厳選クラシックちゃんねる・nacoインタビュー 大人気企画の第3弾をサントリーホールで開催

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人気YouTubeチャンネル「厳選クラシックちゃんねる」。登録者21万人を超える国内最大級のクラシック音楽の解説チャンネルとして、初心者・玄人を問わず多くのクラシック音楽ファンを惹きつけているYouTubeチャンネルだ。

昨年4月からは新進気鋭のオーケストラ・タクティカートオーケストラとともに、「絶対知ってる!厳選クラシックコンサート」を開催し、YouTubeを飛び出し実際のステージにも進出。2024年7月18日、その第3回公演を、クラシック音楽の殿堂・サントリーホールで開催する。

指揮・オルガンとして鈴木優人、そしてソロ・ヴァイオリン(兼コンサートマスター)として﨑谷直人を迎え、過去最大級での開催となる本公演。公演に向けて、厳選クラシックちゃんねるのnacoに、公演への思いと共に、YouTubeチャンネルや、クラシック音楽の魅力について聞いた。

厳選クラシックちゃんねる・naco

厳選クラシックちゃんねる・naco

――今や大人気のYouTubeチャンネル・「厳選クラシックちゃんねる」ですが、nacoさんがYouTubeを始めたきっかけは何でしたか?

YouTubeを始めたのは2020年4月で、ちょうどコロナが蔓延し、最初の緊急事態宣言が出た頃でした。
外に出掛けることが好きだったため、時間を持て余していたところ、知人がYouTubeを始めることを耳にし、私も家でできる趣味のひとつとしてやってみようと思いました。
自分の好きなテーマ、自分の勉強になる内容、動画が誰かのためになるものが掛け合わさったものは何かを考えて、たどり着いたのがクラシック音楽でした。

――テーマという意味では、これまでにもシェーンベルクなど、初心者向けに留まらない、幅広い内容を取り上げられている印象です。

実は、YouTubeで紹介するテーマをどうするかということは、私が好きかどうかとあまり関係ありません。例えばシェーンベルクは、今年2024年がメモリアルイヤーということで取り上げました。近現代の音楽をあまり聴かない方でも、メモリアルイヤーをきっかけに親しんでいただけるかと思って紹介しています。
もちろん、熱が入らない作曲家や嫌いだなと思うものを紹介することはないのですが、取り上げているからといって特別好きであったり思い入れが強いというわけではないです。

――初心者からマニアまで、多くの人がご覧になっている印象ですが、動画の制作時のこだわりなどはありますか?

クラシック音楽を好きになってもらいたい、もっと聴いてもらいたいと思っているので、音楽や作曲家など、紹介しているものや人の良い面をなるべくピックアップすることを心掛けています。
また、解説だけではなく、音楽そのものをなるべく聴いてもらえるよう、日本コロムビアさんからご提供いただいた音源をふんだんに使用しています。
そして、これは編集ディレクターのこだわりですが、使う映像や写真などの素材にもこだわっていて、他のYouTube動画ではなかなかないリッチな仕上がりになっているんじゃないかと思います。

【2024】今年が熱いクラシック作曲家!生誕200年 150年 100年/没後100年 50年のメモリアルイヤーの音楽家たち

――nacoさんがクラシック音楽を好きになるきっかけは何でしたか?

小さい頃から習い事でピアノをしていたせいか、何か特別なきっかけがあったわけではありません。他のジャンルの音楽と同じように聴いていて、大きくなって「こういう音楽はクラシックっていうのか」と理解するようになりました。
そのため、童謡や民謡、「みんなのうた」などと同じように、作曲家や曲の名前を知らずに聴いていたクラシック音楽もたくさんありました。

――今、クラシック音楽はどのように楽しまれていますか?

コンサートやオペラに行くのが最も贅沢な楽しみ方だと思います。その時の仕事の忙しさにもよりますが、だいたい月に2~4回くらいが多く、コンサートに行かない月はないかもしれないです。
コンサートに行くときは、指揮者や演奏家で選ぶことが多いです。知らない曲でも楽しく出合うことができますし、よく聴いている曲にも新しい発見と感動があります。最近聴いて印象に残っているのは、コンセルトヘボウハウスで聴いたリッカルド・シャイー指揮・スカラ座オーケストラの演奏会、ベルリン・フィルハーモニーホールで聴いたキリル・ペトレンコ指揮・ベルリンフィルハーモニー管弦楽団の演奏会、そして京都コンサートホールで聴いた沖澤のどか指揮・京都市交響楽団の演奏会です。

2023年にはヨーロッパを訪れ、スカラ座などの著名ホールの取材を行った (動画『【世界のホール②】オペラの殿堂 ミラノ・スカラ座!イタリアオペラ界の最高峰の歌劇場を徹底解剖』より)

2023年にはヨーロッパを訪れ、スカラ座などの著名ホールの取材を行った (動画『【世界のホール②】オペラの殿堂 ミラノ・スカラ座!イタリアオペラ界の最高峰の歌劇場を徹底解剖』より)

コンサート以外ですと、サブスクで音源を聴いたり、厳選クラシックセレクションという日本コロムビアさんと一緒に立ち上げたチャンネルのBGM動画を楽しんだりもしています。

――好きな作曲家はどなたですか?

好きな作曲家は、と聞かれた時は、ベートーヴェン・ドビュッシー・ラフマニノフと答えるようにしていますが、ベートーヴェンよりもモーツァルトが聴きたくなるときもありますし、ドビュッシーよりもラヴェルを選ぶこともあります。バッハも一日中聴いていられますし、最近はブルックナーを毎日聴いていたときもありました。結局、たくさんいます、という答えになってしまいますね。

――ちなみにクラシック音楽以外も聞かれるんですか?

クラシック音楽以外のアーティストでいえば、Radioheadというイギリスのオルタナティブロックバンドが好きです。クラシックでいう現代音楽風な作品もあって、シングルだけではなくアルバムを1枚通して聴いてほしいアーティストです。

――「厳選クラシックコンサート」は今回が3回目となる公演ですが、「厳選クラシックコンサート」公演のコンセプトやこだわりについて教えていただけますか?

2023年10月1日開催『絶対知ってる!厳選クラシックコンサート vol.2』より

2023年10月1日開催『絶対知ってる!厳選クラシックコンサート vol.2』より

厳選クラシックちゃんねるのコンセプトは「クラシックを、もっと身近に。」です。私の活動のほとんどは、クラシック音楽が気になってはいるけどあまり聴いてはいないという方に、まずは一歩踏み出していただくことを目的にしています。厳選クラシックコンサートも、そんな活動の一環です。
座席を予約してコンサートホールにお出かけする体験、どこかで聴いたことのある有名なクラシック音楽を初めて生演奏で聴く感動を味わっていただきたいと思い、企画しています。
そのため、一番こだわっているのはプログラムです。クラシックにまだ親しみのない方は、指揮者や演奏家についてあまり知らない方も多いでしょうから、この曲だったら聴きに行きたい!と思っていただけるようなプログラムにすることが最も大きなこだわりです。
言葉がなくても音楽は楽しめますが、美術展のオーディオガイドのように使っていただきたいという意図で、MCやパンフレットで何を紹介するかもこだわっています。

――第3回となる今回の会場は、クラシック音楽の殿堂・サントリーホールとなりますね。印象はいかがですか?

日本一と言われるサントリーホールは、一歩中に入ると非日常の雰囲気が存分に味わえる特別なホールです。当然響きも素晴らしいですし、内装や運営の様々なところにおもてなしのこだわりがつまっています。遠くの席で聴いても音が美しく、ステージも見やすいのも、楽しめるポイントだと思います。
コンサートホールの中央に備わっている大きなオルガンもすてきです。このオルガンの音色もお聴きいただきたいと思い、今回のプログラムには、オルガン曲も入れました。
サントリーホールだからこそ、コンサート体験がさらに豊かになるのではないかと思います。

――オルガンを演奏されるのは、この日の指揮者でもある鈴木優人さんですね。その鈴木さん、そしてソロとコンサートマスターとして演奏される、ヴァイオリン・﨑谷直人さんへはどのような印象をお持ちですか?

左:鈴木優人、右:﨑谷直人

左:鈴木優人、右:﨑谷直人

各所から引っ張りだこ状態のお二人にコンサートを引っ張っていっていただけるのは本当に嬉しいですね。
なんとなく、お二人の印象は似ている感じがしますね。お二人とも知的で優しい雰囲気をもっていらっしゃいますし、音楽の内容はもちろん、コンサートを盛り上げることにも気を配ってくださいます。
いい音楽・いいコンサートをつくってくださるお二人だと思います。

――3回目となるタクティカートオーケストラのみなさんの印象はいかがですか?

演奏が若々しく溌溂としている印象です。そして、みなさん仲が良いですね。ステージではめちゃくちゃかっこいいですが、楽屋では和気あいあいと楽しそうにされているのが印象的です。
4月からオーケストラが新体制になったそうで、今回さらにパワーアップされると聞いています。どんな演奏になるか、とても楽しみにしています。

――最後にお越しいただく皆様へメッセージをいただければと思います。

数あるコンサートの中から、この厳選クラシックコンサートを選んでくださり、本当にありがとうございます。みなさんの最高の体験のために、私たちも心から楽しみながら準備してまいりますので、体調万全にして当日お会いしましょう!

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