FM802『FM802 ROCK &DISH vol.4 Supported by ELECOM』2024.7.1(MON)旧桜宮公会堂
ASIAN KUNG-FU GENERATION・伊地知潔(Dr)とフジファブリック・金澤ダイスケ(Key)によるFM802料理部のイベント『FM802 ROCK &DISH vol.4 Supported by ELECOM』が7月1日(月)に開催された。二人がゲストにふるまった料理と同じレシピのスペシャルフードを楽しめる大人気イベントだ。部長を務める伊地知潔は、料理研究家という肩書きを持ち、自身の料理Youtube『KIYOSHI’S KITCHEN』でも活躍中。副部長の金澤も伊地知とともにレシピ本を出版するなど、バンド界屈指の料理好きとして知られている。
レトロな洋館に合わせて、コスチュームにも気合!?
4回目となったこの日は、前回のビルボードライブ大阪から旧桜宮公会堂に場所を移し開催された。昭和10年に明治天皇記念館として建設された旧桜宮公会堂は、国の重要文化財にも指定されている歴史ある建物で、普段は結婚式などが行われている場所。会場となった大広間はシャンデリアが輝くクラシカルな雰囲気が素敵!来場者は、カトラリーがセッティングされた円卓に座って開演を待つ。
『FM802 ROCK &DISH vol.4 supported by ELECOM』
入口のグッズ売り場では、料理部オリジナルバンダナのほかに、明治36年創業の乾物店「こんぶ土居」(大阪・谷町六丁目)とコラボしたオリジナルふりかけ(「胡桃」「山椒」の2種セット)も販売。かわいいパッケージも好評で、開場早々に完売となった。ふたりがイベント開催前の4月に試作した様子はこちら。(https://spice.eplus.jp/articles/328673)
『FM802 ROCK &DISH vol.4 supported by ELECOM』
進行兼実況役のFM802 DJ・加藤真樹子は、伊地知と金澤を呼び込むと、「めっちゃシェフじゃないですか!」といつもと違う伊地知の衣装に注目。伊地知は、「通販で(衣装を)買って、すぐダイちゃんにラインしたよね」と、この日のために用意したという白のコックコートをビシっと身にまとい、気合い十分だ。あまりの似合いように、「厨房から出てきた人みたい(笑)」と金澤も絶賛。お揃いのエプロンとバンダナをつけると、料理コーナーからイベントがスタートした。
藤巻亮太のオーダーは地元にちなんだ……
『FM802 ROCK &DISH vol.4 supported by ELECOM』
ふたりがおもてなしするゲストは、今年ソロ活動11年目に突入した藤巻亮太。藤巻亮太(レミオロメン)とASIAN KUNG-FU GENERATIONは2003年デビュー、フジファブリックは2004年デビューで1年後輩にあたり、3人は同世代。藤巻は、「つきあいは長いけど、ふたりの料理は食べたことがないので、心から楽しみにしてきました!」と期待を寄せる。
『FM802 ROCK &DISH vol.4 supported by ELECOM』
今回は、2つの調理家電、エレコムの「HOT DISH cocotte」、テスコムの「グリルなべ」を使って調理していく。会場前方と後方に設置された大きなモニターで、調理中の手元を見ることができるのもこのイベントの醍醐味だ。チリンチリンと鈴を鳴らして藤巻が発表したテーマは、「甲州ワインに合う料理」。甲州ワインとは、甲州ぶどうから作られる白ワインのこと。ぶどうの産地でたくさんのワイナリーがある山梨県出身の藤巻は、「地元のワインに合う料理が食べたいです」とオーダー。藤巻の実家は桃やぶどうを作る農家で、地元では委託醸造もさかんだそう。「実家のぶどうでいつでもフレッシュなワインが飲めるんです」という藤巻の話に「いいなあ……」と伊地知は興味津々だった。
『FM802 ROCK &DISH vol.4 supported by ELECOM』
伊地知が「ワイン大好きなんで、大得意です!」と自信たっぷりにはじめた料理は、テスコムの「グリルなべ」を使った「きのこチーズリゾット」。グリルなべは、3.4Lの深鍋で、煮る・焼く・蒸すの3役を1台でできるすぐれものだ。本体から上の部分を取り外して、丸洗いできるのも便利。
玉ねぎとニンニクのみじん切りをオリーブオイルで炒めて、玉ねぎが透明になったら、生米と乾燥ポルチーニ茸、白ワインをグルルなべへ。きのこの戻し汁にブイヨンを溶かしたスープを入れて、蓋をすればあとは待つだけ。「リゾットはアルデンテにしたいので、ポイントはあまりさわらない事。さわりすぎると米の粘りが出て、おじやみたいになってしまうんです」と伊地知が解説すると、お客さんは真剣に聞き入っていた。
『FM802 ROCK &DISH vol.4 supported by ELECOM』
そして、金澤も同時進行で、「鶏モモ肉の赤ワイン煮」の調理をはじめる。金澤が使用するのは、エレコムのIH卓上調理なべ「HOT DISH cocotte」だ。「すぐに高温まで立ち上がるので、時短調理にもぴったりです」と調理を進めながら使いやすさをアピールする金澤。見た目もかわいらしく、そのまま卓上で鍋料理などを楽しむこともできる。鶏モモ肉を焼き色が付くまでカリカリに焼いたら、赤ワイン、オレンジジュース、醤油を入れて沸騰させ、レーズンを入れたら弱火に。「これらがソースにもなり、煮れば煮るほどお肉が柔らかくなるんです」という説明を聞いているだけでおいしそう!「いい音楽を聴かせるとおいしくなる?」という藤巻の質問に、「いい言葉が波動になって、料理に伝わるかも!おいしくなあれ!」と、鶏肉に声をかける微笑ましい金澤だった。
ピアニストらしいセンスを発揮!?
それぞれが煮たり焼いたりしている間、同世代ならではのデビュー当時の話題で盛り上がっていると、どんどん良い香りに包まれていく会場。それぞれがおいしそうに盛り付けを終えると「できた!」と、あっという間に2つの料理が完成した。
『FM802 ROCK &DISH vol.4 supported by ELECOM』
料理がサーブされると「赤ワイン・白ワインの食欲をそそる色と香りがたまらないです」と笑顔を見せる藤巻。みんなに注目されて少し緊張しながら、まずは伊地知のリゾットから実食。「アルデンテの食感がすばらしくておいしい!ゆっくりとワインを飲みながらいただきたいです」としみじみと味わっていた。続いて、金澤の赤ワイン煮を口にすると、「ソースの爽やかな酸味と鶏の脂の旨味が合います。レーズンと一緒に食べるのは初めてで新鮮。複雑なコードを使った曲作りのようでダイちゃんっぽい」とコメント。音楽的な視点を交えた感想に大きな拍手がおこった。
『FM802 ROCK &DISH vol.4 supported by ELECOM』
来場者にも同じレシピで作った料理が次々とサーブされ、良い香りが漂う中、食事タイムへ。「おいしい!」という声があちらこちらから聞こえてくる。ELECOMの豪華商品があたる抽選会では、ふたりが使った2種の調理家電のほか、さまざまな商品が大盤振る舞いされ、セットチェンジ中も大いに盛り上がった。
息の合ったセッションで互いの名曲を演奏
『FM802 ROCK &DISH vol.4 supported by ELECOM』
後半は待ちに待ったスペシャルセッション。照明が落とされ、ライブ仕様となった会場に、3人がスタンバイすると大きな拍手が。「このメンバーでセッションするのははじめて。すごくリハが楽しくて。ふたりをリスペクトしているので、3人それぞれの曲をやります!」と、アコギをかかえた藤巻が1曲目に選んだのは、「ポップでロックでカッコよくて大好きな曲」と紹介したASIAN KUNG-FU GENERATION「ループ&ループ」。柔らかく包容力のある藤巻のヴォーカルがこの曲の持つ独特のグルーヴにハマりすぎている。演奏後の大きな歓声に「うれしいなあ」と笑顔を見せる3人だった。
続いて披露されたのは、フジファブリック「若者のすべて」。演奏前には同郷である志村正彦について、たっぷりと語ってくれた。「ぼくは甲府盆地という盆地で生まれ育って、志村くんは風光明媚な富士吉田市の出身。同じ山梨県ですが、標高が高く、冬は寒さが厳しい富士吉田市で育った志村くんが書く曲は、何か違うなと。彼には四季の移り変わりや無常観を鋭く表現する才能があったと思います」
『FM802 ROCK &DISH vol.4 supported by ELECOM』
「無常観の中の一瞬を大切にする」そんな志村の感覚に感銘を受けたという藤巻。気持ちのこもった演奏が容赦なく涙腺をアタックする。会場には涙ぐむ人がたくさん。3人が丁寧に紡ぐメロディと藤巻の表現力に心を打たれ、会場中に「この曲を大切に想う気持ち」があふれた時間となった。
「素敵なイベントに呼んでいただき、ありがとうございました!最後にみんなで盛り上がりましょう」と藤巻が呼びかけ、一体感のあるハンドクラップからならされたラストナンバーは、「レミオロメン/南風」。演奏後、固い握手を交わした3人は、「もうちょっとやりたかったですね」と名残惜しそう。「リハーサルが楽しすぎて1時間くらいやってましたもん(笑)もう1回!もう1回って!」そんな楽しさが伝わるエピソードもあり、今回も温かく和やかな空気感の中、心が満たされた幸せなイベントとなった。
『FM802 ROCK &DISH vol.4 supported by ELECOM』
伊地知と金澤が考案したレシピは、下記リンクから確認できるので、ぜひチェックして自宅で作ってみてほしい。https://www.elecom.co.jp/pickup/contents/00109/
取材・文=岡田あさみ 撮影=渡邉一生