写真=オフィシャル提供(撮影:堤 瑛史)
『2nd one man live 夢のつづき』2024.3.23(SAT)東京・渋谷WWW
YUTORI-SEDAIが『2nd one man live 夢のつづき』を3月23日(土)に東京・渋谷WWWで開催した。
SEをバックに登場した金原遼希(Vo.Gt)、櫻井直道(Dr)、上原しゅん(Ba)。観客が手拍子しながら彼らを迎え入れると、早速ライブを楽しんでいるファンの姿を頼もしく思ったのか、金原が親指を立ててナイスと伝えた。今回のワンマンもチケットはソールドアウト。フロアにいる誰もが彼らに期待している。そんななかYUTORI-SEDAIは、新曲4曲と新発表4つを引っさげた意欲的なライブを展開。昨年10月・12月に行われた初ワンマン&追加公演から半年も経っていないにも関わらず、進化した姿を見せてくれた。
「『2nd one man live 夢のつづき』、全員でぶち上げろー!」と、終わらない青春を歌った楽曲「23×3」からライブはスタート。疾走感溢れるバンドサウンドにフロアからはたくさんの拳が上がるなど反応も上々。そのまま「ぎゅっとして、」へと繋げ、今度は観客の体をリズミカルに揺らした。楽しげにアイコンタクトを交わしながらコンビネーションプレイをキメる櫻井&上原。金原が楽器を叩く掲げながらギターソロを炸裂させると、上原も笑顔で前に出てきた。そして金原が耳に手を当てると、観客が「ぎゅっとして!」とレスポンス。音楽を通じたコミュニケーションによって場が温まっていった。そこからさらに「一緒に飛び跳ねろー!」と“スーパーポップソング”こと「足りないくらいがちょうどいい」へ。WWWがあっという間にハッピーな空気で満たされた。
最初のMCでは「みんなのおかげで即完、ソールドアウトしました!」と観客に報告。「こちとらめちゃめちゃ気合い入ってるわけよ。しゅんくんは昨日眠れた?」(金原)、「3時間しか寝れなかった」(上原)、「俺も寝つき悪かった、さくちゃんはどのくらい寝た?」(金原)、「俺は12時間」(櫻井)とやりとりしつつ、「みんなも俺らも今日は全て出しきって、ぐっすり眠ろうね」(金原)とファンに呼びかけた。
また、新曲「ずっとそばに」がイオントップバリュのCMソングに決まったことも改めて報告。YUTORI-SEDAI初のタイアップソングは「応援してくれるあなたがいたからこそ叶ったこと」だと感謝を伝えると、リリース未定の同曲をワンコーラスだけお披露目。直後には、現状ライブでしか聴けない楽曲「yume」を演奏するなど貴重なシーンが続いた。音楽にノリながらも、一音一音、一語一句を心で受け取ろうとする観客の姿が印象に残った。
淡々と過ぎる日常と主人公の心の内に渦巻く葛藤の対比をバンドアンサンブルで表現した「境界線」、「大切な人に向けた曲を歌います。恋人や家族や友達、あなたにとって大切な存在を思い浮かべながら聴いてください」という言葉を添えたバラード「幸せにしたいんだ」と、ミドル~スローナンバーを届けたところで2度目のMC。ここでは金原が「今日はみんなに伝えたいことがたくさんあるんだけど」と切り出し、1つ目のお知らせとして、新曲「メープル」を4月3日(水)に配信リリースすることを発表した。そして同曲を初披露。金原いわく、「大好きだったけどもう戻れない人との素敵な思い出を歌にしました」とのことで、「戻りたい」「会いたい」といった願いをストレートに歌った切ないバラードだった。
さらに、「めちゃくちゃ盛り上がる曲を作ってきたので、全員遅れずについてこい、よろしく!」と3人のソロ回しから別の新曲へ。そしてまだまだ終わらず、一旦「サマートリガー」を挟んでから、また別の新曲を披露。前者は各楽器のカッコいいプレイが詰まったマイナー調のアッパーチューンで、後者はギターのフレーズから始まるミドルナンバー。観客も拳を上げて盛り上がった。「新曲4曲はえぐいぜ」「ソロとかやったからもう手動かんて」「ドキドキだったね」「初めてだったから」と笑い合いながら、充実した表情を浮かべる3人。「今日ここに来てくれたこと、みんなが思っている以上に嬉しいんです。なので、ここでしか聴けない曲をあなたに届けたくて頑張りました」と語る彼らの想いは、音楽そのものや演奏する姿を通じてファンにもしっかり伝わったのではないだろうか。
ここで、2~4つ目のお知らせ。「6月9日・LIVE SQUARE 2nd LINEで大阪初ワンマンを開催」「6月29日・ell.SIZEで名古屋初ワンマンを開催」「11月8日・Spotify O-WESTで『3rd one man live 「on your mark」』を開催」を新規ライブ情報を一気に3本解禁だ。なお、Spotify O-WEST公演の『on your mark』(=位置について)というタイトルには、「自分から夢に近づきたい」「夢を目標に変えていきたい」という意気込みや、「あなたが道に迷わないよう目印(mark)になるようなバンドでいたい」という思いが込められているのだそう。この日ラストのMCでは、金原が改めて櫻井&上原に「ありがとう」と伝えたほか、3人からファンに対しても改めて感謝を伝えたのだった。そして「陽炎」「すき。」「アイラブユーベイビー」と駆け抜けてライブは終了。「どんな時もあなたの一番の味方。西東京発の3ピースバンド、YUTORI-SEDAIでした!」という挨拶と爽やかな余韻を残して、3人は去っていった。
取材・文=蜂須賀ちなみ 写真=オフィシャル提供(撮影:堤 瑛史)