SUPER BEAVER 撮影=後藤壮太郎
『EIGHT BALL FESTIVAL 2024』SUPER BEAVER
SUPER BEAVER
サウンドチェックのためにメンバーがステージに現れるだけでもう大歓声。その声に「まだ元気は残ってますか?」とラフに呼び掛けた柳沢亮太(Gt)が促せば、オーディエンスのジャンプでSOLID STAGEが揺れる仕上がりぶり。本番までのあと3分すら待ち切れないという爆発寸前のムードをぶち破った、渋谷龍太(Vo)の「『EIGHT BALL FESTIVAL』、開催おめでとうございます。祭ですから派手にやろうぜ! 愛してる~」の一声で、一曲目を察した観客は一斉に狂喜乱舞!
SUPER BEAVER
始まりの「アイラヴユー」から地鳴りするような盛り上がりで、上杉研太(Ba)と藤原“35才”広明(Dr)の奏でる重低音もろとも、生でしか感じることのできないシビれる体感と熱量に圧倒される。壮絶な幕開けに「おはようございます岡山! 楽しむ準備はできてるか!?」(渋谷、以下同)と突入した「突破口」でも、音と光で容赦なく高揚感を更新していくすさまじい光景が広がっていく。
SUPER BEAVER
「これだけデカい会場がしっかりライブハウスになるんですから、相当な音楽好きと見受けられますがいかがでしょう? メジャーを落っこちたとき、一番最初に救ってくれたのが岡山のghostnoteというバンドで。CRAZYMAMA KINGDOMの梶(梶谷智史)さんにお世話になったり、そうやって岡山にかわいがってもらったもんだから、俺たちは東京のバンドだけど、岡山が本当に故郷だと思えるようになったんです。俺が一番ライブハウスに通ってたときに観に行ってたバンドは、今日一番最初に出たIdolPunchだし、そんなふうに岡山がいろんなものをつなげてくれて、ようやく俺らがここにいるんだとしたら、やっぱり今日みたいな一日にもらった大事な35分を、一分一秒無駄にしたくない。一緒に音楽やりましょう、よろしくお願いします!」
SUPER BEAVER
柳沢のギターリフが導いた「mob」に気持ち良さそうに体を委ねるフロアに、「この場所だけで笑ってても仕方ない。ライブが終わってからも笑っていようぜって、そんな音楽を俺たちはやってるつもりなんだよ!」と放ったのは、最新アルバムにしてマスターピース『音楽』の最強のトッパーである「切望」だ。これぞSUPER BEAVERな新たなアンセムが、強烈なエナジーをぶちまけながら疾走する音の弾丸が、心臓を貫く。『音楽』をリリース以降、SUPER BEAVERのライブがさらに強靭になったことを痛感する、怖いくらいのボルテージでどこまでも上り詰めていく。
「フェスの持ち時間というのは案外短いもんで、あっという間に終わりです。しょっちゅうライブをやってるんで、次はライブハウスに来てください。いろんな人の気持ちが合わさって、このフェスができてます。来年も開催できるかはあなたにかかってます。あなたのおかげでフェスができるなんて最高でしょ。また会えるのを楽しみにしてます! 俺たちは今日で、19年目最後です。明日から20年目ということで、19年目の新人SUPER BEAVERのラストライブ、どうもありがとうございました! 一緒に音楽しようって言ったよな!? だからあなたの力を貸してよ。愛すべきあなたのお手を拝借!」
SUPER BEAVER
盛大なクラップとともにシンガロングが増大する「美しい日」は、そこにいる全員で曲に入っていく一体感がスペシャルで、全身にみなぎっていく音楽の力に奮い立たされる。その絶景を前に「何度あってもいいなこんな日は」と渋谷。ラストは、「あなたのことを傷つける者、邪魔するヤツ、全員に中指を立ててやる!」と急きょ追加した「さよなら絶望」!
SUPER BEAVER
ワンマン、イベント、対バンetc、一年中現場にいるSUPER BEAVERのライブの中でもレアで最強のセットリストで、『EIGHT BALL FESTIVAL』に、岡山に、またも縁という名の足跡を刻み付けた。
SUPER BEAVER
取材・文=奥“ボウイ”昌史 撮影=後藤壮太郎