吉田拓郎、自ら選曲したベストアルバム「Another Side Of Takuro 25」発売決定 収録曲・ジャケット・ビジュアルも発表
アナザーサイドからの発想で吉田拓郎が自ら選曲した異色のベストアルバム「Another Side Of Takuro 25」が6月12日に発売される。この作品の内容と共にジャケットのビジュアルも発表された。
デビューした1970年から99年までの30年間の中から「たえこMY LOVE」や「大阪行きは何番ホーム」「全部抱きしめて」など全25曲が収録され、全ての楽曲を拓郎が自ら選曲、オリジナルマスターテープから最新のデジタル技術でリマスターリングされている。さらに、アルバムに封入するセルフ・ライナーノーツにも、拓郎自身のそれぞれの楽曲への思いを綴っている他、収録曲に合わせ、各時代の拓郎を追っての60ページにもなる写真集も特典としてつけられている。
歌手活動からの引退を表明して2年が経つが、拓郎にとって来年はデビュー55周年。同時に井上陽水、泉谷しげる、そして小室等が集って設立したレコード会社のフォーライフも50周年を迎えるという“アニバーサリー・イヤー”。そのような時期に発売される「Another Side Of Takuro 25」は、拓郎にとっても自らの音楽人生を振り返った究極のベスト・アルバムとなるのではないだろうか。因みに、拓郎自ら関わった形で作品集を古巣のフォーライフから出すのは実に26年ぶりとなる。
前述したように収録曲は拓郎がデビューした70年から99年までの30年間にエレック・レコード、CBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)、そしてフォーライフという3つのメーカーから発売した作品の中から、拓郎自ら25曲を選りすぐったもの。加えて収録曲1曲1曲に対して、その作品を選曲した理由や思いなどを拓郎自らライナーノーツに綴っている。まさに「もうひとつの吉田拓郎」をコンセプトにしたベストアルバムとなっている。
ちなみに、その期間に発表された対象作品はシングルも含め、26枚のオリジナル・アルバム。そのおよそ330曲を拓郎自ら聴き直し感慨深い作品、印象に残っている作品を選んだものとなる。
1971年11月にエレックから発売したアルバム「人間なんて」から、「どうしてこんなに悲しいんだろう」をピックアップしている他、13週間に渡ってオリコン1位を獲得した72年7月のCBS・ソニー移籍第1弾「元気です。」の中からは「せんこう花火」、さらにフォーライフから第2弾目のシングルとして76年12月に発売した「たえこMY LOVE」、アルバム「吉田拓郎とLOVE2 ALLSTARS」(97年)に収録し、Kinki Kidsもカバーして大ヒットした「全部抱きしめて」など。一方、ミツカン酢のCM曲だった「吉田町の唄」やフジテレビのアニメ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の挿入歌だった「気持ちだよ」なども盛り込まれている。
また、ボーナストラックとして阿久悠の作詞で加藤和彦が作曲し、拓郎と加藤がデュエットした異色の作品「純情」(99年12月)がプラスされている。この作品はテレビ東京のドラマ「織田信長」の主題歌として起用され評判になった楽曲。まさに、これまでのベスト・アルバムとは一線を画した「アナザーサイドから拓郎の作品を振り返っている」大作である。CDは7インチサイズ(シングルジャケットサイズ)の豪華ボックス仕様を予定しており、そのジャケットには、長年に渡り吉田拓郎を撮り続けている田村仁氏の作品を元に、いかにも「昔のLP時代を彷彿とさせる」ようなグラフィック処理が施された。「収録曲に合わせ、各時代を追った」フォトブックも含めファンにとって新しい「吉田拓郎」に触れる作品の発売である。