リーガルリリー『EIGHT BALL FESTIVAL 2024』ライブレポートーー唯一無二な音の世界に浸る、幸せな時間

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リーガルリリー 撮影=センイチ

リーガルリリー 撮影=センイチ

『EIGHT BALL FESTIVAL 2024』リーガルリリー

イベントは早くも中盤、STRIPED STAGEに登場したのはリーガルリリーだ。今年結成10周年を迎える彼女たちだが、つい先日、ドラムのゆきやまが脱退したばかり。ツアーではすでにサポートメンバーを迎えてライブを展開しているが、大型フェスのステージはこの日が初。これまでバンドの屋台骨を支えてきたメンバーが変わるというのは、バンドはもちろん、ファンにとっても大きな転機であることは間違いない。それでもこの日、ステージはいつもと変わらない、ただ真っ直ぐに、真摯に音楽に向かう2人の姿がそこにはあった。

リーガルリリー

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本番では1曲目「GOLD TRAIN」からするりとバンドの世界観へと観客を引き込んでいく2人。濃い青の照明に照らされるなか、たかはしほのか(Vo.Gt)の透明感たっぷりな歌声はまるで聴く者の心を見透かしているようで、なんだか気恥ずかしさも感じる。続く「17」、揺らぐ10代の気持ちを代弁するようなカラフルで疾走感のある音色は耳障りもよくて、つい目を閉じて彼女たちの音にまどろんでしまう。

リーガルリリー

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「リーガルリリーです、よろしくお願いします」、シンプルな挨拶を交わし「東京」へ。つらつらと重ねていく言葉、かき鳴らすギター、着実に心音を高めていく海(Ba)のリズム。静と動というか、絶妙な濃淡の違いに目が離せない。たかはしが描く言葉の景色を想うと、その美しさ、刹那さに心震える。無垢な歌声に衝動を込めたその言葉はなんとも愛お
しい。

リーガルリリー

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ステージは淡々と進められていく。それでも、「『EIGHT BALL FESTIVAL』、お越しいただきありがとうございます。新曲をやります」と、4月4日(木)に配信予定の新曲「キラキラの灰」へ繋げていく。かき鳴らすギターは軽やかだけど、しっかりと地に足のついた太い芯が感じられる。ドラムのビートも力強くて、楽曲に確かな息吹を感じさせてくれる。

リーガルリリー

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ラストは名曲「リッケンバッカー」。ギターリフを聴くだけで体も心もぎゅっと力がこもる。それは恐怖や嫌な気分ではなく、この曲をきちんと受け止めようという気迫。互いが本気になって向きあった全6曲のステージが終わると、彼女たちの音、言葉を受け止めた観客の表情はなんともいえない多幸感に満ち溢れていた。

リーガルリリー

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取材・文=黒田奈保子 撮影=センイチ

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