キタニタツヤ×go!go!vanillas、初共演にして相思相愛のツーマンにーー夏の大阪城野音で刺激し合った『SOUND CONNECTION -SUNSET PARTY-』レポート

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『SOUND CONNECTION -SUNSET PARTY-』2024.7.5(FRI)大阪・大阪城音楽堂

キタニタツヤ、go!go!vanillasが出演したライブイベント『SOUND CONNECTION -SUNSET PARTY-』が7月5日(金)、大阪・大阪城音楽堂で開催された。『SOUND CONNECTION』は、MBSテレビと在版のコンサートイベンター、そしてエンターテインメント業界が、関西からアーティスト、オーディエンスはもちろん、シーン全体をつなげることをコンセプトに2022年にスタート。今回は初の野外2日間公演として、DAY1は『SOUND CONNECTION -SUNSET PARTY-』、翌DAY2は氣志團、FRUITS ZIPPERが出演した『SOUND CONNECTION -レインボーカーニバル-』が行われた。

同イベントに向け、キタニタツヤ×go!go!vanillas牧 達弥(Vo.Gt)のスペシャル対談(https://spice.eplus.jp/articles/327894)が実施され、当日はペインター・SHUN NAKAOのイラストがあしらわれたイベント限定コラボTシャツや、イベントのロゴ入りタオルなどオリジナルグッズを販売(現在、GREENS公式オンラインショップで販売中!)。さらに、キタニの「Cinnamon」とバニラズの「SHAKE」と、両者の曲名をもじった限定ドリンク「シナモンシェイク」も販売されるなど、盛り上がる準備は万端。期待感で爆発寸前の中、いよいよライブはスタートした。

キタニタツヤ

SEから、登場するアーティストを察したどよめきが起こり、黒ずくめのサポートミュージシャンが次々と現れたそのとき、予感は確信に変わる。「キタニタツヤです、よろしく!」とあいさつしイントロが鳴った瞬間から、最高速で沸点まで駆け上がった「スカー」で幕開け。促さずとも発生するクラップとコールが出迎えた「次回予告」では、エレキギターを置きハンドマイクでステージを軽やかに舞うように熱唱。その後もダークでダンサブルな「悪魔の踊り方」~「きっとこの命に意味は無かった」と一気に畳み掛けていく!

「暑いから倒れないようにしてくださいマジで! 本当は今頃もうちょい暗くなっているつもりでセトリを組んでいたんですが、まだまだ昼ですね(笑)」と、19時前でも明るい真夏の野外ライブ日和に歌い上げた「白無垢」は、大人の色香漂う絶妙なスパイスに。「波に名前をつけること、僕らの呼吸に終わりがあること。」ではベースを弾きながら歌うなど、ボーカルとソングライティングに留まらないマルチな才能でも見る者を魅了。その後も、エレクトロなビートで身も心も踊らせる「Moonthief」、エッジィなギターリフともどもブチ上げる「聖者の行進」と、無双状態で突き進む!

「すげー後ろの方までよく見えるわ、ありがとう! バニラズって純粋な音楽フリークが聴いている印象があって。昔からブレていないし、ずっとルーツミュージックが元にあって、それを自分たちが本当に好きな形で演奏している。その真っすぐさが、カッコいい背中だなと思っていました。きっとバニラズを好きな方もそうなんでしょう。そういう人たちと一緒にライブができるのは、とってもありがたいことだなと。両者とも末永く、たくさん聴いてください、よろしくお願いします」というMCには、ひときわ大きな拍手が巻き起こる。

後半戦は、「音楽好きが集まっていると思って、踊れる曲を持ってきたので聴いてください!」と、言葉通りのアーバンサウンドで野音を揺らした「愛のけだもの」から「Sad Girl」をメロウかつスウィートに響かせ、「ずうっといっしょ!」では濁流のように迫りくる壮絶なバンドサウンドで圧倒! トドメは神アンセム「青のすみか」で期待に応えて超えていく文句なしの大団円で、go!go!vanillasへきっちりバトンを手渡した。

go!go!vanillas

「会いたかったぜ大阪~! 超遊ぼう!!」と牧が天高く手を伸ばし告げた途端に、会場を包み込む何ともハッピーなムード。1曲目の「お子さまプレート」からロックンロールの魔法を目の前で軽々と体現していくgo!go!vanillasが、すっかり日が沈んだ大阪城野音に「クライベイビー」をかき鳴らす!

共感というよりもはや曲の一部な手拍子に支えられ、「大阪城野音、調子はどう? 今日は最高の天気で……ってちょっと暑いけど(笑)、キタニのタッちゃんとの初めてのツーマン、思う存分、楽しんでいってちょうだい!」(牧)と「青いの。」へ。音楽を介して自由に遊ぶようなライブには、バニラズが愛される理由がとことん詰まっている。

「暑いけど楽しいな~! まだまだ踊ってもらってもいいかい? ここから思いっ切りぶち上がっていこうぜ!」(牧)と始まった「平安」も、洋邦ハイブリッドなモダンかつクセになるリフレインがお見事で、満場の野音に立つべくして立っているバンドの風格と余裕と遊び心がたまらない。ジェットセイヤ(Dr)の叩き出すワイルドなダイナミズムと柳沢進太郎(Gt)の流麗なギターが映える「鏡」を経由し、サポートキーボードの井上惇志(showmore)の美しいピアノに導かれた「アダムとイヴ」では、「もう一回カッコつけさせて(笑)」と牧が歌詞を間違え仕切り直すハプニングすら味方につけて、観客をグッと引き込んでいく。

「こうやって野外で夜にライブできるって最高やな。野外で聴くんやったらアコギの音とかいいなと思って、そんな曲を持ってきてます。キタニくんとはこのイベントの対談をさせてもらってから一気に仲良くなって、一緒に飲んで、記憶をなくした仲です(笑)。今日のライブでさらにグルーヴを高めたいなと思ってますんで」(牧)

タイトルを地でいくような「LIFE IS BEAUTIFUL」では、歌詞の一節を<キタニタツヤとなら 大阪となら大丈夫>と変え、グッドヴァイブに心地良く浸らせたかと思えば、長谷川プリティ敬祐(Ba)が「めちゃめちゃ今日は暑い夜やけどさ、まだまだ熱くなれるか~!」と呼び掛けた有言実行の「平成ペイン」、からのライブ鉄板「エマ」では、見渡す限りが手を振りジャンプする絶景を創出。最高潮のテンションのままフィナーレを迎えた。

「アンコールありがとう! まだ今日を終わらせない。気持ちいいね大阪城野音。この夜と共にバニラズと溶け合いますか? 混ざり合っていきますか?」(牧)

そんな誘いから聴こえてきたのは、コール&レスポンスのみならず、聴き覚えのあるあの歌声……! 牧とキタニタツヤのツインボーカルで届けた「SHAKE」は、キタニのたっての希望で夏の野外という最高のロケーションで実現した、まさに『SOUND CONNECTION』だからこそのコラボレーション。お楽しみはこれに留まらず、互いのルーツであり、牧とキタニで先日ライブも見に行ったというBUMP OF CHICKENの「sailing day」のカバーを披露! 初共演にして相思相愛のツーマンを飾る最高のエンドロールとなった。

最後に、対談の際に牧が語った一言をここに捧げよう。ミッション・コンプリート!

「お客さんにライブの楽しさを感じてもらえる日にしたいな。次の日も思い出しちゃうくらい、楽しい日にしたいなと思います」

なお、この日の模様は後日、MBSテレビ『よんタメ』でダイジェストライブ映像を、MBSラジオ『Mラジ Music Treasures』でライブ音源を放送予定。

取材・文=奥“ボウイ”昌史 撮影=渡邉一生

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