『堀内優里×山縣美季 デュオリサイタルツアー』開幕! 初日・大阪公演オフィシャルレポートが到着

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2024年7月9日(火)、大阪・フェニックスホールで開催された『堀内優里・山縣美季 デュオリサイタルツアー』大阪公演の、オフィシャルレポートが到着した。


ヴァイオリン・堀内優里、ピアノ・山縣美季によるデュオリサイタルツアーは、7月9日に大阪公演から幕を開けた。

今まさに輝きを増す2人の若手の初共演となるこのツアー。プログラムは、フランスとベルギーで同時代に作曲された、ふたつのイ長調のソナタを中心に組まれている。小暑の7月、暖かなピアノと可憐なヴァイオリンが織りなす爽やかな風が、ホールを駆け抜けた。

1曲目は、2人の演奏で《フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調 作品13》。

今年没後100年となる、フランスを代表する作曲家、ガブリエル・フォーレ(1845-1924)。過去に演奏経験があるという堀内は、昔と今では曲に対するイメージがかなり変わったと言う。情熱に溢れるもどこか掴めない気まぐれさを持ったこの曲、2人は華麗かつ繊細な演奏で観客を魅了した。

2曲目は《サン=サーンス/イザイ:ワルツ形式の練習曲による奇想曲》。

サン=サーンスの優雅なワルツのメロディを基に、イザイが高度な技術を要する編曲を施し、華麗なパッセージと優雅なワルツのリズムが巧みに融合した作品。特に、イザイ特有のヴィルトゥオーソ的な技巧が堀内のテクニックで際立ち、聴衆から大きな拍手が沸き起こる。

後半はピアノ・山縣のソロから。《ショパン:ノクターン》より、第7番 嬰ハ短調 Op.27-1、第8番 変ニ長調 Op.27-2だ。

フランス・ノアンにて開催された「ノアン フェスティバル ショパン」に参加するなど、山縣自身がレパートリーとしている、ショパンの楽曲。繊細で幻想的な山縣の音色に、感嘆の吐息が漏れ聞こえた。

プログラムのラストを飾るのは、《フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 FWV8 M8》。数あるヴァイオリン・ソナタの中でも重要なレパートリーであり、本ツアーのメインの一つでもあるこの曲。壮大で感情豊かな音楽が会場全体を包み込み、若手2人の前途洋洋の未来が明るく照らされているのをはっきりと実感した。

アンコールの《バッハ:G線上のアリア、クロール:バンジョーとフィドル》の2曲では、舞台奥の壁が開き、夜景が現れる演出。幻想的な夜景でのうっとりとした心地とともに、2人のエネルギッシュな音楽が絡み合い、鳴り止まない拍手でツアー初日が幕を閉じた。

『堀内優里×山縣美季 デュオリサイタルツアー』はこのあと、7月13日(土)岐阜、7月19日(金)長野、7月31日(水)東京と、各地の素晴らしいコンサートホールを回っていく。

1ヶ月のツアー、初共演の2人の音楽が各地でどう深化していくのか。どの公演も目が離せない。

ぜひ、各会場へお越しいただきたい。

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