のん、ワンマン「SPRING SESSION – 春よ受けて立つ!!! -」で完全新曲をサプライズ披露

3月28日東京・渋谷Spotify O-WESTにて、のんが春のワンマンライブ「SPRING SESSION -春よ受けて立つ!!!-」を開催した。この日ののんは真っ赤なシースルートップスにパンキッシュなアシンメトリースカート。ポップなグリーンのタータンチェックが、ステージに降り立ったのんを彩る。

1曲目「この日々よ歌になれ」から、ハンドマイク片手に吠えるのん。夕暮れより雨模様となった渋谷へ駆けつけたオーディエンスが呼応し、のんと共に力強く拳を振り上げる。曲終わり、「最近本当に色々あってビックリすんだけどさ、それでも私たちは、春を受けて立つんだ！」と堂々の開幕宣言をした。パンクなハードチューンからロックアレンジの「ナマイキにスカート」が続くとO-WESTは熱気でいっぱいとなった。

MCでは「ここに来たってことはみんな、春を受けて立つ準備が出来てるんだよね？」とオーディエンスに問いかけ、コールアンドレスポンス。オールドロックな「Oh! Oh! Oh!」で昨年公開のミュージックビデオでも披露したサビの振り付けも客席みんなでバッチリ決まった。和やかな空気は束の間、バンドマスター・ひぐちけいの軽快で芯の通ったギターにつられ、のんもシンボルの真っ赤なテレキャスターを装備。ハイスピードロックなセットリストを畳み掛ける。骨太なナガシマタカトのドラム、地を這うなかむらしょーこのベースと、うねり上がるバンドの音がのんのボーカルを後押し。

PURSUEツアーから定番となった「むしゃくしゃ」間奏での寸劇が繰り広げられ笑いが巻き起こる。リラックスムードに訪れた静寂の間に、のんがギターを交換。ひぐちけいとのツインギターで始まるのは、のんが脚本・監督・主演を手がけた映画『Ribbon』のインスパイア曲「鮮やかな日々」だ。先ほどまでの激しいナンバーに力いっぱい拳を振り上げ手拍子やコールで応え続けたオーディエンスを労わるような優しく美しい旋律でO-WESTを包んでいく。

「東京のライブでスタンディングって久しぶりだよね。ここからはゆったりした曲が続くから、いつもなら座って…って言うけど今日は立ったまま聴いてください」とイタズラに笑うのん。挟んだMC通りチルなナンバーが続き、2ndアルバム「PURSUE」の代表的な楽曲の一つ「荒野に立つ」のイントロが流れた瞬間、客席からはワッと歓声があがったがのんがハンドマイクを構えると一瞬にして静まり返る。スポットライトが激情を歌うのんを照らし、繊細で重厚なバンドメロディがその背中を後押しすると、ステージを食い入るように見つめたまま涙を浮かべるファンの姿もあった。

その後ノスタルジックで温かなナンバーを挟むと、のんのライブでは定番のカバーとなった「タイムマシンにおねがい」では、のんに代わってオーディエンスが大合唱する一幕が。「Beautiful Stars」「やまないガール」とのんの生き様が刻まれた楽曲が繰り出されると、この日の公演生配信のチャット欄も「最強なんだ、のんちゃーん！」「この曲大好き！！」とのコメントが加速する。

明るいナンバーの流れからのMCで、先日公開されたばかりの新作ミュージックビデオについて語る。自ら監督、出演、編集、演出を手がけたMVはこれで三作目だ。嬉しそうなトークから始まる「夢が傷むから（Inspired by 東京百景）」は、本日のステージでも隣に立つ盟友・ひぐちけいと協力して作ったメロディアスなロックナンバー。フィナーレは「わたしは部屋充」。ハンドマイクに戻ったのんが縦横無尽に駆け回り、ライブハウス全体を見事に“部屋充”させてしまった。

アンコールでは嬉しいサプライズ。昨年夏に行われた「NON PURSUE TOUR」で大好評を博したZepp Haneda公演がBlu-ray化。本ライブ終了後から予約がスタートしている。更には、なんと今日初披露となる完全新曲を披露。実はファンクラブ「NON KNOCK」内でのみ事前に存在を匂わされていたが、本公演での披露は難しいとされていた。各地から雨の渋谷へと駆けつけてくれたファンに対するのんからの「ありがとう」がいっぱいに込められていた。

本公演の配信視聴チケットは4月7日23:59まで販売中だ。視聴チケットを購入すれば、4月10日23:59まで何度でもアーカイブの視聴ができる。また明日3月30日はのん待望の仙台公演だ。仙台 darwin では会場チケットは本日18:00まで販売受付中。当日券も若干数望みがある。アンコールで披露された新曲が気になるかたは配信アーカイブか、仙台で直接目撃してほしい。「第二の故郷」での公演に向け、のんの気合いは充分だ。