ちょうどザスパクサツ群馬のテーマソングをやらせてもらった時期でもあったんで、子供たちが遊んでいるのを、ザスパのスタジアムで見習ったんですよ。キックターゲットとか、いろいろやってるじゃない? あと、群馬のゆるキャラなめじろうに来てもらったり。あのアウトローな感じがたまらない(笑)。

寺口:わかりますよ。

塩﨑:誰だ君は?みたいな奴を呼んでみようと思って、なめじろうを呼んだらめっちゃ盛り上がっちゃって、今となっては毎年来てくれてるし。今年はさらに伊勢崎のゆるキャラ、桑畑で生まれた妖精の男の子「くわまる」も来てくれます(笑)。そうやって、子供たちが来れるように変えてからは、やっぱり雰囲気も変わってきたし。

金子:あと、「LIVING」(*会場内、入口すぐの特設ステージ)ってあるじゃないですか。普通にメンバーの楽器とか置いてあるスペースがあって、あれはヤバイなと思いました。

アオモリ:うちのメンバーは(細川)大介さんの服を着てましたからね。メンバーの衣装が展示してあって、勝手に着てベース弾いてました。

塩﨑:その「LIVING」というのも、家みたいなあったかい空間にしてお出迎えしたいという意味で、「入口を入ってすぐにリビングがあったら面白いんじゃない?」と言って作ったんですよ、去年から。ちょっとしたステージっぽくして、テーブルがあって、みんなの私物や楽器が置いてあったり、バンドスコアや服があったりしたんですけど、今年はもうちょっと進化させよういう話をしていて。初日はこの4人(アマダ、柿澤、寺口、堀越)にソロで来てもらって、LACCO TOWERと一緒にコラボしたいなと思っていて、それが終わってからYOUステージで、The Gentle Flower.とyouthと、今日は来てないですけどoldflameの3組がライブをやるという流れですね。マジでオール群馬です。

寺口:ほんとだ。

塩﨑:今日来れなかったoldflameはもちろん気合たっぷりなんですけど、群馬出身なのに今日ハブられちゃったのがガッツいわせ(群馬県住みます芸人)で(笑)。DJガッツいわせwithスベリィ・マーキュリーっていうのが土曜日に出演するんですけど、ガッツいわせは初年度以外はほぼ皆勤なんですね。「別にハブいたわけじゃないからごめんね」ってメールしたら、すげぇ長文のメッセージが返ってきたので、できれば載せてあげてください。

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DJガッツいわせからのメッセージ:

I ROCKSを第一回目から見てた人間は皆、故郷編が10年続いたI ROCKSの原点であり核だって知ってます。今年LACCO TOWERが高校生に音楽教室を開催したように、故郷編に向けた種蒔きがずっと行われてきて、今回故郷編が満を持して復活したのはとても嬉しいし3日間で一番盛り上がった日になってほしいと思ってます!

ただ今年は僕らが2日目に配置された以上絶対負けたくないって気持ちもあります!

特に運動量ではNo.1でありたいです!一番盛り上がってほしくて、一番負けたくない初日故郷編ですけども、本当は混ざりたい!笑

色々な感情が湧き起こってるのが初日故郷編なので、とにかく注目度がハンパじゃないっす!ってことは言っておきたいです!
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アマダ:ラジオ体操、すげぇ盛り上がりますよね。いないと寂しくないですか、あの人。

堀越:ネタとかそういうんじゃなくて、アツいんだよな、ちゃんと。感動する。

塩﨑:最初は賛否両論だったの。人の曲をかけるだけのDJを入れるなら、その枠にバンドを出したほうがいいんじゃないですか?みたいな。それは確かにそうなんだけど、でも、めっちゃ愛が強いんですよ。

堀越:俺、去年泣いたもん。ガッツいわせのステージで。

塩﨑:FOMAREに届け!って、FOMAREの「愛する人」をやって。動画送ったよね。

アマダ:見ました。めちゃ嬉しくて、速攻打ち上げに行きました。ガッツさんいなかったけど(笑)。

塩﨑:ちょっと特別な枠ですけど、自分の役目をわかってる奴で、かける選曲プラス思いとかをSNSで発したりとか、今回もこういう長文を送って来るし、そういう意味では「I ROCKS」には欠かせない男ですね。初日は出ないけど、3日間来てくれて、土日はラジオ体操っていうのがあって、「長丁場だから体ほぐしていこうぜ」っていうのもあって。

寺口宜明(Ivy to Fraudulent Game) / 堀越颯太(KAKASHI) / 柿澤秀吉(秀吉) / 塩崎啓示(LACCO TOWER)

寺口宜明(Ivy to Fraudulent Game) / 堀越颯太(KAKASHI) / 柿澤秀吉(秀吉) / 塩崎啓示(LACCO TOWER)

金子大伸(The Gentle Flower.) / アマダシンスケ(FOMARE) / アオモリソラト(youth)

金子大伸(The Gentle Flower.) / アマダシンスケ(FOMARE) / アオモリソラト(youth)

――オール群馬でがっちりスクラムを組んだ上に成り立っているのが、「I ROCKS」の強さだし、10年続いてさらに成長している理由だと思います。最後に一言ずつ、来てくれるオーディエンスにお誘いの言葉をもらえますか。

金子:初日は群馬バンドが始めますからね。

アオモリ:俺です。

金子:youthがトップバッターですから、絶対面白くなると思います。「I ROCKS」の醍醐味って、他のフェスよりもリレー感が半端ないというか、トップバッターからYOUステージ、Iステージにだーっと繋がって、最後のLACCO TOWERまでのバトンの渡しあいっこが半端ない感じがしてて。その最初の日を群馬バンドだけで作れるんで、頑張りますので楽しみに来てください。

堀越:「I ROCKS」は対バンが優しいよね。会ったことない、LACCO TOWER世代の先輩バンドたちと「I ROCKS」で初めて会うパターンが多いんですけど、みんな超優しい。

金子:僕も「I ROCKS」でそれを知りました。変な話、売れてるバンドってスタッフがめっちゃ多くて、怖いなとか思ってたんですよ。THE BACK HORNとか、もう弁当の量が桁違いすぎて。

寺口:400個ぐらいあったよな。

塩﨑:そんなにねぇよ(笑)。

金子:机の上にすごい量の弁当が並んでて、すごい集団だと思ったんですけど、挨拶したらめちゃくちゃいい人たちでした。

堀越:楽屋でギスギスしないというか、変な緊張をしないでいられる安心感がある。ぬるいと言えばぬるいのかもしれないけど、「I ROCKS」だから優しいのかなとか、ちょっと思っちゃったりする時もある。

柿澤:10年目なんで、10年間ずっと…あ、でも1年出れなかったか。

塩﨑:back numberのツアーの助っ人でギター弾いてたからね。メンバーからも詫びの連絡きたよ(笑)。

柿澤:でも毎年呼んでもらえてるという感謝もあるので、僕の中ではここがホームぐらいの気持ちでいるので、「みんな帰っておいで。楽しもうや」と言いたいです。だから、トラブルがあっても楽しむんです。「ロックを楽しもう!」っていう感じです。

寺口:さっき、背筋が伸びるような感じって言っていて、俺も10年やってて毎年そうなんですけど。「I ROCKS」を思ってのライブをするんですけど、10年目で、それが逆にどうなのかな?というふうに思い始めてきてて。「I ROCKS」を意識したライブじゃなくて、あまり考えずに、いい意味で壊していくようなものを俺は考えていますね。

堀越:去年、そんなようなこと言ってたよね。「大切すぎてなんも言えなかったわ」とか。

寺口:うん。リスペクトが強すぎるからこそ、そこを壊さなきゃいけない部分があるのかもしれないなって、俺は思ってて。今年はそういうことを意識して、いい意味で壊していきたいなって、Ivy to Fraudulent Gameとしては思ってますね。

塩﨑:俺はもう、普通の見方ができていないとは思うんすけど、マジで「I ROCKS」で見るライブ最強説あるんですね。みんな、普段より全然良くない?みたいな。お客さんも「来い来い!」っていう空気感があるし。

金子:普段はゼロから気合いを入れるスタイルが、「I ROCKS」は最初から3ぐらいまで入ってるから。そこからのスタートだから、もっと上まで行けるのかもしれない。

アマダ:今年は僕ら、初めてIステージのトリ前に出させてもらうんですよ。(群馬)音楽センターでやってた頃も、YOUステージしか出たことなくて、今の会場になって、2年前にあらためて呼んでもらった時には、トリの前の前ぐらいで。今僕ら、ツアーを回っているんですけど、LACCO TOWERが初日の前橋ダイバーに出てくれて、半端じゃない最高のバトンをくれて、そのバトンをちゃんと「I ROCKS」で返したい気持ちがあるんで。

塩﨑:だから出ようと思ったんだよ。FOMAREにとって大事にツアーになることがわかってたから。しかも俺らとかG-FREAK FACTORYとか、先輩バンドと一緒にやるだけじゃなくて、youthを連れて行ったりとか、変な話、全国的にはまだ無名のバンドをツアーに連れて行くという精神も好きだし、何かを背負っている感じが見えたんで。で、「I ROCKS」では俺らがバトンをもらって、それが終わってからツアーファイナルだもんね。

アマダ:そうです。

塩﨑:本当にいいバトンの渡しあいができてると思うよ。

――今日は長い時間ありがとうございました。楽しい、そして深い話が聞けました。

寺口:4割ぐらい、マジで群馬県民しかわかんなかったんじゃないですか(笑)。大大坊とか。

塩﨑:今日来れなかったガッツいわせとoldflameについても、できれば触れてあげてください。急遽だったのに、今日はみんなスケジュールを合わせてくれてありがとうございます。

寺口:いやいや。イセカとか伊勢崎市のテーマソングとか、LACCO TOWERの力がよくわかりましたよ。啓示さん、将来伊勢崎市長とかになってるんじゃない?

塩﨑:いやー、自由に何でもできるんだったらやりますよ(笑)。

取材・文=宮本英夫 撮影=ヨシモリユウナ

I ROCKS 2024 故郷編

I ROCKS 2024 故郷編

 

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