炙りなタウン『EIGHT BALL FESTIVAL 2024』ライブレポートーー岡山を背負って立つ青春パンクの申し子が初登場、瞬時にライブハウス化させた圧巻のステージ

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炙りなタウン

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『EIGHT BALL FESTIVAL 2024』炙りなタウン

開演直前、すっかりフロアは超満員。登場前にも関わらず完全ホームと化したその場へ、STRIPED STAGEのトップバッター・炙りなタウンが躍り出る! 地元・岡山の青春パンクの申し子は、「初登場、出会ってくれてありがとうございます! できるだけ近くで、近くで! かませ!」(ゆきなり、以下同/Gt.Vo))と、ド頭かららしさ全開、痛快なショートチューン「パンクな彼女」では、めぐぞう(Dr.Cho)も性急なビートで場を鼓舞。続く「63円」では、ゆきなりと共にしおきち(Ba.Vo)も純度の高い歌声を響かせ、一声一音ごとに体感温度は上昇するばかりだ。

炙りなタウン

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一層のがなり声でまくし立てる「馬鹿」では、「わしらがあんたの街だ。わしらがあんたの信じた炙りなタウンというバンドです!」と、でっかい包容力ある言葉に心の汗もじわり。キレキレのリリックを隙間なく乱発する「ゴキブリ人間」を経て、改めてこの日への思いを口にしてくれた。

「前回の『EIGHT BALL FESTIVAL』では、そっち側(客席)にいました。同じ地元のライバルがステージに立ってて、すごく悔しくて。今年出られてうれしいです! ただ、岡山の地元バンドのつもりで来てないんで。岡山のバンド代表のつもりで来ました!」

炙りなタウン

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空気を震わせるほどの気概を音にのせ、そこから「ライブハウス」へとつなぐ展開の熱量たるや! 「from ガラガラの岡山のライブハウス! 倉敷REDBOX生まれ、岡山CRAZYMAMA 2ndRoom育ち。岡山ペパーランドで修行して、岡山CRAZYMAMA KINGDOMにたくさんチャンスをもらって。今日、『EIGHT BALL FESTIVAL』に挑戦しに来ました!」なんて無舗装の軌跡を凝縮した咆哮に、もはや涙腺決壊。その場の全員が声を振り絞ってのシンガロングを経て、「1998」でのゆきなりとしおきちが向かい合って弾き合うシーンにもグッと胸をつかまれる。

炙りなタウン

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キラキラしたオーディエンスの表情が、3人の鏡のように見えた「ろくでなしの唄」と、何もかもあけすけ、一切の装飾なしにこんなにも美しい光景が生まれるのは炙りなタウンのほとばしるエナジーゆえだ。ラスト「狼煙をあげろ」で最高潮の興奮を届けた3人。音が止んだ瞬間、ビリビリしびれを感じるほどたくましい音塊を投げ続けた炙りなタウンに、惜しみない拍手が送られていた。

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取材・文=後藤愛 撮影=センイチ

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