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ピアニスト・イン・レジデンスの辻井伸行に聞く、『富士山河口湖ピアノフェスティバル 2024』の見どころについて オフィシャルインタビュー公開

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辻井伸行

辻井伸行      (C)Yuji Hori

2024年9月20日(金)より開催される『富士山河口湖ピアノフェスティバル 2024』。この度、辻井伸行へのオフィシャルインタビューが公開された。

 

ユネスコの世界遺産として登録された「富士山」の麓にある河口湖で展開される音楽祭『富士山河口湖ピアノフェスティバル 2024』が2024年9月20日(金)、21日(土)、22日(日)、23日(月・休)の4日間、河口湖ステラシアター/河口湖円形ホール/河口湖総合公園/河口湖美術館にて開催される。4年目を迎えた音楽祭の魅力や、世界的に活躍する音楽家が集う今年の見どころについて、ピアニスト・イン・レジデンスの辻井伸行に聞いた。

ーー初日は河口湖円形ホールで、100名限定で行う『辻井伸行 プレミアム・リサイタル 《ショパン》』で幕開けします。「ノクターン 第20番《遺作》」「幻想即興曲」「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」などの曲目が並んでいますが、選曲理由と演奏に向けた意気込みをお話し頂けますか。

辻井伸行:ショパンは、小さい頃にピアノを始める原点となった作曲家の1人で、大好きな作曲家です。 高校生の時にショパン国際ピアノコンクールに挑戦した時に、ショパンの生まれたポーランドで演奏もさせてもらいとても思い出深い作品が数多くあります。今回はその中から、今、弾きたいと思う思い出深い作品を選曲しました。皆様によりショパンの名曲を親しんで頂けるような選曲にしたので、是非お楽しみ頂きたいです。

(C)Tomoko Hidaki

(C)Tomoko Hidaki    

ーー2日目は、河口湖ステラシアターで『辻井伸行 河口湖スペシャル GALA』と題したステージを行います。1部では、久石譲さんと坂本龍一さんの楽曲を、2部ではラヴェルとドビュッシーの作品を演奏されますね。

辻井:久石譲さん、坂本龍一さんはともに尊敬する作曲家です。今回、河口湖の自然豊かな場所で演奏できるのを本当に楽しみにしています。久石さんの「アシタカとサン」「風の通り道」、坂本さんの「energy flow」、「戦場のメリークリスマス」など、今回演奏する曲の中には、僕の公式 Youtube チャンネルで演奏動画をアップしている作品もありますので、チェックして頂けたら嬉しいです。坂本さんは、闘病中でも作曲をして作品を生み出しているということは知っていたので、訃報に接した時は本当に残念でした。追悼の意味も込めて、この先も坂本龍一さんの曲を演奏できたらいいなと思っています。ラヴェルとドビュッシーの印象派の作品は大好きな作品です。
ラヴェルは「亡き王女のためのパヴァーヌ」、ドビュッシーは「喜びの島」などを演奏します。河口湖の自然に囲まれた場所で、印象派の作品というのは、ぴったりだなととても感じています。このGALAコンサートでは、尊敬している日本の作曲家2人の作品と印象派のラヴェルとドビュッシーという僕の大好きな作曲家の作品を是非皆さんに聞いて頂きたいと思い選曲をしました。 

ーー3日目は河口湖総合公園芝生広場で、松井秀太郎さん(トランペット)、小曽根真さん(ピアノ)と無料のピクニック・コンサートを行います。お客さんは芝生の上で寝転びながら、世界を魅了する音色に耳を傾けることができる。このフェスティバルの特徴の1つでもありますね。

辻井:ピクニック・コンサートでは、外での演奏をたくさんの方に楽しんで頂けたらと思っています。自然の中で、風を感じながら演奏したり、壮大な富士山の麓で音楽祭を開催できるのは素晴らしいことなので、今年もまた富士山からたくさんパワーをもらって、頑張っていきたいと思います。 

『富士山河口湖ピアノフェスティバル 2023 ピクニック・コンサート』河口湖総合公園にて (C)Tomoko Hidaki

『富士山河口湖ピアノフェスティバル 2023 ピクニック・コンサート』河口湖総合公園にて  (C)Tomoko Hidaki

ーーピクニック・コンサート後には、会場を河口湖ステラシアターに移し、『辻井伸行 加古隆 小曽根真 THE PIANIST GALA』のステージに立ちます。辻井さんは昨年も好評だった「リスト」の楽曲が中心ですね。

辻井:僕はリストが昔から好きで得意としている作曲家の1人です。リストの作品の超絶技巧の部分など皆様に是非お楽しみ頂きたいと思っています。今年は「愛の夢 第3番」、「ため息」、「リゴレット・パラフレーズ」などの演奏を考えています。やはりピアニストとして、加古さん、小曽根さんと3者3様で、みんな違うピアノの音色を持っている中で、リストの作品はピッタリなんじゃないかなと思い選曲しました。

ーー加古さんはオリジナル作品が中心。小曽根さんは当日発表になるようですが、お2人に期待していることはありますか。

辻井:僕にとってお2人とも尊敬しているピアニストであり作曲家です。お2人をまたお呼びすることができ、そして、来て頂けるのは本当に嬉しいです。お2人の演奏を久しぶりに生で聴けるのを僕もとても楽しみにしています。 

『富士山河口湖ピアノフェスティバル 2023』ステラシアターにて (C)Tomoko Hidaki

『富士山河口湖ピアノフェスティバル 2023』ステラシアターにて        (C)Tomoko Hidaki

ーー最終日は河口湖ステラシアターに、小曽根真さん、清水和音さんを招いて『小曽根真 清水和音 辻井伸行 ナンバーワン GALA』公演を行います。東京フィルハーモニー交響楽団との競演もある豪華な協奏曲コンサートですね。辻井さんは「チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番」を選曲されました。

辻井:最終日に自然豊かな富士山の麓の河口湖でオーケストラを迎えて演奏できることは本当に楽しみです。チャイコフスキーの1番は、僕が母のお腹にいる頃から聴いていた、本当に思い出深い曲です。もう何回も演奏していますが、壮大な感じや華やかな部分がたくさんあるので、そういったところを自然の中で皆様に感じて頂ければと思い選曲しました。

ーー小曽根さんは「ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲 第1番」、清水さんは「ブラームス:ピアノ協奏曲 第1番」の演奏を予定しています。お2人の表現などについて、辻井さんが奏者として楽しみにしていることはありますか?

辻井:小曽根さんは、ジャズっぽさや即興での演奏があって、以前聴いた時に、ご自身が楽しんで演奏しているのが伝わってきて、聴いている僕たちまで楽しくさせえてもらえました。清水和音さんは、厚みのある音でブラームスを聴かせてもらうのが今からとても楽しみです。 

『富士山河口湖ピアノフェスティバル 2023』河口湖円形ホールにて (C)Tomoko Hidaki

『富士山河口湖ピアノフェスティバル 2023』河口湖円形ホールにて (C)Tomoko Hidaki

『富士山河口湖ピアノフェスティバル 2023』ステラシアターにて (C)Tomoko Hidaki

『富士山河口湖ピアノフェスティバル 2023』ステラシアターにて (C)Tomoko Hidaki

ーー辻井さんが楽しそうに話されている様子に触れ、フェスティバルが本当に楽しみになりました。2024年公演に向けた意気込みをお聞かせ頂けますか。

辻井:またこうして河口湖でピアノフェスを開催することができて、本当に嬉しく思っています。初回から素晴らしいゲストの方々にたくさん出演して頂き、過去3回とも本当に多くのお客様にいらして頂きました。出演者やお客様、運営に携わるボランティアや関係者の皆さんで育てていけるフェスになっていると感じています。河口湖ピアノフェスを通じて、ピアノは本当に何でもできる楽器で、ソロから、 オーケストラとの共演やアンサンブルなど、いろんなことができるという魅力を、より多くの方に伝えられたのではないかなと思います。今年もさらにまたたくさんピアノの魅力を皆様に感じて頂きたいと思っています。

ーー最後に、今回の公演で演奏以外に楽しみにしていることはありますか?

辻井:河口湖ピアノフェスティバル以外でも、小学校での音楽教室を通じて子どもたちに音楽の素晴らしさを伝えていく活動を続けています。初めての時はどうなるか不安もありましたが、子どもたちと一緒にピアノの楽しみや素晴らしさとかを、みんなで楽しみながら感じることができて、子どもたちにとっても僕にとってもすごく嬉しい体験でした。そういった活動ができて、 僕にとってもすごく勉強になりますし、またこれからも続けていきたいと思っています。今年も子どもたちに会えるのを楽しみにしています。 

『富士山河口湖ピアノフェスティバル 2023 音楽教室』 (C)Tomoko Hidaki

『富士山河口湖ピアノフェスティバル 2023 音楽教室』       (C)Tomoko Hidaki

文:翡翠

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