天童よしみ
日本の愛唱歌、ポップス、スタンダード、クラシックから自身のオリジナル曲まで、幅広いジャンルの名曲をクラシックスタイルで歌う『天童よしみ ヴォイス・ストーリーズ On Classic ~心に染み入る歌を集めて~』を、2024年7月14日、群馬県の高崎芸術劇場からスタートさせる。
「クラシックコンサートは初めてでワクワクしています。ピアノやストリングスの生伴奏で歌うので、歌がはっきり聞こえます。ドラムやエレキギター、ホーンなどの入ったいつものコンサートバンドとは、音量も音質も違いますから、お客さまはきっと新鮮に感じてくださるのではないでしょうか」
弦楽アンサンブルの楽器編成は「ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、そしてピアノ」で、コンサートは2部構成になるという。
前半では、天童の誕生から10代でデビューした頃までを「歌とトークと映像」で綴っていく。秘蔵のアルバム写真をスクリーンで映しながら「浜辺の歌」や「朧月夜」など、誰もが学校の音楽で習っただろう愛唱歌をメドレーで歌う。
「日本の四季を、私の思い出のエピソードとともに楽しんでもらいたいのです。心に残る景色が目に浮かぶ情緒豊かな歌、日本特有の言葉や素晴らしい表現の歌など、どれも次代に残していきたい歌ばかり。内緒ですが、チェロの伴奏だけで歌う曲もあるんですよ。お楽しみに(笑)」
さらに、人気オペラ『カルメン』から、恋多き情熱の女・カルメンのアリア「ハバネラ」も用意している。「熟女よしみカルメン」は、どんなドレスで登場するのだろう。
「衣装はまだ秘密ですが、アルバム『VOICE』に『ハバネラ、恋は野の鳥』を収録してあって、ステージでご披露するのがとても楽しみです。他に、ステキなスタンダード曲も歌う予定です」
天童よしみ
後半では、持ち歌の「珍島物語」、沢田研二「時の過ぎゆくままに」、尾崎豊「I LOVE YOU」、美空ひばり「愛燦燦」など昭和生まれのヒット曲から、新曲「昭和かたぎ」まで、名曲をたっぷり歌い上げる。
「実は私、沢田さんがジュリーと呼ばれていた『タイガース』の頃から大ファンで、ソロになってからもいろんなアルバムを繰り返し聴いてきました」
「時の過ぎゆくままに」は、1975年に沢田研二が3億円窃盗事件の犯人を演じたTBSドラマ『悪魔のようなあいつ』の主題歌。阿久悠・作詞、大野克夫・作曲、沢田が歌って大ヒットした。
「昔は映画やドラマと主題歌はリンクしてましたからね。美空ひばりさんも歌と芝居の両方をなさって、たくさんの映画に出演されて…。私は子役デビューした頃から随分可愛がっていただきました。忘れられない思い出がいっぱいあります」
どんなエピソードが飛び出すのか。トークにも期待がかかる。
「天童よしみというと『こぶしの利いた天童節』をイメージされる方が多いでしょうが、この『ヴォイス・ストーリーズ』では、クラシックスタイルで歌いますので、いつもとはひと味もふた味も違う天童を楽しんでいただけると思います」
アイルランドの女性ヴォーカルグループ、ケルティック・ウーマンの「You Raise Me Up」も歌うという。聴き応えのある国内外の名曲を厳選したプログラムを、天童がどんな歌唱で聴かせてくれるのか楽しみだ。
「コロナ禍からようやく抜け出せそうな今、初心に戻って取り組む天童の新たな魅力を感じていただけるように、頑張ります。長年のファンの方も、初めて聴きに来てくださる方も、私の歌声を聴いて新鮮な気持ちになってくださればとてもうれしい。コンサートで元気を届けたいです」
7月14日の高崎芸術劇場に次いで、12月8日には金沢の石川県立音楽堂で開催。年が明けたら、徐々に本数を増やして各地を巡る予定だ。