[Alexandros]、リアルとデジタルが一体化した新ライブイベント「au デジタルツインライブ」に登場
[Alexandros]が、3月28日に、東京・虎ノ門ヒルズ46階にオープンしたTOKYO NODE HALLで開催したイベント「au デジタルツインライブ #0 [Alexandros] @TOKYO NODE HALL」に出演した。
リアルとバーチャル空間での2つのライブを同時に楽しめるという新しい試みの最初のパフォーマンスをおこなうアーティストとしてステージに立った彼らのライブとトークの様子をレポートする。
東京・虎ノ門ヒルズ46階の夜景を背に3曲を披露
今回開催されるライブは、「音楽とともに、おもしろいほうの未来へ。」のスローガンのもと、通信の「つなぐチカラ」で音楽の可能性を全ての人に広げていくことを目的としたKDDIの音楽プロジェクトの一環として開催したもの。
森ビルが運営する虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの情報発信拠点・TOKYO NODEの 46階に位置するメインホール・TOKYO NODE HALLのリアル会場と、デジタルツイン会場「TOKYO NODE DIGITAL TWIN HALL –RESPECT YOU, au」とをリアルタイムで接続し、リンクさせることで、リアルとデジタルが一体となり、まるでリアル会場にいるかのような、同じ臨場感・空気感を味わう体験が実現されるという。
虎ノ門ヒルズ46階という高層階にオープンした「TOKYO NODE HALL」には、抽選で当選したファン約100名が集結。ステージの後ろの大きな窓からは、眼下に東京の夜景が広がるロマンチックな雰囲気を醸し出していた。
そんな雰囲気を打ち破るかのように激しくライトが点滅しだすと、[Alexandros]のメンバーがステージに登場。ファンが手拍子で出迎える中、爆音を鳴らし「Stimulator」をスタート。いつもより近い場所にファンの熱気を感じながら、いつもの彼ららしいパフォーマンスを見せつけ、勢いはそのままに2曲目「Girl A」へと繋げていった。
立て続けに2曲を走り抜けた後、川上洋平(Vo, G)が「こんな場所でするなんて知らなくて」と口を開くと「もう少し優しい歌とか、雰囲気のいい歌をやるかと思ったかもしれないですけど……」と、今回のセットリストについてコメントした。
そして「もう少しここの雰囲気に合う曲を」と最後の曲「todayyyy」を披露して、会場にいるファンの熱い歓声と拍手の中、全3曲のパフォーマンスを終えた。
バーチャルの演出に感動
パフォーマンスの後、MCを務める鮎貝健の進行でトークを展開。川上は、窓に広がる夜景と、手を伸ばせば届きそうな距離にいるファンを眺めて「この距離とこの雰囲気はなかなかレア」、「本当にセットリストを間違えた(笑)、もうちょっとこの場所の雰囲気に合う曲があるんですよ」などと、冒頭から笑いを取りながらも、和気あいあいと今回のデジタルツインライブについての話を繰り広げていった。
今回は、リアルのライブではできない特別な演出や、アバター機能があるという説明にメンバーたちは、興味津々の様子。実際に同時配信された自分たちのデジタルツインライブでの映像を見ると「すごいですね!」、「こんな風になってたんだ」などと驚きの声を続々とあげ、リアド偉武(Dr)は「すごいとしか言えないですね」「我々は結構アナログな人間味を出すライブを心がけていて、そのギャップが面白いかも」とコメントした。
他にも無限の可能性を秘めた演出の様子を見て、白井眞輝(G)が「これ曲の雰囲気に合っているね」と発言すると、「海の中で演奏もできる?」「ガチライブの雰囲気を出してみたい」などと、口々に感想や今後の希望を述べていた。
MCの鮎貝が、アバターになったデジタルツインライブの観客たちが自分の感情を表現することができる“エモート”という機能がある旨を話すと、磯部寛之(B, Cho)が「みなさん楽しんでますか?」と質問。画面上の観客がヘドバンや横揺れなどをして反応する様子を見て「あ〜来た来た!」と喜びながら、自分たちの声にリアルに反応するバーチャル会場にいるファンとの“コール&レスポンス”を楽しんでいたようだ。
ライブ会場に来れなくても自分たちのライブを一緒に楽しんでいるこの様子を見た磯部は「いろんな事情があって家から出れない人たちもこうやってライブ会場にいっているかのような感覚を味わえるのは素晴らしい」とコメント。川上も「(アナログな)ライブは素晴らしいけど事情があって参加できない人も多いと思う。こういうものがあれば参加できるのがいい」と配信ライブの良さについて語ってくれた。
「「[Alexandros]はコロナ禍になってから一番早く配信ライブをやったバンドだと思う」と話した川上は、「配信ライブをやってみたら”勇気をもらいました”と感想をもらった。こういう生だけじゃないライブもすごく大切だなと思ったし、そこにニーズも感じた。生のライブももちろんだけど、こういった新しいことにどんどん挑戦していきたい」「我々にとってもいい機会になった」と今後のデジタルツインライブへの期待を込めたコメントでイベントを締めくくった。
取材・文・撮影(トークパート):西門香央里