大野紘平(こへまる)「音楽の魅力で地元に恩返しを」 地元・栃木で自身最大規模のリサイタル開催

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ピアニスト大野紘平が、自身最大規模となるリサイタルを2024年9月1日(日)、栃木県・鹿沼市民文化センター 大ホールで開催する。

 “こへまる” の愛称で親しまれる彼は、東京音楽大学で学び、クラシックを基盤にしながらも、ポップスの弾き語りや即興を得意とし、2022年にはとちぎ未来大使に就任するなどジャンルレスに活動の場を広げている。今回はピアノソロだけでなく、スペシャルクインテットとの共演やバレエとのコラボなど、音楽のジャンルの垣根を超えたプログラムを予定している。

育ててもらった栃木に音楽で恩返しがしたいと話す彼の、音楽に対する思い、そして本公演に向けた今の心境を聞いた。

――ご自身最大規模となる今回のリサイタル。地元・栃木での開催ですが思いを聞かせてください。

とちぎ未来大使として活動する中で、どうしたら栃木県を盛り上げていけるかと考えた時に、やはり僕は音楽を通して盛り上げたいなと思いました。そして、恩返しをしたいという気持ちが強くあるので、栃木でリサイタルをすることに大きな意味があると感じています。

――普段から場所やジャンルに捉われず全国各地で活動をされていますが、コンサートホールでの演奏で特に意識していることはありますか。

普段は、お客様の盛り上がりを感じながら演奏することが多いです。それに対してコンサートホールはお客様との距離が遠く、反応が見えない環境ですが、その分、自分の音に集中して没頭できるのが一番の違いであり、魅力でもあると思っています。

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――今回のメインプログラムであり、初めて演奏されるショパン「ピアノ協奏曲第1番 (室内楽版)」(以下:ショパン:ピアノ協奏曲第1番)は、どのような思いで選ばれましたか。

今までいろんなジャンルを演奏してきましたが、人前でコンチェルトを演奏したことがなかったので、一つの目標として挑戦したいと思っていたことが大きいです。コンチェルトは良い曲が沢山ありますし、大好きな曲も弾きたい曲もたくさんある中で、悩みに悩んで決めました。実は僕自身、ショパンはとても難しい曲だと感じているのですが、あえて挑戦することも大切なのではないかと思っています。

――こへまるさんはポップスやオリジナルの曲などをよく演奏をされていますが、ショパン:ピアノ協奏曲第1番に挑戦しようと思ったきっかけは何かありましたか。

挑戦を決めた理由は、成長していきたいという気持ちからです。自分自身の成長が止まってきていることを感じて、もっと精力的に活動していくには何が必要かと考えた時に、初めての挑戦をするのが大事なのではないかと。そして、ステージを全うした時に得られる達成感や喜びを、お客様にも一緒に感じていただけたら嬉しいです。

また、今はポップスのステージが多いですが、元々はクラシックのコンサートをすることが多かったので、ポップス曲を演奏している時でも、和音の変化やフレーズの捉え方など、クラシックの要素が自分の中に流れていることが多く、クラシックとポップスは全く異なるものではなく一つの音楽として考えています。

――ショパン:ピアノ協奏曲第1番ではスペシャルクインテットとの共演もありますね。「聴かせどころ」を教えてください。

もちろんピアノが主役ではありますが、全員が主役ということではないでしょうか。この部分はヴァイオリンがメインだよね、この音はコントラバスのベースを聴かせたいな、など、他にないコンチェルトの作り方をしたいという気持ちがあるので、一人一人とのコミュニケーションを心掛けて演奏したいと思います。ぜひ会場にお越しいただき、舞台上で繰り広げられる“言葉のない音の対話”(アンサンブル)を楽しんでいただきたいです。

――クインテットメンバーの皆さんも多方面で活躍されている方々ですが、以前から交流がある方はいらっしゃいますか。

ヴァイオリンの吉江さんと数年前から交流があり、何度か共演させていただいたこともあります。チェロの大宮さんとは吉江さんとのご縁で知り合い、食事に連れて行っていただいたり、一緒にいちご狩りに行ったりもしました(笑)。その他の皆さまは初めましてですが、豪華なメンバーが集まってくださったのでとても楽しみです。

――ゲストで出演されるKバレエ名誉プリンシパル・バレエダンサー遅沢佑介さんとのコラボは、新しい試みだと思います。

Kバレエの名誉プリンシパルであり、素晴らしいバレエダンサーである遅沢さんと共演できることはとても光栄です。
遅沢さんも栃木県出身で、地元でバレエ教室をされているのですが、栃木を盛り上げたいという志を熱く持たれていること知り、深く共感して、僕の方から遅沢先生にお掛けさせていただいきました。「やりましょう!」と暖かいお返事をいただけて嬉しかったです。

――クラシックからポップスまで幅広いジャンルのプログラムですが、選曲にあたってなにかテーマや考えているものはありますか。

1部はクラシカルがテーマで、コンチェルトの他にピアノコンチェルトの名曲を集めたメドレーを考えています。クラシカルで重厚感もあり、楽しめるプログラムにしたいです。2部は全く真逆で、ポップスや弾き語り、即興など一つの大きなエンターテインメントをピアノソロで作り上げたいと思っています。そして3部のバレエとのコラボでは、クインテットのメンバーも含め全員で作り上げる華やかなステージになると思います。

1部はクラシックを聴く楽しさを、2部では音楽の楽しさを体感する。そして3部は目で見て楽しんでいただきたいなと思います。

――こへまるさんの今までの活動の集大成のようなリサイタルになりそうですね。

そうですね。来ていただいたお客様に心から楽しんでいただけるように、僕のできることを全て出し切れるようなステージを目指しています。

――普段からお客様と一体になって一つのステージ作り上げるこへまるさん。今回の公演もとても楽しみです。最後にご来場いただくお客様にメッセージを頂けますか?

とにかく楽しみに来てほしいです。クラシックやポップス、そしてバレエとのコラボもある3部構成のリサイタルですが、全てを楽しんでいただきたいという気持ちが大きいです。実はジャンルを分けることがあまり好きではなく、もちろん人それぞれ好みがあると思いますが、一つのリサイタルを通して僕が作る音楽の魅力を存分に味わっていただきたいです。

そして、小さい頃から応援してくださっていた栃木の皆さんに、これだけ成長したよという姿をお見せして、感謝の気持ちを伝えられたら嬉しいです。

「皆、絶対来てね!待ってるよー!!!!!」

【KOHETALK!! #2】リサイタルにかけるこへまるの想い

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